SHs大戦第11話「メアのがっこう」シンプル版2023/5/13 完結

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そんな惨状に「アラアラ」と高貴？な声がかかった。振り向くと豪奢なフリフリの衣装を着たミロワがこちらにやって来ていた。

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「フン。無様ね庶民メア。せっかくの授業参観だというのにお人形さん遊びに興じるしかないとはあわれであわれで……臭い！ちょっと、臭うわよソレ。近づけるのはおやめなさい！おやめなさいって！庶民アツシ！庶民ショウ！」 「「おう！」」

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ムカッと来たので不細工ミニアークを持って廊下まで追いかけまわしていたら取り巻きを呼ばれた。両腕がロボットめいた灰色の義腕になっている鉄腕のアツシと教室でもキャップを目深に被っているビーダマ弾きのショウだ。

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アツシは見た目通りのパワーを誇り、ショウは指でビーダマを弾き三十メートル先の動く標的に当てて見せたこともあるクラスの有力者である。 オジョウを含めた彼らはメアの暴走に対抗する革命の徒であった。鉄腕のアツシが一歩前に出る。

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「やいメア。これ以上教室でアバレるってんならオレのロケットパンチが火をふくぜ」 「お前のは蒸気式だけどな」 「いんだよショウ。こまけーこたァ」 「当たったところみたことないのだ～」

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「そうね、いつも関係ないものを壊してるし……迷惑だから止めといたらどうかしら？」 「呼んだやつにいわれちゃ行き場がねえんだよ！？」

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後ろから刺されたアツシの隙をついてメアはチラリと教室内の保護者たちを横目に見たが彼らは介入する気はないようだ。ならばどうとでもなる。人数差はあるがそれも直ぐに埋まる。

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「三対一なんてミロワちゃんいーけないんだ！」 「メアちゃん。義によって助太刀いたします」 　ニーエとイニエ。全くかみ合わない赤青の双子姉妹がメアの陣営に加わった。数的有利を失ったミロワ陣営は 明らかな動揺を見せた。

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「なんだよお前ら。メアの味方しやがって」 「少しは戦力バランスを考えろ。ズルだぞ」 「大人数でかかる方がズルでしょ。ね、私」 「強い者について何が悪いというのでしょう。ね、ニーエちゃん」 「「アレ？」」 「かみあってないのだ～」

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戦局がグダグダしてきた中でミロワは自らの懐に手を入れ何かを取り出し見せた。 「庶民イニエ。これ欲しくないかしら？」 「あれはギックリマンチョコ最初期のレアカード……。ミロワちゃん。利によって助太刀いたします。です」

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「ちょっと私！？……私がいっちゃったんだから私もいったほうがいいわよね。一心同体だもの。ごめんねメアちゃん！」 「びっくりするほどしり軽なのだ！？」 　青いのも赤いのも敵陣営についてしまった。人望とは、カリスマとは何だろうか。その自問に一瞬で「力なのだ」と自答してメアは構えた。

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「ふん、戦闘員が何人集まろうが強い奴には勝てないのが定めなのだ」 「あら、負けおしみ？数の力を甘く見ていると痛い目をみるわよ。いや、見さすわ」 　両陣営が激突する。その直前にメアにとって聞きなれた声が割り込んだ。

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「おー、いたいた。なんだよろしくやってんじゃねえかメア！」 「この声は……アークぅ！？なのだ！？」 　 メアが振り返るとそこにはミニアークに先導された”悪友”がいた。彼女はサメの尻尾をゆらゆらと揺らして愉快そうに笑っていた。 pic.twitter.com/TBNEzrxk3Y

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驚きの登場人物の追加によって周囲は騒然となった。特にクラスメイトたちには効果がてきめんで、 「うわあぁぁぁぁぁ！？アークだぁ！」「逃げろ！アークがうつるぞぉ！」「おこづかいをむしり取られる～！」 「クソガキどもが……！！」

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狂乱に包まれる教室。廊下を見渡せば他クラスの子供たちが安全圏から興味深そうにアークを見ていた。威嚇をして退散させる。 「オイドーシタ？ソロソロ授業ダロ。教室ニ入ロウゼ」 「何で来たのだアーク！？呼んでないのだ！」

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全くの不可解である。アークは肉親ではなくまして保護者ですらないのだ。そんな不審人物がなぜ神聖なこの学び舎に来ているというのか。

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「あん？そりゃオメーのカーチャンに代わりにいってやってくれって頼まれたからだよ。飯オゴってくれるっていうし小学校てのも興味あったからな。あとお前の恥ずかしい失敗シーンとかみれりゃ得だなって」

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「最悪なのだ！ママなのだな。なんでこんなことを……。っていうかお願いされてたならなんで一時間目から来なかったのだ！」 「クソマスターガ起キル訳ネーダロ。コレデモカーチャント頑張ッテ起コシタンダ」 「言われてみればこのダメ人間が朝から学校に通えるわけなかったのだ」

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「コイツらねえ……。あとミニアークはいい加減サンのことカーチャンとかいうのやめなさいよねホント」 「カーチャンハカーチャンダ」 　そんなやりとりの後に教室に戻ると担任の先生が駆けこんできて直後にチャイムの音がなる。二時間目。社会の授業の始まりだ。 SHs大戦11-2 終

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SHs大戦第十一話「メアのがっこう」3 #SHs大戦 pic.twitter.com/snJxyEYCTh

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♦ 　メアたちが受ける社会の授業はちょうど今日から地理の内容に入るところであった。 「皆さんの住んでいるここ方舟市のように、換歴には昔では考えられないような特殊な都市がたくさん存在しているんです。といってもその特殊な都市に住んでいるとあまり実感がわかないかもしれないんですけど」

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「なんだそれ～」 「はこぶね市って変なの～？」 「いや、変っていうわけじゃなくてぇえっとお……」 　子供のヤジや疑問にたどたどしいながらも新任の先生が答えていくなかでメアは席に座って落ち着きなくしていた。原因はもちろん”悪友”だ。

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（まさかアークが授業に来るなんて予想するわけないのだ！授業でまちがえたりしたら絶対ネタにしてくるのだ） 先生にバレないようにこっそり後ろを振り向くと彼女はこっちを見ずに隣にいた誰かの保護者に懇願していた。動きから察するに金をせびっているようにも返済を延期を願っているようにも見える

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「では皆さん。今さっと思い出せるような個性的な街をあげてみてください」 「ハイ！」「ハイ！」「ハワイ！」 「それではヨギリさんどうぞ」 （何をやっとるのだアーク）