予想に反し、BQ.1.1(ケルベロス)の病原性はBA.5と同程度か、より低いことが判明。(ただし感染力は最強)

予想に反し、BQ.1.1(ケルベロス)の病原性はBA.5と同程度か、より低いことが判明。(でも感染力は最強) ①オミクロン(系統)の病原性はもう最大まで高まっていて、BA.5あたりの病原性がマックス ②融合力upによって高まった病原性ポテンシャルをスパイク以外の変異で弱めている ……などの可能性。とのこと。 収斂進化!面白い…!
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#拡散希望 速報🔔 G2P-Japan🇯🇵の論文第20弾「オミクロン亜株の収斂進化とBQ.1.1 (俗称 #ケルベロス)の特性解析」を、Nature Communications @NatureComms に発表しました。 G2P-Japan🇯🇵、発足から28か月で発表論文数20に到達です🎉 1/ nature.com/articles/s4146…

2023-05-11 19:20:03
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2022年後半、BA.5株以降、世界を席巻する新しい変異株の出現が見られず、また逆に、世界中で多様化した #オミクロン亜株#収斂進化 していることが指摘されていました。2/ twitter.com/dfocosi/status…

2023-05-11 19:20:04
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その最先端に位置するひとつが、5つのスパイクの収斂進化サイトの変異(R346T, K444T, L452R, N460K, F486V)をコンプリートした、BQ.1.1株です。添付の系統樹が示すように、BQ.1.1はBA.5の子供にあたる株です。3/ pic.twitter.com/W8cmaRsE0A

2023-05-11 19:20:05
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本研究ではまず、@jampei2@SpyrosLytrasによる分子系統学と流行ダイナミクスの学際融合解析によって、①上記5つのサイトの収斂進化が複数の系統で同時多発的に起きていること、②その頻度が特にBA.4/5系統で高いことを明らかにしました。4/ pic.twitter.com/VGpWcDWups

2023-05-11 19:20:07
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また、③上記5つの収斂進化サイトの変異が、すべて実効再生産数の上昇に寄与すること(図左)、④この5つの変異をコンプリートしたBQ.1.1がもっとも高い相対実行再生産数(Re)を示すこと(図右)を明らかにしました。5/ pic.twitter.com/kEuCPhMnaW

2023-05-11 19:20:09
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次に、細胞実験によって、①BQ.1.1はBA.5に比べて、BA.2やBA.5のブレイクスルー血清に対して顕著な抵抗性を示すこと(図左)、②BQ.1.1の融合力はBA.5の2.4倍(BA.2の4.6倍!)高いこと(図右)を明らかにしました。6/ pic.twitter.com/McLQRhQelQ

2023-05-11 19:20:10
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G2P-Japanによるデルタ株(第5弾@Nature)、オミクロンBA.1株(第7弾@Nature)、BA.2株(第10弾@CellCellPress)、BA.5株(第12弾@CellCellPress)、BA.2.75株(第14弾@cellhostmicrobe)の研究から、スパイクの融合力とハムスターでの病原性には強い正の相関があることが示唆されています。7/

2023-05-11 19:20:11
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「オミクロンBA.2一家」の子どもたちであるBA.5とBA.2.75は、先祖であるBA.2よりも融合力が高く、ハムスターでの病原性が高いことも示しています。つまり、BA.5の2.4倍(BA.2の4.6倍!)も融合力が高いBQ.1.1は、BA.5よりも病原性が増強されていると予想されたのですが... 8/ twitter.com/SystemsVirolog…

2023-05-11 19:20:11
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#拡散希望 🔔速報🔔 新型コロナ研究コンソーシアムG2P-Japan🇯🇵の論文第10弾を、Cell @CellCellPress に発表しました。本研究では、現在本邦の第7波の主たる原因となっているオミクロンBA.5株のウイルス学的性状を解明しました。 cell.com/cell/fulltext/… 以下、本研究の概要です。1/8

2022-09-14 16:18:15
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予想に反し、BQ.1.1の病原性はBA.5と同程度か、それよりも低いことがわかりました。この結果は、①オミクロンの病原性はもう最大まで高まっていて、BA.5あたりの病原性がマックス②融合力upによって高まった病原性ポテンシャルをスパイク以外の変異で弱めている、などの可能性が考えられます。9/ pic.twitter.com/Xh8nKPvpp0

2023-05-11 19:20:13
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多様化からの収斂進化、というまたも予想外な進化を見せた新型コロナでした。オミクロンの今後の進化戦略を予想するのは難しいですが、「5類」移行を含めたこれからの波の動向については、やはりみなさんの感染対策次第になるかと思います🙏 10/10

2023-05-11 19:20:13
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後日談(余談)。今回の論文はなかなか難産で、昨年12月のプレプリント公開👇🏻からこの論文の公開まで、約5か月を要しました。通常の生命科学の論文のタイムスケールとしては至極妥当か早いくらいですが、この辺からも、平時の足音が聴こえてきている気がします...😌 10/10+1 twitter.com/SystemsVirolog…

2023-05-11 19:20:14
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#拡散希望 速報🔔 G2P-Japan🇯🇵のプレプリント第14弾「オミクロン亜株の収斂進化とBQ.1.1の性状解析」をbioRxiv @biorxivpreprint に発表しました。本研究では、オミクロン亜株の進化を描出し、 #オミクロン BQ.1.1(通称 #ケルベロス)の特徴を解明しました。以下まとめ⬇️ 1/ biorxiv.org/content/10.110…

2022-12-06 08:31:00

おまけの記事案内。ナショジオ:コロナ後遺症の「倦怠感」、運動していい人とダメな人の違いとは

個人的に今ホットな記事

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“インフルエンザの基本再生産数はおおよそ1~3、麻疹ではおおよそ12~18と報告されています。”

“新型コロナの実効再生産数って、現状どうなっているの?
/北海道大学大学院医学研究院・西浦博教授の監修のもとに、東洋経済新報社が新型コロナの国内の実効再生産数を公開しています(※)。これを見ると、5月17日時点ではRt=0.66だった数値が、6月17日時点でRt=1.26、7月4日時点でRt=1.84と、いったん収束へ向かっていったものの、また拡大しつつある状況になっていることが推測されます。”(注:2020年)
(「実効再生産数ってなに?」より)

[実効再生産数ってなに?](http://www.iwaichuo.com/staff/実効再生産数ってなに?]
(いわい中央クリニックHPより)

基本再生産数ってなに?
基本再生産数は「RO」の記号で表されます。インフルエンザの基本再生産数はおおよそ 1~3、麻疹ではおおよそ 12~18 と報告されています。

実効再生産数ってなに?
すでに感染が広がっている状況において、1 人の感染者が次に平均で何人にうつすかを示 す指標です。実効再生産数は「Rt」の記号で表されます。感染拡大を防ぐ努力が行われて いたり、すでに免疫を獲得している人がいたりする集団の中で、平均で何人にうつるかを導 き出す指標なので、時間と共に数値も変化していきます。実施した感染症対策などの効果の 評価や、感染状況の未来の動向を予測するための要素の一つとして利用されています。

数値はどう考えればいいの?
1 より大きいほど感染力が強く、感染が広がる状況と考えて下さい。例えばRt=3 の場 合、これは「1 人の感染者から、次に平均で3人にうつる」という意味になります。Rt= 3 の状態がずっと続いたりすると、うつった 3 人から次は 9 人にうつり、また次は 27 人・・・ と、ねずみ算式に感染者がふえていくことになります。

数値が小さい場合はどうなるの?
1 より小さいほど感染力が弱く、感染が収束していく状況になります。

Cook⚡規制解除(ただしいつ規制入るかわからない!) @CookDrake

オミクロン株XBB.1.5、感染力・免疫逃避能ともに増強/東大 Carenet医療ニュース #carenet carenet.com/news/general/c… オミクロンBA.5の実行再生産数と基本再生産数 pediatric-allergy.com/2022/08/07/omi… オミクロンの基本再生産数は平均9.5(範囲は5.5~24、中央値10) pic.twitter.com/qbOIZDl2iC

2023-05-30 23:31:15
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リンク 小児アレルギー科医の備忘録 オミクロン株の基本再生産数・実効再生産数はどれくらいと推定されるか? オミクロン株の基本・実効再生産数はどれくらいか? ■ オミクロン株BA.5の流行期であり、医療スタッフへの感染もよく耳にするようになりました。 ■ デルタ株以上の感染性をもつオミクロン株ですが、はたし 1 user 3
リンク CareNet.com オミクロン株XBB.1.5、感染力・免疫逃避能ともに増強/東大|CareNet.com 米国疾病予防管理センター(CDC)が発表したデータによると、米国では2022年12月より新型コロナウイルスのオミクロン株XBB.1.5の感染が急激に増加し、2023年2月4日時点で全体の66.4%を占めている。XBB.1から派生したXBB.1.5は、日本でも感染例が確認されており、今後の感染拡大が懸念されている。東京大学医科学研究所の佐藤 佳氏らの研究グループは、オミクロン株XBB.1.5のウイルス学的特徴を、流行動態、感染性、免疫抵抗性… 6

・米国内のウイルスゲノム取得情報を基に、ヒト集団内におけるオミクロン株BQ.1.1、BQ.1、XBB.1、XBB.1.5のそれぞれについて実効再生産数を推定したところ、XBB.1を基準とすると、BQ.1.1、BQ.1は同等かわずかにそれ以下であったのに対し、XBB.1.5はXBB.1の1.2倍高かった。

・スパイクタンパク質と感染受容体ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)との結合を検証したところ、XBB.1.5のスパイクタンパク質のACE2への結合力が、BA.2の6倍、XBB.1の4倍高かった。

・ウイルスの感染性について、XBB.1.5はXBB.1と比べて3倍高い感染力を示した。

・XBB.1.5の免疫逃避能について、ワクチン接種後にBA.2にブレークスルー感染した人の血清においてBA.2の20倍、BA.5にブレークスルー感染した人の血清においてBA.5の9.5倍、血清中の中和抗体に対して強い抵抗性を示した。XBB.1.5とXBB.1の抵抗性の強さは同程度だった。