- sanpai2929sii
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加藤博二著 森林官が見た山の彼方の棲息者たち読了。 1937年に書かれた本の再版だが、俄には信じ難い話や地方との格差の話など興味深い話が多かった。 #読書 pic.twitter.com/lWz1u3UMan
2023-05-21 11:35:54高原の花畑に断食修行に来た元美術講師、山窩の未亡人の家に泊めてもらった話、なんとかしてどぶろく作りを隠蔽できないか村で対策した話、その他、山の風俗紹介など見川鯛山の本日も休診や矢口高雄のおらが村に近い内容だった。
2023-05-21 11:48:13山中で迷ってしまい、小屋があるので入ってみたら25歳くらいの山窩の未亡人がいて、彼女に蛇の炊き込みご飯(米と生きたままの蛇を鍋に放りこんで、穴の開いた蓋で蓋をして、熱せられた蛇がそこから頭を出したまま茹であがるので、それを掴んで引き抜けば綺麗に骨が取れて肉だけ残るらしい)という
2023-05-21 11:55:02この作者が若い頃は檜笠を被って山をさすらう無銭旅行が流行ったとあって、戦前もバックパッカー?みたいなのがあったようだ。そこで当時あったいい景色が望める大岩が道路工事で爆破されてしまい風情が無くなったとあって、戦前もそういう開発による侘しさの感情があったのかと興味深かった。
2023-05-21 12:31:28開発といえば、作者の故郷に鉄道が通ってから、今まで珍しかった結核や淋病が流行り始めたという話があり、何とも今の時代と通じるような話である。
2023-05-21 12:35:27ただ、旧友の妹が結核にかかったので、村八分になってしまい、どうしようもないから死んだらそのまま埋められるように箱に入れて糞尿垂れ流しのまま放置されたという話があるように、疫病に対しては現代社会はかなり対処出来ている方なのだろう。
2023-05-21 12:40:10炭焼き小屋の様子も書かれているが、かなり不衛生で親子で虱を取り合うと言った感じで現代人の感覚だととてもじゃないがいられない環境だった。しかも彼らは小作人と同じで山みたいな資産を持っておらず、焼いた分だけ手間賃を貰って生活をしていた。
2023-05-21 15:44:46この話を読むと鬼滅の炭治郎くんの家は絶対に薪が取れるだけの山は持ってるだろうと思ってしまう。ただ、こんな生活でも彼らは世の中の事は何も知らないので特に不満もなく過ごしており、子供達も学校に行かずさぼってばかりですぐセックスをして子供を作ってしまうそうだ。
2023-05-21 15:54:37親もその親も盆踊りで相手を見つけて夫婦になっていたという話もあったが、今はこういう地域に連綿と続いている世界観は消え失せて、全世界を相手にした資本主義バトルをやる羽目になっているから、色々としんどく感じた。
2023-05-21 16:03:59