権藤外科医［今日も福祉を考える］高齢化社会と精神病棟

権藤 @hiroshigondo

東日本大震災に絡む福島原発事故で、精神科病院における老人病棟の実態の一部が奇しくも世にさらけ出された。「事故以前に死亡したまま、院内に放置されていた複数の遺体」

権藤 @hiroshigondo

死亡したまま院内に放置されている遺体は現在日本中の精神科病棟を探せば何体あるのだろう。

権藤 @hiroshigondo

311以降、千葉、神奈川、群馬、東京のいくつかの精神病院を視察した。学会発表も聞き現場の話も聞いた。本来治療目的であるはずの精神科病院が「生活の場」と化している「閉鎖病棟」が九割を占めていた。

権藤 @hiroshigondo

日本の精神科病院のベッド数は他の国々と比べてずば抜けて多い。検索して出てくる数字は知らないが世界の25％くらいになるのではないか。日本でだけ精神病が流行しているわけはなく、これは国際的な批判の的になっている。

権藤 @hiroshigondo

そこに高齢化した長期入院者が亡くなりベッドが空いてしまうという、経営者にとっては死活問題が発生する。そして認知症問題が絡む。認知症の高齢者を抱える家族が疲れ果てているという現状。

権藤 @hiroshigondo

良い環境とケアがあれば住み慣れた家やグループホームなどで暮らせるがそのための政策が日本では遅れた。精神科病院の独壇場！

権藤 @hiroshigondo

20年以上の長期に渡り入院している方に話を聞くと「死ぬまでここにいたい」「幸せだ」と言った人もいた。性体験のない50歳も珍しくない。体が一つでなければ真剣に考えてみたい分野だが、残念。

権藤 @hiroshigondo

欧米で社会的入院解消の為の脱入院化が進む今日、日本では多くの長期入院者が高齢に達し、確かに近い将来には諸外国の批判を浴びてきた日本の社会的入院の問題も、彼らの死によって消滅に向かうかもしれない。(どうだろう)。

権藤 @hiroshigondo

高齢となった長期入院者達の余命。たとえそれがわずかであろうが、一人一人への人間らしい生活環境を整えるべく努力する事こそが「福祉国家」のあるべき姿だと思っている。

権藤 @hiroshigondo

結局は国が投資論によって動いているのではないかと思った。精神障害者にいくら金をかけても社会に還元されない、という見方。その考え方が他の障害者との福祉の格差を生んできたのではないだろうか。