対上着陸作戦ネタと、それに因んでるかもしれない小噺

第一次ウェーク攻略は忘却の彼方だったのは内緒です。
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錆猫 @Nyar_Horten

戦理入門によると、対上着陸作戦は敵の洋上乃至空中、次いで組織的戦闘力の発揮が困難な橋頭堡設定時、即ち水際での撃破が望ましいとされています。しかし実際には、防者の不利や海空兵力が最良でも拮抗以下の状況に置かれる特性を鑑みるに、対上着陸作戦は困難が伴う事が暗に示されています

2011-11-20 04:43:48
錆猫 @Nyar_Horten

そういえば敗北の印象が強烈で忘れがちですが、ガ島を巡る戦いに於いて、旧軍は三度に亘り碌な航空優勢も無しに陸軍部隊の揚陸を行い、規模と実戦力はさておき戦力の揚陸には成功しています。また、失敗したとされるガリポリやアンチオもですが、どちらも戦力の揚陸は成功しているわけです

2011-11-20 04:48:31
錆猫 @Nyar_Horten

以上を考慮し且、戦理入門では、対上着陸作戦の本質は上着陸地点に於ける戦力の集中競争であり、之を制した側が自己の意思を押し通せるとしている辺り、海空兵力で敵の上着陸を極力阻害し、其上で上陸した戦力を再度海に叩き返す事が対上着陸作戦に於いて地上部隊に求められる任務なのだろうかと

2011-11-20 04:52:25
錆猫 @Nyar_Horten

対上着陸作戦に於ける部隊の配置は、先の太平洋方面での一連の戰闘を考慮すると後退配置が望ましく、また主力とする戦力は、戦理入門の言うところの上着陸地点に於ける戦力の集中競争を基本海空支援の途絶した状況下でも行い得る、攻守走捜に優れた装備を持つ部隊とするのが望ましいと思われます

2011-11-20 04:57:19
錆猫 @Nyar_Horten

(多分、機動力の乏しい軽部隊や歩兵では後方から前線への迅速な展開は期待できず、戦いの流れを築きつつも決定力に欠ける遠距離攻撃のみでは敵戦力の駆逐=敵の交戦意志の破摧は困難でしょう。洋上乃至空中での撃破?其れに成功した例は寡聞にして存じません)

2011-11-20 05:00:15
錆猫 @Nyar_Horten

といった点から見るに、陸自の装備(北方方面限定orz)、攻守走捜に優れた重装備の偏重?傾向(近年は数的に減少傾向にありますが)と、後方から洋上の敵を攻撃可能(≠撃破)なSSM部隊といったものは、其れに適合(しかも陸単独で概ね完結)すべく努力した形になっているのではないかと

2011-11-20 05:05:09
錆猫 @Nyar_Horten

ちなみに海空兵力を主軸に対上着陸作戦を行った戦例として捷一号作戦が挙げられます(もっと言うなら、それ以降に行われた旧軍のこの手の作戦は、実際は兎も角、決号作戦に至るまで概ね海空主、陸従という方針だった様です)

2011-11-20 05:09:57
錆猫 @Nyar_Horten

戦史叢書の該当巻(といっても手元に在るのは比島捷号陸軍航空作戦だけですが)や参謀本部作戰課といった書籍には、大本営が島嶼防衛の決定打として航空作戦を主軸にし、その運用基盤と戦力整備に走った様が書かれています(其れに労力を取られ陸の参謀が陸戦準備が滞ると不満を漏らしたとか)

2011-11-20 05:13:57
錆猫 @Nyar_Horten

結果は米軍の上着陸を許し比島を失陥した訳ですが、そうなった理由として運用基盤の整備の不十分、戦力並びに物資補充の遅延、部隊間の行動の齟齬(による戦力集中の不徹底)といったものが挙げられます(かなり大雑把に言えば時間、資材、情報の不足が原因)

2011-11-20 05:19:48
錆猫 @Nyar_Horten

又、状況判断の齟齬からルソン島での決戦を急遽レイテ島での決戦に変更し、その為の戦力の海上輸送中に陸軍地上部隊が米軍側から攻撃を受け、逆に上着陸を阻害され、決戦に必要な装備の大半を喪失するなど、戦力の能力云々以前の問題も指摘できるかと思います

2011-11-20 05:23:16
錆猫 @Nyar_Horten

以上の理由、此れ等は現代の自衛隊にも似た様な戦力発揮の阻害要因(内部的なものだけではなく、外部からの積極的要因も含む)が待ち構えているのではないか、と考えるのは些か穿ち過ぎな事かもしれませんが、あしからず

2011-11-20 05:25:46
錆猫 @Nyar_Horten

先の呟きの余談っぽい何か。最近一部で流行っているらしい海空主兵論(主に予算配分の割合的に。又海空主兵論だけに限らないとも)が、もし他国の風潮に根拠を置いたものであるのならば、以下の言葉は結構重かったりするんじゃないかと

2011-11-20 08:09:40
錆猫 @Nyar_Horten

欧州戦に於ける関係軍の史実並びに戦後に於ける欧米軍の状態等に鑑み特に陣地戦に於ては此等外国軍の模倣を試みんとするの傾向なきにしも非ざるが如し (続)

2011-11-20 08:10:26
錆猫 @Nyar_Horten

然れども我国軍に於ける特色及特異の境遇は単に砲兵に就いてのみ之を観察するも其砲種、性能、砲数並びに弾薬の種類及多寡等に関し別途の色彩を有するのみならず(続)

2011-11-20 08:11:52
錆猫 @Nyar_Horten

昨日の珍奇も明日には旧套たるべきを銘じ以て単に陣地戦に関し最近に絶大の体験を有するの故を以て直ちに欧米軍の夫れを学ばんとするは絶対に不可にして我国軍に適応する独特の方式に則り溌剌たる創意心を以って陣地戦を遂行すること肝要也とす(砲兵戦術講授録、第三篇第五章)

2011-11-20 08:14:38
錆猫 @Nyar_Horten

例えば現状から考えるなら、海空は迅速な展開力から同盟国を当てにし、戦力や損失を補填する事も可能であり、逆に陸は運動が鈍重である特性(≠装備の軽重)から、対上着陸作戦で重要な序盤に対応できそうな距離に在るのが陸自だけという状況を考慮する必要がある、と思う訳です

2011-11-20 08:17:07
錆猫 @Nyar_Horten

ふと思うのは、島嶼の場合、開戦時の混乱から立直り反撃に転じる際の支援戦力(海空)が早期に捻出出来るという前提があれば、部隊の専門性や軽重に関係なく地上兵力を該地域に送込めるんじゃね?という身も蓋も無い諦観だったりします(怖いのは時間の経過による主権者の厭戦意識)

2011-11-27 11:44:50
錆猫 @Nyar_Horten

と同時に、A2/AD、最近では領域支配軍事戦略(ACMS)と言われるらしい其れの影響で頼みの綱の展開が遅れる可能性を考慮すると、元々鈍重な戦力を戦域に一番近い地点に居る自衛隊が担保する必要性は薄れないだろうな、と前の対上着陸ネタに絡んで何となく

2011-11-27 11:46:19
錆猫 @Nyar_Horten

何となく。前大戦の太平洋方面の島嶼に対する上陸作戦は、防御側が死守を前提に物資を注ぎ込み、数ヶ月単位の準備期間を経た島を目標にしたものである事を思い出してあげてください

2012-09-20 03:46:45
錆猫 @Nyar_Horten

(逆に言えば、準備期間を奪ってしまえば瞬発的な火力は兎も角、継続的で頑強な抵抗は排除できる可能性が高いんじゃないかしら、と。特に長距離火力)

2012-09-20 03:49:04
錆猫 @Nyar_Horten

(てなことをフォークランド紛争辺りと比較してうっすら想像してみたり。で、其れを題材に研究を重ねているとこは、多分一回の上陸作戦で最大限の戦力・物資を揚げるよう努力する方向に進んでたりして、とか割と絶望的な事は考えない)

2012-09-20 03:53:01
錆猫 @Nyar_Horten

とりあえず、太平洋での幾つかの上陸作戦は数ヶ月以上の時間を防御側が利用したことが被害の要因(の一つ)だろうと思うのです(≒時間を奪えば防御側の能力はさして向上しないので初動を早めることが大事、つまり重要なのは海兵隊化云々ではなく、意思決定の早さ(とそれの保障)ではないかと)

2012-10-27 05:15:22
💉×6ヰるへるむ・わっかかわっかー・三世 @marman_band

@Nyar_Horten ん。その通り。それに統合運用に指向してる今、何で新しい組織を作りワザワザ分ける必要があるのかと。だいたいにして作れても連隊規模程度なんだから、特別編成でええがな。って常識的にはなるね。後続が来ないなら別だけど。なら即応と橋頭堡づくりに特化でいいじゃんて。

2012-10-27 06:18:38
錆猫 @Nyar_Horten

@marman_band もしかすると、通常の陸軍部隊には上陸作戦は出来ない、だから海兵隊をとの固定観念があるのかも、との疑いが無きにしもあらず、…です(そんな事は無いとは思いますが

2012-10-27 07:31:38