- toshi3636_1
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ぼくはボケているから、ヘビロテで読んでいる内田百閒の『阿房列車』のうち、「第三」を読んでいないことに最近気づいて、ほくほくした気持ちで今、お風呂に入った時にゆっくり読んでいる。どうやら「一」と「二」を今までヘビロテで読んでいて第三に行っていなかったらしい amazon.co.jp/%E7%AC%AC%E4%B…
2023-07-03 07:10:07内田百閒の『阿房列車』は、第一の書き出しがほんとうにほれぼれするほど素晴らしく、なんの用事もないけど大阪まで行ってこようと思う、ただお金はない、これから工面する、お金があったらそのまま帰ってくるけどなかったら一泊してくるといった調子と展開が神のようである。
2023-07-03 07:11:43内田百閒の『阿房列車』のスタイルには伝染力があって、「山系」くんといっしょに出かけて、お酒を飲みながら列車で移動するその美意識と、段取りに惹きつけられてつい自分でもやってみたくなる。あるいは読書することで仮想体験してみたくなる。
2023-07-03 07:13:02『阿房列車』の愛読者ならば誰でも知っている、朝ごはんをたべないことや、空腹でいることでお酒がうまくなることや、見聞を広げようとしないこととか、まさに「百閒節」としか言いようのない名文なのだが、その精髄が一番表れているのが、『第一阿房列車』の冒頭だろう。 amazon.co.jp/%E7%AC%AC%E4%B…
2023-07-03 07:15:25ところが、第三になると、内田百閒もいろいろと実験してみたくなるのか、文体や調子が少しずつ広がってきている。それはそれで楽しいのだけれども、やっぱり、第一の冒頭から続くのあの雰囲気が、『阿房列車』としては「旧約聖書」的な黄金率だったのだなあと改めて感じてありがたさが増す。
2023-07-03 07:17:08ほんとうはどんな文体でも、どんな調子でも書けるのに、敢えてあるスタイルを貫くのはまさに「ストイシズム」の極致であろう。あるあり方しかできないのではない。本来は虹色なのに敢えて一つの色を貫くということがある。もちろん、ストイックな人は虹全体が見えている。それが人生の味わいだから。
2023-07-03 07:18:29以上、連続ツイート3171回、「内田百閒の『阿房列車』に見る、ストイックな人は虹全体が見えているという命題」をテーマに6つのツイートをお届けしました。
2023-07-03 07:19:12