takashi murakami さんの「君たちはどう生きるか」評

ネタバレあり。鑑賞後がよいでしょう
8
takashi murakami @takashipom

「君たちはどう生きるか」 絵描きの僕にとっては最高の作品でした。 以下、ネタバレにもならないであろう、私の個人的な解釈ですが、ネタバレかもしれませんので、それが嫌や人は読まないでください。 pic.twitter.com/h8Yo8vcba8

2023-07-15 11:46:41
拡大
takashi murakami @takashipom

注意!以下、ネタバレの可能性あり! ※※※※※※※※※※※※ あるドキュメンタリーで、駿さんが、イギリスとのテートブリテン美術館に行って、ミレーのオフェーリアを鑑賞後に「凄い作品だったねぇ。もう当時に全部やってるんだねぇ。叶わない」みたいなことを呟いてて(正確な言説は pic.twitter.com/xehoTAQyqX

2023-07-15 11:48:09
拡大
takashi murakami @takashipom

何方か調べてください。僕の記憶は正しくはないので)駿さんは、絵を鑑賞時に作家の頭脳の中にジャンプインしてるんだ!と思いました。

2023-07-15 11:48:32
takashi murakami @takashipom

つまり駿さんはアニメーション監督なんだけど、絵描きでもあるので、絵の中の情報が理解できるんだなぁ、と思いました。

2023-07-15 11:49:18
takashi murakami @takashipom

僕ら絵描きや、プロの絵の鑑賞者は、ミニマルアートやコンセプチュアルアートでも、その素材の選択、組み立て方において作家の脳内の思考というかシナプシスのつながった電極の道のりを理解、トレースします。

2023-07-15 11:49:36
takashi murakami @takashipom

なので筆で描かれた絵であれば、その情報は膨大であり、細かく微細に理解するにはアーティスト自身の辿った人生を手掛かりにもします。それが美術史であったりします。故に作家存命中は真意が見えずらいと言うのもあります。

2023-07-15 11:49:59
takashi murakami @takashipom

今回、目立って出てきた参照絵画はベックリンの「死の島」です。他にもたくさんの芸術の参照例があったと思いますが、それらを、作った芸術家の脳内のシナプシスの電極のスパークに全身全霊を委ね、己の脳のクリエイティブな瞬間のスパークに結びつけ、駿さんの会いたい、元気な頃の彼の母親に会いに pic.twitter.com/jdLFBssInO

2023-07-15 11:50:50
拡大
takashi murakami @takashipom

行く、そんなお話であったと思います。 主人公マヒトはハヤオさんです。

2023-07-15 11:51:19
takashi murakami @takashipom

劇中、マヒトが6角形の幾何学的な産道の様な道を歩く時、チカチカと電気のスパークが出てきますが、それがその芸術が産み出されるシナプシス内での電極発生表現であると思いました。

2023-07-15 11:51:39
takashi murakami @takashipom

過去の己の記憶を辿りつつ、ベックリンの「死の島」に行くと、その島の土台はノアの箱舟となっており、そこから「太陽の王子ホルス」や其れを焼き直しした「未来少年コナン」の旅立ちのシーンの様に、カヌーで大海原に漕ぎ出し、、、 pic.twitter.com/XjbVtx7KJP

2023-07-15 11:53:59
拡大
takashi murakami @takashipom

つまり、高畑勲とと今一度旅をし(しかし、今回は死にに旅立ってしまわれた彼岸の場所を共に旅すると言う、いつもの太陽のない世界を表現していました) pic.twitter.com/8P1bnYsj3s

2023-07-15 11:55:34
拡大
拡大
takashi murakami @takashipom

そこには若い時分の母がいて、母と自分の回顧が深く行われ、そして、マヒト=駿さんは、義母となるなつこお母さんと言う現実を受け入れ、真実の母も己の青春に踏み出していく。

2023-07-15 11:55:58
takashi murakami @takashipom

80歳を超え、駿さんは、やっと母への強烈な執着から解放され、新しい駿さんに爆誕し直した。 そう言うお話でした。

2023-07-15 11:56:15
takashi murakami @takashipom

僕の危うい記憶ですが、今まで、駿さんは 「宮崎」姓でしたが、今回から「宮﨑」に変わり、正に、生まれ変わった新世ハヤオ、ミヤザキに爆誕! そんな作品でした。

2023-07-15 11:56:35
takashi murakami @takashipom

そんな感じで、芸術家、ハヤオさんの脳内をゆっくり堪能できた、最高の芸術作品体験でした。 映画ファンでは無く、美術館に行くのが好きな人にお勧めできる作品です。

2023-07-15 11:56:52