「君たちはどう生きるか」は意図的に分からなくされていた?

※個人的な想像です。
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

「クルミわり人形とネズミの王さま」の時のインタビュー 確実に「君たちはどう生きるか」の作風に影響を与えたものと思われる。 【なぜそんなにつじつまを合わせなくてはいけないのか】 purplepig01.blog.fc2.com/blog-entry-227…

2023-07-24 02:10:37
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

宮:『クルミわりとネズミの王さま』(ホフマン作 上田真而子訳)を初めて読んでみた。 この本、読んでいくと、全然つじつまが合っていないんです。でもそれに対して、まるで原作者のホフマンが「君、何でつじつまがそんなに必要なんだね」と言っている感じなんです。続

2023-07-24 02:10:38
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

そうすると「つじつまというやつは本当に愚劣な行為なんだな」とか、僕も思い始めるようになりましたね」 「実は作品なんて、分からないものだらけなんです。分からないものだらけなのに「分からなきゃいけない、説明しなきゃいけない、それはこういう意味を持っている」とか、続

2023-07-24 02:10:38
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

そういうことを整然と理屈で言えなきゃいけない、全部漏れなくしゃべらなきゃいけないなんてのは、病気です(笑) 誰でも思いつくことで映画をつくってもしようがないんです。「いろはにほへとちりぬるを」を全部書きましたって言っても、何も立派なことはないですね。続

2023-07-24 02:10:39
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

映画というのは、途中、「へ」が入って、突然「に」があったとか、それで終わっちゃったっていいんです」 「自分で決めたルールは、作品の中ではある一定は守らなきゃいけないんだけど、ホフマンなんか、守ってもいないぞと。初めからルールは見ないという感じでやっている(笑)。続

2023-07-24 02:10:39
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

そういう考え方があるんだと思ったら、それはそれで僕は納得しました、確かにそうかもしれないと」

2023-07-24 02:10:39
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

宮崎監督は2014年にこの小説と出会って「ファンタジーはまた有り得る」と思ったそうで。 「君たちはどう生きるか」の出発点はまずここだろう。完全に本編の支離滅裂な内容を示唆しているようにみえる。

2023-07-24 02:10:40
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

だから、宮崎監督って元々行き当たりばったりで話作ったりだとか意味が分からないものが出て来るだとか言われてたけど、やっぱり君生き以前の作品と君生きではその次元(というか志)が違うと思われる。 意図的に「つじつまが合わない」ようにしてる部分があるんでしょう。

2023-07-24 02:10:40
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

個人的にはここ数年「良く出来た脚本=つじつまがちゃんと合わされた脚本」の作品を重点的に、構造を分析しながら観て来たから、君生きは構造的に明らかにそういった作品でないことは十分分かっていた。

2023-07-24 02:18:26
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

だから個人的に考察合戦に全然乗れないと最初に呟いておいた。そういう映画じゃないと思ってたから。 この言葉を見てやはりそういうつもりで作ってるな、と確信した。 「分からなきゃいけない、説明しなきゃいけない、それはこういう意味を持っている」(略)なんてのは、病気です(笑)

2023-07-24 02:18:26
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

ここでも言っている。「論理的思考力のない方ではない」と。 クルミわり~に影響を受けて意図的に崩してるんだとしたら膝しか打たない。 それ以前の作品とはドラマロジックが違いすぎるから。twitter.com/Yuusisaitou/st…

2023-07-24 02:22:41
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

私自身、論理構造が不明確だったり根拠の薄いことは断定したくないというタチなので、今回の考察合戦には正直全然ノれない。 宮崎監督自身整理がついていないというのは本編を見れば一目瞭然。氏は妄想家ではあるが論理的思考力のない方ではない。

2023-07-14 23:36:55
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

なんかボンヤリとクルミわり~の時の証言に重要なものがあった気がしたなぁと思って過去の記事を探ってたけど、ようやく見つけた。メルヘンチックなかわいい女の子を書き下ろした時のものだった…と記憶してたけど。 探してたのは別の証言だったけどこれも相当重要だ。

2023-07-24 02:39:13
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

そもそもこのヒロイン自体がヒミっぽい。おでこを出したルックとか。 pic.twitter.com/M9XqpNt6h1

2023-07-24 02:43:50
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

この記事でも君生き理解に重要な証言が。 ◆原作本を読んだけれど、“わからない” 宮崎監督は「なぜ、女の子はこんなにくるみ割り人形が好きなんだろう」と不思議に思い、E・T・Aホフマンによる原作本『クルミわり人形とネズミの王さま』を読むことにしたのだという。 famitsu.com/news/201405/31…

2023-07-24 02:45:03
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

一読して宮崎監督は困惑したらしい。それは、話が理解できないからだった。「この人形は人間なのか? それとも人形なのか。つじつまがあっていないぞ」と混乱したという。しかし、周りで本を読んだ女性たちは「え? そうでした?」という感じでとくに気にしていなかったそうだ。

2023-07-24 02:45:46
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

そこで、「なぜなんだ、なぜこのつじつまがあわない世界を理解できるのだ」と宮崎監督は疑問に思い、さらに作品にのめり込んだらしい。

2023-07-24 02:46:03
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

宮崎監督は、自身の作品には“ここからは現実であり、ここからは異世界である”などという明確な“ルール”を決めているらしい。しかし、E・T・Aホフマンが書いた原作はつじつまが合わず、そのようなルールが見えなかったという。

2023-07-24 02:46:52
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

とはいえ、宮崎監督はE.T.Aホフマンによる原作の特徴を肯定する。なぜなら、子どもとっては、現実も幻想も空想もいっしょくたで、ひとつの物語になっているからだ。

2023-07-24 02:47:21
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

それこそメルヘンと呼べるものであり、この本は“メルヘンのたからもの”なのだとー。そこで、「このメルヘンのたからものを、みんなにも読んでもらいたい、みんなにも知ってもらいたい」という想いを持ったという。その想いが、最終的にこの展示へつながったのだそうだ。

2023-07-24 02:47:31
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

これ、もう完全に君生きを見た我々観客と同じ感想だ。 「見たけど、分からない」

2023-07-24 02:48:28
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

これなんかも非常に重要な証言。 千尋はこういうロジックで作ってた筈。君生きは現実パートからもう不気味な雰囲気を発してる。 こういう作劇思想の変化があったのか。 twitter.com/Yuusisaitou/st…

2023-07-24 02:50:39
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

やっぱり意図的に訳分からないものとして作ってる部分が大いにあるんだろうな。 それならまぁ腑に落ちる

2023-07-24 03:02:19
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

ただ一つ思うのは、君生きの主人公・眞人は「現実と物語の境が分からないような年齢でもないしそういう人物造型にも見えない」ってところかなぁ。 ここも「失われたものたちの」本からの改変の影響がある。あの主人公は「日頃から本漬けで、よく現実に物語が侵食してくる」って設定だったから。

2023-07-24 03:32:51
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

なんか眞人は聡明な少年って感じで決して物語にのめり込むようなタイプに見えなかったし、色々目ざとく注視してる隙のない造型に見えたので、そこんところが上手くいってないかなと思う。

2023-07-24 03:35:37