探偵の娘シリーズ２

隊長 @asuka_taityou

「探偵の娘シリーズ」をトゥギャりました。 http://t.co/OL71vGI9

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#twnovel 朝、目が覚めたら飯田が部屋にいた。「お前一体どこから入ってきたんだよ？」「やだなぁ。そんなの僕と大路さんの仲じゃないですか」自分が一体飯田とどんな仲になったというのだ。「そんなことより、ですね」「いや、そんなことって。一応女の子の部屋なんだから気を使えよ」

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#twnovel 「ふぅ仕方ないですね。今度からは玄関に入って待っておきます」取りあえず部屋に無断侵入するというところから改める気はないのだろうか？しだいに目が覚めて頭に血が回ってくると朝から飯田と随分の気の抜けた会話をしていることに気付いた。飯田のやつ、朝から何のようだろう？

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#twnovel まぁ普通用事があっても勝手に人の部屋に入ろうなんて思わないのだが。飯田は例外だ。「それにしても毎度のことながら足の踏み場もない部屋ですねぇ。たまには掃除しないと心まで荒みますよ？」もとより荒んでいるような奴には言われたくない。「勝手なことばかり言って。」

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#twnovel 「お前の方こそ日曜の朝から何の用があって来たんだ？」「あらあら、今日は随分虫の居所が悪いようですね」朝ごはん買ってきたんで気を取り直してください、なんてコンビニの袋を見せつけた。「ふぅまぁそれじゃその辺に座れ」「どこが座れるっていうんですか？」

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#twnovel 「いちいち癪に障るやつだな。いいさ、じゃあ外で食べよう」飯田を伴って公園の東間屋で並んでコーヒーを飲む。「それで一昨日の件ちょっとは考えてくれましたか？」「ん？あぁ一昨日は確かに良いコンサートだった」「しらばっくれないでくださいよ。あの件ですよ、ヤンの」

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#twnovel そうさ、自分はあのコンサートの後の飯田とヤン・ハンソンとの会話の中でとんでもない約束をさせられそうになった。まったく飯田の安請け合いのせいで。「人探しなんてできるわけないだろ？そもそもハンソンさんだって自分で一度探しに行ったって言ってたじゃないか？」

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#twnovel 「人探しだって立派な探偵業の一つですよ」「だから自分は探偵なんかじゃない。ただの大学生だ」「引きこもり気味のね」「お前ってやつは本当に一言多い！」飯田の顔を見ても真面目だかふざけてるのかわからないような顔をしている。「…はぁ。人探しのやり方なんて知らないからな」

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#twnovel 「大丈夫です。僕だって知りません」「手紙以外に手掛かりがない…とも限らないかもしれないが、兎も角一度探して見つからなかった人を探すんだ。きっと見つからない可能性の方が高い」「そんなことヤンだって僕だってわかってますよ」自分に人なんて探せるのだろうか？

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#twnovel 「あんまり深刻に考えないでください。僕も大路さんにお伴しますから」「そりゃぁえらく心強いな」「大路さん、最近皮肉が上手くなりましたね」けたけた笑っている飯田の方がよっぽど存在が皮肉だ。「それじゃ、手紙の写しをお渡ししておきますよ」忘れないうちにね、と数枚。