茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第3113回「嵐の中でも冷静な頭で観察し続けること」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート３１１３回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

世の中には、自分でコントロールできることと、できないことがある。そして、コントロールできることについてはベストを尽くし、コントロールできないことについては諦めるというのがストレスマネジメントの鉄則である。

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自分でコントロールできないことの典型としては相手のあるコミュニケーションがある。恋愛でもビジネスでも、自分の意を伝えるためにベストを尽くすことはできるが、それが相手にどう受け止められるかはコントロールできない。だから、ベストを尽くしてあとは結果を待つしかない。

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一歩進んで、世の中には、そもそもそのダイナミクスのパラメータ構成からして、自分がコントロールできる可能性がない事象もある。社会の状況や、政治、それにウクライナ戦争のような大事件がそうで、このような時には最初から自分が関与する領域は僅少だと見極めてあとは観察しているしかない。

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たとえば政治について、自分が何か発言したり行動したりすることで変わると思うことは時に有益だが、それより実際的なのは、さまざまな利害関係者や観念、状況が絡み合って変化していく様子を冷静に見つめること。その上で自分の立ち位置の変化や反応の調整を測る。たいてい、それ以上はできない。

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ときには、自分が関係することで、多数のパラメータが動き回って嵐のような状況になることもある。嵐の中に自分がいる人は、周囲の様子を冷静に見て、位置や動きを変えるといい。嵐のダイナミクス自体は、自分では制御できないし制御できるという幻想を抱くことは多くの場合危険である。

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世の中には自分がコントロールできないことがあるということを認識するのは、諦めではなく冷静な科学主義である。その上で、自分がコントロールできること、ベストを尽くせることについてがんばればいい。嵐の中でも冷静な頭で観察し続けることが大切なのである。

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以上、連続ツイート３１１３回、「嵐の中でも冷静な頭で観察し続けること」をテーマに６つのツイートをお届けしました。