「でもそっか、そんなに出血してるんならもう助かんないか。僕、はじめてにしてはうまくいってたんですね...やっぱ才能かな? 天才に最後を捧げられてよかったですね、ナノラちゃん!」
2023-08-27 20:52:46彼女が伸ばしていた手を雑に払い、その場に仰向けで倒れ込む。この出血量を見て、もう駄目なんだということくらいは自分にも理解できた。できたから、もう
2023-08-27 20:57:56「羊飼さん見てると元気でるよ。 天才ってさぁ、凄いと思ってるんだ。あたしみたいな凡人の努力はすぐ超えちゃうし、考えもしないようなこと思いつくし。前まで羨ましかったもん…でも。」
2023-08-27 20:58:37「もえと話せたのはあたしが天才じゃなかったからだし、好きな人に好きな人のままいて欲しいって思えるのも、自分の思い通りにいかないとこも不安に思いながら好きでいられるのも羊飼さんみたいに自分はなんでも出来るって思ってなかったからだし。」
2023-08-27 21:00:02「羊飼さんはさぁ、自分のことしか見えてなくて自分の理想ぶつけてるだけだから、こういう酷いこと平気でやれるんだろうなぁ~ほんと。」
2023-08-27 21:01:07終始一回の瞬きもせずこちらを見つめていたあなたは、あたしが吐ききって5秒も経たないうちに溜め息を作る。 「......ふーん。それで?そのつまらない告白はおしまい?」
2023-08-27 21:06:26「そうですねぇ...確かに僕は天才です。君が生きるため縋ってきた努力がどんなに苦かったのかも知りません。今後も知ることはないでしょう。」
2023-08-27 21:07:14「それに僕も、"好きな人に好きな人のままいて欲しい"って気持ちはちゃーんと理解できますよ。...でもね、ナノラちゃん。」
2023-08-27 21:08:34「僕はずぅっとそれを願ってタイミングを待つくらいなら、確実に今すぐ彼女自身が欲しい。時間や寿命はいつまでも有限ですから。 先輩はきっと僕の思い通りにはいきません。僕には先輩の考えていることが充分に理解できません。....そんな先輩が僕は大好きなんです。」
2023-08-27 21:09:46「ナノラちゃんは僕みたいな天才じゃない、何にもできないただの凡人だから。村人Bなりに自分を正当化したいがために、そういう風に思ったのかもしれませんが、」
2023-08-27 21:10:20「どちらかというとナノラちゃんの方がとことん利己的なんですよ。僕のこの理想は、僕と僕の好きな人の幸せな未来のためにあります。僕は彼女に、穢れのない幸せな世界で僕と生きてほしいだけなんですよ。でも、」
2023-08-27 21:13:37「君は好きな人にどうしようもない不幸を縫い付けて、それを踏み台に幸せになることが理想なんでしょう?自分しか見えていないのは、...ああほら、丁度いい回答者もいますしアンケートでも取りますか?」
2023-08-27 21:16:00