【小説】『小説なんて時間の無駄だ』新人賞に投稿して落ちたので公開しました。

されどなお @saredonaotoko

〈４〉「ものすごく遠いのに、ありえないほど近い」 〈５〉十字命輪　『第８回奈土里文学賞』

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【１０】『デウス・エクス・ナトゥラ』 〈１〉機械に繋がれて500年以上生きている「長老」がいる。 〈２〉会話もままならず、食事も一人ではできない。指をわずかに動かせる程度。遠い血縁の安楽死を求める声もある。 〈３〉大規模な災害により、長老は亡くなった。

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〈４〉「なぜ長老が生かされているのか、私にはわからない」 〈５〉シーラ・フォン・キンスキー　『第８回微柔文学賞』

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【１１】『同人同人誌』 〈１〉狂気的な物語が読みたいと思う。知り合いの司書に本を探してもらう。 〈２〉司書から本を受け取る。内容は変哲も無く、主人公が日常生活を送っているだけだった。 〈３〉物語の主人公が、自分のことだと気づく。

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〈４〉「以上はすべて、私の拙い創作です。少しでも気に入っていただけたのならば、こんな嬉しいことはないのですが。」 〈５〉前納恵　『第７回孤歌凍良社文学賞』

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【１２】『最後の花火』 〈１〉夜中に花火が打ち上がる。 〈２〉後日、花火の理由を周りに聞くが、誰もわからない。 〈３〉侵略者による、地域全体の侵略完了を祝した花火だった。 〈４〉「来年も見れるかな」 〈５〉石川存非　『全地球人小説総選挙第一位』

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【１３】『メイクアヒューマン：アウトオブユー』 〈１〉アンドロイドの開発に没頭したい。しかし新しい技術への偏見により迫害されてしまう。 〈２〉信頼を得るために、偏見を正そうと周囲に働きかける。

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〈３〉周囲からの認識は変わらず、山奥に研究所を建て、誰にも気づかれずに、人間社会にアンドロイドを送り込むようになった。 〈４〉「人間っていうのは、人の役に立とうとするほど、役に立たされるんだな」 〈５〉松本オーウェル　『第９回人天道賞』

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【１４】『僕は誰を愛せるか』 〈１〉過去の過ちを償うために、全財産をなげうって人々を援助する。 〈２〉その活動が認められ、以前よりも生活が豊かになる。さらに援助を行う。 〈３〉凶弾に倒れる。死後、多くの人々から慕われ、語り継がれることになる。

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〈４〉「……この雪が、すべてを隠してくれる」「……この雪を、すべて踏み越えなければならない」 〈５〉オリーブ・オブ・オークス　『第８回有馬羽社文学賞』

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【１５】『空の青さを知る』 〈１〉薬物中毒の仲間たちと不和が生じ、峡谷に突き落とされる。 〈２〉奇跡的に生きていた。峡谷から出る方法を命がけで探す。薬物の禁断症状も出る。 〈３〉無事に脱出する。平穏に暮らす。

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〈４〉「痛み止めって……こういうときに使うんだろうな……」 〈５〉塗香　『第９回東把手右社文学賞』

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【１６】『愛密輸』 〈１〉税関で止められる。一緒に来ていた仕事仲間とともに別室へ。 〈２〉二人とも荷物に異常は無かった。検査官との話も弾んだ。しかし仕事仲間は入国できなかった。 〈３〉仕事仲間は無意識に『ある思想』を持ち込もうとしていた。

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〈４〉「それにしても単語連想なんて、古典的ですねえ。『無知は力』なんて、誰もが言うと思いますよ」 〈５〉能田剛裕　『第４回佐と藤社新人賞』

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【１７】『このコンクリート、コンクリート』 〈１〉名言や格言が好きで収集する。 〈２〉長い年月をかけて分析し「最高の名言」をつくる。しかし、誰の心にも響かなかった。 〈３〉「何を言うか」より、「誰が言うか」の方が重要だったと気づく。

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〈４〉「みんなが言うから、本当だよ」 〈５〉ホアン・エナメド　『第８回グッドタイポグラフィ賞』

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【１８】『マナーが人をつくるとき』 〈１〉マナーや常識に嫌気が差す。そこでAIを使ってマナーをつくり、仲間内で共有した。 〈２〉仲間がその嘘マナーを他人に言いふらし、いつの間にか世間にも嘘マナーが広まってしまった。

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〈３〉１００年後「靴紐の先端は、靴の中にしまう」「握手の代わりに、肘同士を合わせる」などの嘘マナーが一般的なマナーへと定着する。 〈４〉「当時流行ったウイルスの影響で、このようなマナーが根付いていったと考えられます」 〈５〉不二巫　『第４回密林河文学賞』

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【１９】『正感』 〈１〉紙で指の腹を切ってしまった。一時間後には元に戻っていた。 〈２〉気になって触っているとまた傷口が開いた。一時間後には元に戻っていた。この繰り返し。 〈３〉どうしても傷口が気になり、毎日のように紙で指の腹を切るようになった。

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〈４〉「自分が正常かどうか確かめたかった」 〈５〉六道恵美　『第８回衝撃の結末賞』

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【２０】『水槽の夢』 〈１〉軽いケガで病院へ。医師が違和感を覚えて精密検査へ。 〈２〉医師から「心臓が動いていない」と伝えられる。息が苦しくなり倒れる。 〈３〉すぐに蘇生される。医師から「健康状態に異常は無い」と言われ、安心して帰る。

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〈４〉「あなたはもう……死んでいる？」 〈５〉謝甜甜　『第２回亜道日賞』

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【２１】『眠れる龍の夢』 〈１〉ドラゴンの化石を研究する主人公。今までの学説を覆す発見をするも、このまま発表しても、世間に受け入れられないと考える。 〈２〉自身の発見を裏付ける証拠を地道に集める。

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〈３〉十年後、研究成果を発表し無事に受け入れられる。ドラゴンや生命の起源までの謎を紐解けるようになった。 〈４〉「あと五つで願いが叶う」 〈５〉八乙女正義　『２１０年間冷凍睡眠状態にされていた』

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【２２】『１０１の釣り人』 〈１〉仲間と船で釣りへ。偶然にも海の死神にかかる。海の死神は漁師を海に引きずり込もうとする。 〈２〉海の死神は仲間を次々と海に引きずり込む。最後の一人になるも、海の死神にあえて釣られることで、海の死神に体当たりをする。