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茂木健一郎
@kenichiromogi
シラスで、アーサー・ウェイリーの『源氏物語』の英訳の素読をしている。みんなとも話し合っているところだけれども、英語で読むからこそ、かえってその本質が伝わってくるというところもある。
2023-10-23 07:12:50
茂木健一郎
@kenichiromogi
一つ強く印象づけられるのは、『源氏物語』における帝の位置づけで、桐壷を愛して、大切にしたいと思っても、宮廷のひとびとのさまざまな目があって、思うに任せない。その死を嘆くことも、子どもである光源氏を取り立てることも、自分の意思を貫けない。
2023-10-23 07:14:18
茂木健一郎
@kenichiromogi
天皇が、自分の思いや願いを、宮内の人々の空気のようなものから完全には自由に行えないということは、西洋の王様とはずいぶんと様子が違うことで、当時から、日本の皇室はそのような感じがあったのだと読める。
2023-10-23 07:16:15
茂木健一郎
@kenichiromogi
また、帝が、ご自身の気持ちを自然に表現されることも印象的である。桐壷との日々を思い出して泣かれるご様子が描かれているけれども、一つの国の頂点の方が心情をそこまで表すということは、これもヨーロッパの王とはかなり違うという印象である。
2023-10-23 07:17:51
茂木健一郎
@kenichiromogi
アーサー・ウェイリーの『源氏物語』の英訳がここまで多くの人々の心を魅了したのは、以上のような帝の性質の人間らしさ、その背後にある「もののあはれ」が新鮮だったのだろう。そのような日本の文化、心情は現在に至るまで続いているように思われる。
2023-10-23 07:19:18
茂木健一郎
@kenichiromogi
シラスのアーサー・ウェイリー訳『源氏物語』の素読は、第2回、朝鮮から来た占い師に天皇がひそかに光源氏のことを占わせるところまできている。このあと、ますます物語が深まっていくと思う。どうぞお楽しみに。
2023-10-23 07:20:27
茂木健一郎
@kenichiromogi
以上、連続ツイート3181回、「帝が、ご自身の気持ちを自然に表現されることも印象的」をテーマに6つのツイートをお届けしました。
2023-10-23 07:21:08