【最古ver.】初代『クラッシュ・バンディクー』の初期設定資料を翻訳してみた

おそらく最古(?)と思われるNaughty Dog社の初代『クラッシュ・バンディクー』の初期設定資料集を翻訳していたのをまとめました。翻訳ができ次第随時更新します。 英語が特別得意な訳ではないので拙い翻訳で申し訳ないです… ◆10/28 ブリオ、ウィリーup ◆10/25 コルテックスup
5

【 引用元 】 ▶ 「Crash Mania」より

Crash Bandicoot - Production Bible

🌺 𝕦𝕞𝕖𝕜𝕠 🌺 @umeko_816

初代クラバンの最古?の初期案資料があるのを知って翻訳してるけど、 最初はコルテックスがタウナさんに恋して、クラッシュくんから奪おうとするストーリーだったらしくてビックリした…… 隣に手書きで「コルテックスに愛はいらない!世界征服だけ!」って書かれて去勢されてて笑っちゃった ごめんね pic.twitter.com/0Qmsk0ciaS

2023-10-21 16:57:49
拡大
拡大

ネオ・コルテックス

コルテックスはまさしく世界征服を目論む狂った天才だ。

彼は常に軽蔑され屈辱を与えてきた人類に復讐したいという願望によって動機付けられている。

冷酷で執着深いコルテックスは、計画が実現するためには手段を選ばない。

とんでもなく高いI.Q.の持ち主であるコルテックスは、「下等な存在」と考える人々に対してはまったく寛容ではない。

──つまり、すべての人類に対しても。

コルテックスは、彼の膨大な知性が世界のリーダーにふさわしいと心から信じている。

この「明白な」事実を認識している人がほとんどいないという事実は、コルテックスの怒りと決意をさらに高めるだけだった。

小さくてちっぽけなコルテックスは、肉体的な戦闘で他人に挑むことは決してない臆病者である(肉体的な戦闘は自分のような「広大な知性の存在以下」であると言って正当化している)。

工学と機械学の分野で優秀な科学者であるコルテックスは、その天才性を活かし、驚くほど多様で悪魔的なマシンやデバイスを生み出した。

気分の変わりやすい生き物である(感情の起伏が激しい)コルテックスは、ある瞬間はめちゃくちゃはしゃぎ、次の瞬間には深い憂鬱に陥るかもしれないが、彼の独断的でひたむきな決意が彼を再び立ち直らせるだろう。

自信満々のコルテックスは、自分の部下たち(数多くいる)の失敗を許さない。

彼はすでに完璧であるため、エヴォルヴォレイの光線に曝されることはない。

彼は部下たちの劣った精神性に常にイライラしており、彼と視聴者(プレイヤー)だけが理解できる機知に富んだ複雑な余談を言う。

時々、コルテックスはプレイヤーと直接会話し、プレイヤーが知っているヒーローと悪役の闘いの避けられない終わり(必然的な正義の勝利)を変えようとしてくる。

皮肉なことに、コルテックスは、「世界支配者」の大きな弱点である自分自身の弱点に気づいていない。

コルテックスは生涯孤独だ。
彼が人間の友人として最も近いのは、
助手であり幼なじみの仲間であるエヌ・ブリオであり、コルテックスは(ペットのブリオが飼い主のコルテックスに向かって吠えていないときは)主人とペットのような軽蔑的な愛情をもって接している。

美しいウォンバット(兼ひよこ)であるカルメン(※後のタウナ・バンディクー)の誕生により、この関係は変わる。

コルテックスは数年ぶりに、自分が女性に惹かれていることに気付く。

生涯を通じて人類と戦争を続けてきたコルテックスにとって、カルメンが人間ではないという事実はさらに良いことだった。

カルメンは自分の創造者(コルテックス)に対して無関心であり、ウィリー(※後のクラッシュ・バンディクー)への愛情は増大しているが、この小柄な天才は少しも怯むことはなかった。

コルテックスは、ウィリーが排除されれば、カルメンはコルテックスをソウルメイトとして見るだろうと確信している。

この目的のために、彼は厄介なオスのウォンバットを排除する努力を倍増させた。

奇妙なことに、私たちはコルテックスと彼のフラストレーションに同情してしまう。

ウィリーと手下たちが彼の素晴らしい計画を台無しにしたとき、私たちは彼を憐れみそうになるだろう。

(手書き文字:『コルテックスに愛はいらない!世界征服だけ!』と訂正され、コルテックスがカルメンに恋をしている設定は後に削除された。)

【 ヒストリー 】

「ネオ・コルテックス」は問題のある子供時代から生まれたと言っても過言ではない。

コルテックスは、中西部の穏やかな町サニービルで、20人の男の子と2人の体育教師の両親の末っ子として生まれた。

コルテックスの兄弟は皆、父と母のような屈強な「ジョック(体育会系)」だったが、幼いコルテックスは科学の本を読んだり、組み立て式オモチャで遊んだりするのが好きな病弱な子供だった。

コルテックスの兄弟や両親はコルテックスを容赦なく苦しめ、コルテックスを終わりのない残酷な家族の笑いものにした。

この状況はコルテックスが5歳のときに突然終わりを迎え、彼の家族全員は、家のガス本管の「異常な」爆発によって全滅した。

幼い頃に孤児となったコルテックスは、町の荒廃した地区にある放棄された豆工場に避難し、缶詰の豆と雨水だけで暮らしていた
(今でもコルテックスはその「豆」の単語を聞くだけで沸々と激怒する)。

コルテックスは良い教育を受けようと決意し、地元の高校に入学した。
彼はまだ6歳だったにもかかわらず、入学試験に簡単に合格した。

そこでも彼の苦しみは続き、究極の追放者としての彼の運命は決定された。
彼の幼い年齢、堅苦しさ、傲慢な態度、そして膨れた頭蓋骨のせいで、彼は高校の全てのいじめっ子たち、教師たちにとって虐めの標的となった。

コルテックスの高校での「教育」は、サニービル高校(およびサニービル自体の大部分)を破壊した学校の科学研究室にある原子力発電所の「異常な」爆発によって、時期尚早の終わりを迎えるまでの2年間は続いた。

驚くべきことに、コルテックスと彼の「友人」エヌ・ブリオは、爆発が起きた半径すぐ外(放棄されたプルトニウム鉱山の2マイル深いところで鉱物形成の研究をしていた)に居て、「奇跡的に」救われた。

それから、コルテックスとブリオが故郷と呼べる場所(あるいはおいしい豆の缶詰)を求めて世界中を旅する「放浪の年」が始まる。

彼らは秘術の知識を求めてヒマラヤをトレッキングし、各地の修道院から追い出された。
アフリカ最深部をサファリし、竹レールに乗って無数の村から逃げ出した。
ロサンゼルスのザ・バイパー・クラブで注目を集めようとしたが、ドアに近づくことすらできなかった。

最終的に彼らはレムリア諸島で座礁し、そこでコルテックス城とエヴォルヴォレイの建設を開始した。

何年もの苦労と努力を経て、コルテックスはその厄介なウォンバットを取り除く夢を実現する準備が整ったのだった。

(手書き文字:彼の額に「N」の文字がどのようにして付けられたかについては言及されていない。)

(手書き文字:両親はボードビル(寄席演芸)のピエロで、彼にピエロのスーツを着せたので、他のエンターテイナーたちは彼を笑い、もっと笑おうと彼の額に「N」の文字を入れることにした(彼らは全員酔っていた)。
彼らは消せないインクを使用したとは、少しも知らなかった。)

🌺 𝕦𝕞𝕖𝕜𝕠 🌺 @umeko_816

コルテックス、最終決定案のジプシーの道化師家族出身設定の時の「サーカステント爆発事故」もそうだけど、 虐めてくる人達と環境が気に食わないたび、家族でも「"異常な"爆発事故」を起こして消し去ってるのが最高に闇が深すぎる……… たとえ世界征服しても人類滅亡に繋げてしまう滅亡バースが見えた twitter.com/umeko_816/stat…

2023-10-22 14:51:29
🌺 𝕦𝕞𝕖𝕜𝕠 🌺 @umeko_816

人から愛されたり愛すことも知らないコルテックスが、突如『タウナさんに恋をする』設定は違和感あるから最終的に無くなったんだろうな…… (クッパ様とピーチ姫みたいな関係設定を望んでいたんだろうけど)

2023-10-22 15:02:51
🌺 𝕦𝕞𝕖𝕜𝕠 🌺 @umeko_816

高校時代はプルトニウム鉱山の地下2マイルまでブリオさんを連れ込んで 「おや、地上では『爆発事故』が起きたようだ。……助かって良かったなぁ、ブリオ?」って怪しい笑顔で振り向いて言ってくる高校生コルテックスと、『真犯人』に気付いててゾッとしている高校生ブリオ、めちゃめちゃ良い…………

2023-10-22 15:08:41
🌺 𝕦𝕞𝕖𝕜𝕠 🌺 @umeko_816

高校生コルテックスが自分より優秀な高校生エヌ・ジンに嫉妬して『"異常な"ミサイル事故(爆発によるミサイル暴発)』を起こしといて、 「私が『"不慮の"ミサイル事故』から助けてやったんだ、感謝するんだな」ってエヌ・ジンの命の恩人を演じて部下(奴隷)にしている話も全然ありそうでゾッとした twitter.com/umeko_816/stat…

2023-10-22 16:48:33
🌺 𝕦𝕞𝕖𝕜𝕠 🌺 @umeko_816

過去にミサイル事故でミサイルが突き刺さったエヌ・ジンだけど、 実はコルテックスが部下にする為に裏で『故意に起こした事故』だったら怖くない……??? さぼしと話してて震えちゃった……… 幼少期に家族を失ったサーカステント爆発事故だって幼少コルちゃんが故意に起こした可能性もある…………

2023-10-06 23:12:19

ニトラス・ブリオ

コルテックス城という狂気の渦の静かな中心であるブリオは、口数は少ないが「主人(コルテックス)」に対しては多大で献身的な男である。

彼はコルテックスのチーフ・アシスタントであり、利用しやすいカモであり、この狂気の天才(コルテックス)にとって「友人」のような存在である。

エヌ・ブリオは寡黙な性格だ。
論理的かつ無表情で、人間としての感情が欠如している。
コルテックスの躁状態の高低に対する「理性の声」である。

彼は臆病でも勇敢でもなく、まるでカーク船長に対するミスター・スポックである(しかし、どちらも女性との関わりは無い)。
(※ ミスター・スポック =
「スター・トレック」シリーズに登場するヴァルカン人(地球人とのハーフ)のエンタープライズ号技術主任兼副長。おかっぱ頭で無表情かつ生真面目・厳格な性格。)
(※カーク船長 = 同じく「スター・トレック」シリーズに登場する主人公。明るく楽天的で、行動力があり、直感的に物事を判断するリーダー。)

彼の生涯にわたる生物学の研究は、機械科学におけるコルテックスの専門知識をさらに補完させる。

彼は「エヴォルヴォレイ」の開発に貢献したが、継続的な誤作動は彼のせいではなく、利己的なコルテックスが元の設計を改ざんした結果である可能性が高い。

コルテックスから軽蔑的な愛情をもって扱われたブリオは、コルテックスが失敗したときは大いに苦しみ、そして喜んでいた。

ブリオは頭蓋骨に巨大な「頭のネジ」を埋め込んでおり、主人(コルテックス)を失望させたと感じると自発的にネジを締める。

コルテックスは物事が上手くいかなくなった時にブリオを「鞭打ち(八つ当たり)」として使う傾向があるが、これはよくある事だ(コルテックス城ではよくある事)。

これがブリオのせいではないかもしれないということは、コルテックスを知的に優れていると崇拝している謙虚なブリオにとっては問題ではなかった。

彼の目には、コルテックスは間違ったことをしているわけがなかった。

いつもこうだったわけではない...…

【 ヒストリー 】

研究科学者の両親の一人っ子として生まれたブリオは溺愛され、成功への近道として幼い頃から選ばれた。
両親はノーベル賞受賞者と大規模な医療センターの取締役。

グリーンビルの中学校で首席だった彼は、知的に劣るとみなした人々に対して独善的で優れた態度を取った。

──つまり、全員に。

翌年、高校でブリオが小柄なコルテックスという知的な上司に出会ったとき、すべてが変わった。

学期中、ブリオはコルテックスと成績で激しく競争し、毎回負けていた。
やがて、彼は失敗によって以前の自信を失い、自信喪失してしまう。
彼は決して医者にも、科学者にも、会計士にもならなかった。

長い一学期が終わる頃には、ブリオはかつての自分の殻を打ち砕かれていた。
彼は自分より上であると認識したコルテックスに対して、奴隷のように献身的になった。

サニービルでの破壊中(コルテックスが起こした「異常な」爆発事故)から救われたとき、彼の献身はさらに大きくなった。
感謝の気持ちを込めて、彼はヘッドスクリュー(頭のネジ)を埋め込んだ。

エヴォルヴォレイの継続的な失火や故障は、ブリオに多くの苦悩を与え、頭のネジを締める作業が何度も行われた。

論理的にエヴォルヴォレイの欠陥のある創造物であることがわかる部下たちのウィリーを止めようとする試みは失敗に終わり、ブリオはさらに優秀な科学者に進化するために自分自身にエヴォルヴォレイの光線を浴びる。

その代わりに、光線は進化し、ブリオを原始的で強力な「ブリオ・モンスター」に変える。

🌺 𝕦𝕞𝕖𝕜𝕠 🌺 @umeko_816

初期ブリオさん、今のような臆病者ではなくて「寡黙」「倫理的」「無表情」「感情欠如」「絶対服従」だった設定は、そのままエヌ・ジンの設定に引き継いだ感じはする…… 高校時代の同級生とはいえ、ブリオさんは中学通ってたし、コルちゃんは6歳で高校入学してるから「同い年」では無さそう twitter.com/umeko_816/stat…

2023-10-28 16:35:03
🌺 𝕦𝕞𝕖𝕜𝕠 🌺 @umeko_816

初代『クラッシュ・バンディクー』の初期設定(最古ver.)の翻訳公開しました! 今回は「ネオ・コルテックス」のみ。 次回「ニトラス・ブリオ」を公開予定です! ▶ 【最古ver.】初代『クラッシュ・バンディクー』の初期設定資料を翻訳してみた togetter.com/li/2246856

2023-10-25 18:15:46
🌺 𝕦𝕞𝕖𝕜𝕠 🌺 @umeko_816

「ブリオ・モンスター」への変身は手持ちの三角フラスコに入った薬の摂取由来だと思ってたけど、初期案だと薬の話は一切出てきてないし、元々はエヴォルヴォレイを自主的に浴びてるし、ハルク同様に怒りの感情が発動トリガーになってた感じなのかな……🤔

2023-10-28 16:43:35

ウィリー・ウォンバット

(クラッシュ・バンディクー)

ウィリーは私たちのヒーロー。

超進化したウォンバットであるウィリーは愛らしく、勇敢で、幸運で、そして驚異的な機敏性と多重人格に混乱している。

平和的なウォンバットだったウィリーは、彼の人生の最盛期にコルテックスに捕らえられ、エヴォルヴォレイの下に置かれ、その後コルテックス・ヴォルテックスに入れられ、7日間に亘って集中的に光線に曝された。

ウィリーは「強制教育」から抜け出し、古典文学、ポップカルチャー、あるいはラジオ、テレビ、映画に至るまで、一連の奇妙で不均等な言動をする傾向があった。

彼はある時には「ランボー(アクション映画)」になるかもしれないし、次の瞬間には「フレッド・アステア(ダンサー俳優)」、「ジョン・ウェイン(映画監督俳優)」、あるいは「フレッド・フリンストーン(『原始家族フリントストーン』の主人公)」になるかもしれない。

ウィリーは混乱しているかもしれないが、カルメンを救うために私心なく身を賭す英雄である。

ウィリーは、本当に、一溜りもなく、完全に官能的なウォンバット(カルメン)に恋をしている。

彼女の愛情を勝ち取るために、
彼はどんな川でも泳ぎ、
どんな山にも登り、
どんな敵とも戦って彼女の元に辿り着き、
コルテックスの手からこの甘美な女性を救うだろう。

……あと、世界を救いたいとも思っている。

◆◇◆ 今回はここまで ◆◇◆

次回「オープニング(ストーリー)」の最古初期設定を公開予定中!

最終決定版(?)初期設定資料の翻訳もあわせてどうぞ。

初代『クラッシュ・バンディクー』の初期設定資料を翻訳してみた