ディフュージョン・アキュミュレイション・リボーン・ディストラクション #5

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ザ・ヴァーティゴは言った。「あれ?声が出たぞ。取り越し苦労かよ」「ザッケンナコラー!」反射的に周囲のクローンヤクザが一斉にアサルトライフルを射撃!「イヤーッ!」ザ・ヴァーティゴはブリッジでこれを回避!「ちょっと待ってくれ!そこのお前らも!あれだ、ザイバツにアマクダリ?」 25

2011-12-08 23:43:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何奴だ」ワイルドハントは回転を停止した。「あんたは、えーと」ザ・ヴァーティゴはブリッジしたまま首を捻った。「あんたは……すまんな、多分俺の主観的時間で2万年ぐらいはかかったんだ、戻ってくるまで……いや、初めて?いや……すまねえ……記憶が……2万年……」26

2011-12-08 23:51:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ザ・ヴァーティゴは起き上がり、「アンタら、俺が誰だか、知らないかい」包囲網を見渡した。「教えてほしいん01000クソッ1001」異様なニンジャは地団駄を踏み始めた。「名乗るまでも無し」ワイルドハントが断じた。「狂人だ。アマクダリ同様、始末せよ」 27

2011-12-08 23:57:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ザッケンナコラー!」アサルトライフルの集中砲火!「010」ザ・ヴァーティゴは側転してこれを回避!「イヤーッ!」側転地点に突進するのはガーディアン!大盾の縁をギロチンめいて横薙ぎにする!「010」ザ・ヴァーティゴは両手で大盾を挟み込み、止めた! 28

2011-12-09 00:07:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヌウーッ!」ガーディアンの両腕にビッグカラテ筋肉が盛り上がり、さらに大盾をギロチンめいて押し込みにかかる。「 010,010」ザ・ヴァーティゴは押し返そうとする。「フーンク!」その背後から突き刺しにかかるはインペイルメントのザオ・ケン!ナムサン! 29

2011-12-09 00:19:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「010」ザ・ヴァーティゴは後ろ脚でヤリめいたキックを繰り出し、ザオ・ケンの切っ先を逸らす!同時に、両手で挟んだ大盾を力任せに引き、ガーディアンの腕から剥がしとった!「バカなーッ!?」ガーディアンは驚愕し叫ぶ!「010」盾を抱えたまま、後方へ回転跳躍するザ・ヴァーティゴ! 30

2011-12-09 00:23:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……!」ワイルドハントはザ・ヴァーティゴを横目で睨む。彼はコロッシヴとドラゴンベインを一手に引き受け、コマ・ジツで牽制している最中だ。ドラゴンベインはやおら片耳に手を当て、一歩後退した。そしてこのイクサで初めて言葉を発した。「コロッシヴ=サン。潮時だ。撤退命令が出た」31

2011-12-09 00:26:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アニキ!?」「フューネラル=サンが死んだ。これ以上は蛇足」そして「イヤーッ!」ワイルドハントを牽制するようにツラナイテタオスを大きく打ち振ると、敵に背を向けツカツカと歩き出す。「アニキ」コロッシヴがワイルドハントを振り返りながら後に続く。「……」ワイルドハントは追わぬ。 32

2011-12-09 00:33:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

実際彼自身、ドラゴンベインとさらに二人のサポートを相手にやり合えば無事では済まぬ。このミッションにおいてアマクダリの撤退すなわち勝利だ。さらなる功を焦って自身が死ねば、それはザイバツ・シャドーギルドの体制にとってもマイナスとなる。二者が跳び去ると、彼は振り返った。残る狂者を。33

2011-12-09 00:37:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「00101」ザ・ヴァーティゴは抱えた大盾を相手に何やら力を込め、身を震わせる。ミシミシと音を立て、その大盾が歪み始める。なんたるニンジャ腕力であろうか!?このニンジャは一体何者であろう?「00100」ところどころ圧縮され、引き延ばされた大盾は巨大な斧めいたフォルムをとる! 34

2011-12-09 00:43:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ザイバツ・ニンジャ達が固唾をのんで警戒する中、ザ・ヴァーティゴは頷き、人差し指の先で斧の側面に「テツノオノ」とルーンカタカナを刻印した。「010」そしてそれを、投げる! 35

2011-12-09 00:48:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「!」ガーディアンとインペイルメントはとっさに跳躍しこれを回避!回転する無骨な斧状物体はそのままクローンヤクザ十数人の胴体を切断!バイクを切断!回転しながらブーメランめいて戻ってくるのをザ・ヴァーティゴは両手で受け止める!「何だ!コイツは!」ガーディアンが叫ぶ「俺の盾が!」 36

2011-12-09 00:52:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

その時既にザ・ヴァーティゴはガーディアンのワン・インチ距離!「010」振りかぶるテツノオノ!「イヤーッ!」横からインターラプトに入るはワイルドハントの孫コマ!ザ・ヴァーティゴは横跳びに転がってこれを回避!「アバーッ!?」宙を飛ぶのはガーディアンの胸から上だ!横一文字切断! 37

2011-12-09 00:56:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「010」ザ・ヴァーティゴは横跳びしながらテツノオノを振り抜き、一撃でガーディアンの身体を切断していたのである!「サヨナラ!」吹き飛ぶガーディアンが叫び、爆発四散!ナムアミダブツ!「フーンク!」ひるまず突進してザオ・ケンの刺突攻撃を繰り出すインペイルメント! 38

2011-12-09 00:58:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

回転直後で膝立ち姿勢のザ・ヴァーティゴは片手をかざし、その切っ先を弾こうとした。その手が突如、無数の白い0と1の数字の集積物に還元された。「0100010」ザ・ヴァーティゴはギョッとしたようだった。だがその鉄仮面めいたメンポにつつまれた頭部も次の瞬間には0と1の塊となった。 39

2011-12-09 01:04:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

さらに肩が。上半身が。腰から下が0と1に。残る腕がバタバタともがき、テツノオノを掴む。その腕も0と1に還元される。さらにはテツノオノまでもが。インペイルメントの刺突が、何も無い空間をむなしく突き抜けた。異形のニンジャは破壊の痕跡だけを残し、来た時と同様、唐突に去ったのだ。 40

2011-12-09 01:10:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「フーンク!フーンク!」インペイルメントは叫びながらザオ・ケンを振り回し、空気に斬りつける。「フーンク!……フーンク!」肩で息する彼の背中を、ワイルドハントが荒っぽくどやした。「やめろ!」そして広場の酸鼻な光景を……イクサの後を振り返る。「広場は制圧した。それだけの事だ」 41

2011-12-09 01:20:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(第二部「キョート殺伐都市」より:「ディフュージョン・アキュミュレイション・リボーン・ディストラクション」#5 終わり。#6に続く) 42

2011-12-09 01:24:06