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著作権と情報解析

音読した方が頭に入ります
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KJ_OKMR @OKMRKJ

重要なのは、30条の4が例示しているのは「機械学習」ではなくて「情報解析」であるという事実。 「機械学習」は「情報解析」の一種であり、同時に「推論」も「情報解析」の一種である、と解する。

2023-06-24 21:37:31
KJ_OKMR @OKMRKJ

AI関連の(著作権法における)情報解析というと、AIを開発するための機械学習だけがイメージされがちなんだけど、学習済みのAIで行う推論も情報解析になる場合があるんだよね。もちろん、後者の情報解析は前者の情報解析とは別物なので、30条の4または47条の5の適用可能性は個別判断されることになる

2023-06-23 16:08:47
KJ_OKMR @OKMRKJ

本当、柔軟な権利制限規定を作った時の議論を、結構忘れてるんだね、みんな・・・ 今、注目を集めてる点は、ほぼほぼ議論して、あの形になったんだけどなあ。 情報解析について、なんで、30条の4だけじゃなくて47条の5があるのか、立法時の議論に立ち返ると自明だと思うんだけどなあ・・・

2023-06-29 16:52:36
KJ_OKMR @OKMRKJ

著30条の4第2号の情報解析って、AIによる機械学習のためのものって思われがちなんだけど、この情報解析は、AIを含む電子計算機によるものに限定されず、人力つまり人間が行う場合も含むんだよね。 これは47条の5第1項2号と比べるとよく分かる(47条の5では、電子計算機による情報解析と明記している)

2023-02-10 23:18:16
KJ_OKMR @OKMRKJ

あと、情報解析は、多数の作品を解析しないといけないわけではなくて、大量の情報を解析すれば良いので、1作品でも、解析する単位・粒度が十分に小さければ(例:ビットとかバイト)大量の情報要件を満足しうる。 この辺も、誤解が多い。

2023-10-03 16:59:22
KJ_OKMR @OKMRKJ

現行30条の4の元になった規定の1つ、旧47条の7の創設を審議した『文化審議会著作権分科会報告書 平成21年1月』は、情報解析にかかる著作物利用について権利制限する必要性などについて、以下のような重要な指摘を行っている。 「情報解析の場合、その目的は、著作物の思想、表現そのものを感じ取るのではなく、その中から必要な部分を探し当てることや、アイディアや背景情報等を抽出すること等であって、仮に生身の人間が行ったとするならば視聴行為として著作権が及ばないはずの行為について、これと同様の行為をコンピュータ等に実行させようとする場合には、いったん中間的にデータとして蓄積させなければならないために著作権法上の利用行為となってしまう。」〔86頁〕 情報解析のための利用にかかる権利制限は、「著作権法が本来想定している保護範囲と、外形上はその利用行為に当たるものの利用の実質を備えない行為との調整」のためである。〔87頁〕 「情報解析分野の研究開発は、著作物の表現そのものを利用するものではなく、その情報・アイディアの抽出を行うに過ぎないが、その過程で中間的に利用行為に当たる行為を伴うものであり、著作物利用の実質を備えないとの側面もある」ので権利制限が妥当。〔89頁〕 まとめると、情報解析自体は、本来著作権が及ばない行為であるものの、コンピュータなどのデジタル技術を使って行う場合、情報解析の前提として複製などを行うことが必要となり、その部分には著作権が形式的には及んでしまう。この形式的な著作権の適用をそのままにすると、本来著作権が及ばない情報解析をコンピュータを使って行うことができなくなってしまうため、前記形式的な著作権の適用が生じないようにするための権利制限規定は正当化される、ということになる。 ここで重要なのは、複製であれば何でも禁止されるのが著作権、という形式的な発想ではなくて、著作権が本来保護するものを守るために複製が禁止されるという実質的な考え方である。言い方を変えれば、著作権が保護しないものの保護のために、著作権の行使として複製が禁止されるのは、適切とは言えないという趣旨になる。

2023-11-08 02:36:16
KJ_OKMR @OKMRKJ

47条の5の条文は結構ややこしい 1項は情報検索や情報解析の結果提供時の軽微利用について権利制限するものであり、2項は軽微利用の準備行為について権利制限する。

2023-06-15 13:49:29
KJ_OKMR @OKMRKJ

なお、従来言及されていないが、30条の4と47条の5は、どちらも情報解析に関する権利制限規定であり、同様の但書を持つが、その考慮要素である「利用の態様」の中身が大きく異なることに要注意。 47条の5の場合は、享受目的の利用態様を指すのに対して、30条の4の場合は非享受目的の利用態様を指す。

2023-06-13 00:46:17
KJ_OKMR @OKMRKJ

仮に複製があっても、大抵は推論自体が情報解析と言えるだろうから、推論のための(モデル内に残っている)表現の複製も30条の4の対象だと考える。

2023-06-18 17:44:01
KJ_OKMR @OKMRKJ

①情報解析とは、大量の情報から要素にかかる情報を抽出して解析することであり、1枚の写真でも、例えば解析がピクセルレベルで行われるなら大量の情報からなることは明らかなので、情報解析に当たる。

2023-06-24 21:33:03
KJ_OKMR @OKMRKJ

非常に興味深い。情報解析が、2段階、3段階あるって考えることができるかも。 twitter.com/tka0120/status…

2023-07-14 21:40:11
柿沼 太一 @tka0120

先日、セマンティック検索やRAG(Retrieval Augmented Generation)の技術的な問題についてヘルプをお願いしたところ、爆速でご回答頂いた皆様、ありがとうございました。 早速それを踏まえて、図を修正してみました。 こんな感じであっておりますでしょうか(細かい部分はともかく、どのようなデータがどのように蓄積されて利用されているかが合っていれば問題ないです)。 ちなみに、このシステムに関する著作権法上の問題とは何か、ですが、このシステムでは、他者の著作物をDBとして蓄積しておいてLLMに入力することが良く行われます。 そのような行為は、当該著作物を複製していることになるのですが、それが著作権侵害にならないのか、という問題意識です。 2枚目のスライドの赤い部分が他者の著作物です。

2023-07-13 17:04:48
KJ_OKMR @OKMRKJ

30条の4の非享受利用には、①人間が知覚で認識しない非享受利用と②人間が知覚で認識するがなお非享受利用の2種類がある。 ①の例は、耐久型HDD録画機開発のための1000万回映画録画試験(1号)コンピュータによる情報解析(2号)である。

2023-08-02 01:22:56
KJ_OKMR @OKMRKJ

一般の方は別として、専門の組織が、機械学習=情報解析について適用可能性がある条文として、30条の4と47条の5の両方があるのに、30条の4だけ取りだして、外国(と言っても、EUだけ)に比べて広いとか狭いとか言うのは、条文ご存知のはずなので、敢えての主張ということで理解したらよいのだろうか?

2023-08-19 14:02:00
KJ_OKMR @OKMRKJ

情報解析に関する規定は、旧47条の7⇒現30条の4、と遷移したように言われることもあるけど、実際は、旧47条の7⇒現30条の4&47条の5 なんだよね。30条の4と47条の5はセットで、旧47条の7を補完することを計画して生まれた規定とでもいうと良いかな。

2023-08-20 13:57:02