#twnovel 6

ついったーのべるろくやで
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@prefab000

#twnovel 「『時間が解決してくれる』そう話した人がいた。僕は信じてしまった。いや信じたかった。ただ、皮肉にも僕の存在は不変だった」「この場合、矛先はどうなる。相手か。思い悩んだ元凶か」自分、という選択肢がないあたり本当に変わってないのだな。だから私ははっきり言ってやった。

2011-12-14 13:59:33
@prefab000

#twnovel ずっと私の左肩に、青くて重いものがいる。どうやら昨日、タブレットで描きかけの絵が飛び出して、宙に浮いてしまっているらしい。早いこと具体的な存在にしてあげないと。電源を入れる。起動する。ソフトを立ち上げる。時刻と気温と私の体調。「ごめん」私は赤に描きかえた。

2011-12-14 13:11:56
@prefab000

#twnovel 不老不死の技術が完成し人は死ななくなった。しかし記憶を保つことができない。だからサーバーに預け忘れたら引き出す。「もうやめたい」いつだって私の最後の記憶。白い花をパソコンの横に飾る。「やめたい」ピンクの花。「やめたい」水色の花。「やめたい」私の記憶にない花束。

2011-12-14 12:54:53
@prefab000

#twnovel ほんを、たくさんよみました。じぶんのことをはよめば、はなせるようになるとおもっていたのです。きみはそんな僕を好きと言う。言葉の意味は理解できます。しかし理解できない。理解できない事実を上手く伝えられない。言葉が下手で良かった。初めてそう思ったかも知れません。

2011-12-14 10:37:00
@prefab000

#twnovel この黒いお薬を飲めば治るってお医者様に言われた。でも飲んだ子は次の日から目の前が黒になったって。だから私はこのピンクのお薬を飲む。お花の模様が描いててかわいい。「誰からもらったの!」怒られた。どうせなら好きな色を飲みたかったな。まだ、見たい景色がたくさんある。

2011-12-12 20:01:56
@prefab000

#twnovel 橋の上で過ごした。夜が明けても雲が邪魔で遠くまで見渡せない。仕方なく足元の川ばかり見る。流れが速い。靴を落としたらどうなるだろう。「心温かくいる必要はないよ」「……え」背中を引っ張られた。よく知った女の子だった。「朝ごはん行こう」そういえばお腹空いたなと思った。

2011-12-12 12:50:59
@prefab000

#twnovel 「すごい!」周りの声が私に空を見ろと。だけど、たまらないのは足元で、私、屋上登るの初めてなんです。地面が遠い。足を出してみる。透明な板がある。あれ、これって歩けそう。「あぶない!」腕をつかまれた。誰? 空しか見えない。「大丈夫か」わからない。けど、月が赤かった。

2011-12-11 02:37:09
@prefab000

#twnovel 筆に赤い絵の具をつけて水を含ませ紙に。でも広がったのは黄色。そういえばさっきから文字で表せないような種類の音がする。その度に黄色くなって面白い。けど、集中できない。今日は眠ろう。翌朝、絵は昨日見たまま。私の絵だ。でも私は何を描いてたんだっけ。うるさいのは嫌だな。

2011-12-09 10:11:57
@prefab000

#twnovel 朝の冷たい空気の中、本屋さんへ。今日は朱色の発売日なのだ!「売り切れたよ」「ああ……」おじいさんが別の本を差し出す。「お金はいらないよ」帰りはしばらく黄色い空を眺めてた。『美しい』けど。おじいさんには悪いけど。やっぱり朱色が欲しい。私はもう一度自転車を走らせた。

2011-12-07 10:37:37
@prefab000

#twnovel 「僕は用意された『最も良い終わり方』に辿り着きたいだけなんだ」彼は曲に、自分の未来のことをつづっているらしい。「そうなんだ」私にはよくわからない、けど聴く。彼のことが好きだった。壊した機材の上に涙が落ちる。「聴かない自由があっただろ」そんなもの私にはなかった。

2011-12-05 13:30:59