twblnovel 11月下半期

ハウリル @how_howlite

「宅配便でーす」「はぁい…」「どうしたんですか？顔が赤いですよ」「いえ、ちょっと、熱っぽいんですよ…」「あぁ、そんな時にすみませんね」「いえ、お気になさらず…」「…？ケータイのバイブ鳴ってません？」「着信かな…？では、お疲れ様です…」「どうもー」ヴヴヴヴヴ… #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「あー！」昨日、窓際に吊したはずのてるてる坊主が無い。外は大雨。これでは、せっかくのデートの予定が台なしである。「しょうがねぇな。こりゃ、家でゆっくりするしかねぇ」そういえばこの男は、外出を億劫がっていた。まさか。恨みがましく見つめると、ニヤニヤと笑った。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「クソがっ…！」「勇者っ！僧侶、回復を！」「勇者さん！大丈夫ですか！？」「すまない、僧侶…。お前を守らなくちゃいけないってのに…」「そんな…！僕は、勇者さんのお役に立てれば、それだけでもう…！」「僧侶…！」「勇者さん…！」「戦闘中に何してやがる馬鹿共がっ！」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「ったく、馬鹿共。一時はどうなるかと…」「魔術師は、勇者に守って貰えないから妬いてんだろー？」「な…っ！違っ！断じてそんなこと！」「顔真っ赤じゃねーか。…俺が妬いちゃうぜ？」「意地悪なことを言うのだな、戦士。私の事は、お前が守ってくれるだろう」「ああ、勿論」 #twblnovel

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「昨日、かーちゃんから電話あったんだよ」十数年同棲をしている恋人が言った。「嫁はまだかって？」「いんや。もういいからさっさと恋人連れて来いって」何回も催促される度、その内にと先伸ばしにしている問題。この話が出る度に、俺は申し訳ない気持ちに襲われていた。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「だから１２月の２週目、空けてくれな」と、言われて耳を疑った。「はぁ！？俺を連れてくつもりか！？」「あぁ」味噌汁を啜りながら言われても。意味がわからない。「…いいのかよ。母親に何て話すつもりだよ」「何って、何も。このまま話すよ」楽天的なのか、考え無しなのか。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「かーちゃんさ、この間、東京に来たんだってさ」「え…？」「俺がどんな生活してるか、ろくに連絡も帰郷もしないから、気になったんだと」「…それで？」「マンションにも来て、表札見て、帰ったって」「……」「アンタが選んだことなら、それでいいってさ。言ってくれた」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「…俺、行っても大丈夫かな」「大丈夫だろ。かーちゃんだし」あっけらかんと言われると、安心する。「良い母親なんだな」「悪い息子だけどな」ご馳走様と碗を置いて、恋人は笑った。つられて俺も笑った。俺も、ちゃんと腹を括って挨拶に行こう。コイツの人生を俺に下さい、と。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

夕飯でのこと。「鰻…？」「安かったの。鰻の旬は、冬頃だしね」「生牡蠣…？」「珍しいでしょ？一度食べてみたかったんだよねー」食後でのこと。「はい、サプリ。食事で摂れなかった栄養の補給～」「…エビオス」コイツが、俺に何を期待しているのか手にとるようにわかる。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

手が冷たいから手袋をする。当たり前のことだ。恋人だから手を繋ぐ。人の目は気になるが、これも当たり前のことだ。だけど、手袋をした手で手を繋いでも、何も暖かくないじゃないか。そう思って頬を膨らました俺を見て、彼が笑う。「手袋、外す？」見抜かれて、顔が赤くなった。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

兄貴は、とても弟思いの良い兄貴である。悪い道に走った不良の弟を見捨てないし、どれだけ反抗的な態度をとられても頼られると応えてしまう。弟の体が狙われていると知れば自らの体すら差し出す。不良グループの男達の上で喘ぐその様子を、弟が笑いながら見ているのも知らずに。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

飽きた、と、俺と不良グループとの交流は自然に消えた。なんであそこまで誰かに、兄貴に反発したかったのか、よくわからない。染めた髪も空けたピアスも、ファッションでしかない。呆気なく戻った平穏な日々。弟思いの兄貴は、いつもの笑顔で俺と接していた。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「なんでまだアイツらの所に行ってんだよ！？」ある日、夜遅くに兄貴が帰ってきた。恰好は小綺麗に整えてあるが、俺は知っている。兄貴は、俺が居た不良グループに、さっきまで犯されていたのだ。「お前には関係ないよ」笑いながら、俺の頭を撫でようとする。その手を拒んだ。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「兄貴にも関係ないだろ！？もうやめろよ！」「僕には、関係ある」「…脅されてるのかよ！？」「いや、僕が自ら望んで行ってるんだ」兄貴の言葉が、俺の頭をガツンと殴った。「な…、なんでだよ…、兄貴…」俺の問い掛けには答えず、兄貴は自室へと歩いていった。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「パパ。サンタさんって、本当にいるの？家にも来てくれるの？」「あぁ、タカシ。サンタさんは本当にいるよ。でも、ゴメンな。パパ、全国サンタクリスマス宅配サービス協会に会費を払ってなくてな。サンタさん、家には来てくれないんだ。ゴメンなぁ、ゴメンなぁ…」「パパ……」 #twnovel

ハウリル @how_howlite

「ママ、ゲームが欲しい」「それはサンタさんに頼みなさい」「ママ、妹が欲しい」「それはコウノトリさんに頼みなさい」「じゃあ、パパはコウノトリなの？サンタさんなの？」 #twnovel 「パパは、コウノトリ界のサンタさんなのよ」

ハウリル @how_howlite

貴方達の力では、世界は何も変わらない。貴方達の力では、世界の何も変えられない。何故なら、貴方達は世界を変えようとしている訳ではない。貴方達が変えたいのは、今の世界を壊す存在。そして、それを迎合する世界。自分の世界を壊さない貴方達に、世界は何も変えられない。 #twnovel

ハウリル @how_howlite

「私、猫を飼いたいな」「オス？メス？」「どっちでも」「じゃあ、今度の週末、ペットショップに行ってみような」新しく二人で住むマンションは、ペット可の場所を選んだ。片付けが済んだ俺達の部屋は、何もかもが新しい。二人の生活も、また、新しく始まることを実感した。 #twnovel

ハウリル @how_howlite

膨らんできた胸が、今までの、子供だった自分を嘲笑うかのように痛む。大人になるって、こんなに苦しいことなの？「アドバイスありがとね」「ううん。彼と上手く行くといいね」彼女の笑顔を見るだけで痛む胸が、私の恋の終わりを告げる。それでもきっと、この痛みは治らない。 #twglnovel

ハウリル @how_howlite

「ねぇ？もし俺がお前の子供を妊娠したらどうするー？」中で出した体液も、挿入したままの屹立もそのままに、俺の下でニヤニヤと笑う奴。「ハッ！孕めるモンなら、孕んでみろよ！」挑発、と、受け取り、もう一度抽送を開始する。爛れた情欲を、存分に注ぎ込んだ夜だった。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「どうせ俺様は駄目人間ですよーだ！」中身を飲み干したジョッキを乱暴に置き、自棄になった男が居酒屋で叫ぶ。上司に叱られ、女にフラれ、仕事は増え、金は消え。最悪な一週間。そして、そんな一週間にとどめを刺す、酔った勢い、一夜の過ち。ご愁傷様、いや、ご馳走様でした。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

夢の中で誰かに頭を撫でられた。手の感触で誰かわかったから、されるがまま撫でられた。気持ちいい夢だった。「…で、それが？」大学のカフェで夢の事を話すと、隈のできた目が泳ぐ恋人。「昨日の深夜、家に来たでしょ」撫でるだけ撫でて黙って帰るなんて。寂しいじゃないか。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「犬ーのペーニスは良いペニスー、凄いぞー、凄いぞー」「そんな最低な替え歌、初めて聞いた」「射精ーを始めりゃ瘤膨らむー、精液ー、注ぐぞー」「続くのかよ。止めろよ」「ヤろうー、ヤろうー、犬のペニスー」「おい変態」「変態じゃない。ただ、気持ち良かった」「黙れ変態」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

左手の薬指用に、指輪を買った。シンプルなシルバーリングは次の日、すぐに周囲の注目の的となった。女子社員からの質問責めを曖昧に受け流し、昼。社食でわざわざ俺の左隣りに座った男が、リングについて探り探り聞く。ほらほら。そうやって尻込みしてると逃げちまうぞ。 #twblnovel