パレスチナの人権状況を調査している国連特別報告者のフランチェスカ・アルバネーゼ氏がアルジャジーラのインタビューに答える

「自分の気に入らないものはみなハマス」のようです
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川上泰徳 /中東ジャーナリスト◆新刊『戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む』(彩流社) @kawakami_yasu

◆著書『シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年』(岩波書店)他 ◆Yahoo個人: news.yahoo.co.jp/byline/kawakam… ◆Mail: kawakami.yasunori2016@gmail.com

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川上泰徳 /中東ジャーナリスト◆新刊『戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む』(彩流社) @kawakami_yasu

著名な国際法の専門家で、パレスチナの人権状況を調査している国連特別報告者のフランチェスカ・アルバネーゼ氏がアルジャジーラのインタビューに答えて、イスラエルのガザ攻撃について率直に語っていますので、共有します。国連は無力ですが、国連でガザの人権状況を担当している人物がガザの状況についてイスラエルの行動を「ジェノサイド(大量虐殺)」と見て、国際社会の対応などについて発言している重要です。※質問は簡略にしています。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー Q:イスラエルの報道官は国連がハマスの共犯者であると非難しています。あなたはハマスの共犯者ですか? アルバネーゼ氏:もちろん違います。 事務総長はそう(ハマスの共犯者)ではありません。もちろん、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)やすべての国連機関はそうではありません。 「ハマスの共犯者」というのは国連に対するイスラエルのいつもの非難で、イスラエルの非常識で犯罪的な行動を非難する者に対する非難でもあります。これは新しいことではありません。 イスラエルは声を上げる者を狙います。これはもう何十年も続いていることなのです。しかし、今はみんながイスラエルを見ているのですから、(イスラエルの非難は)逆説的です。イスラエルはこれまでに2万人を殺害し、そのうち70%が女性と子供です。イスラエルはガザを荒廃させ、ガザを破壊し、それでもなお国連を非難しています。今、なぜ、国際社会がイスラエルを信用し、国際メディアがイスラエルの指導者や政治や軍事の指導者の発言を信用しているのか、私には不思議です。イスラエルは自らの行動に対して責任を負うべきです。 Q:イスラエルは(占領地に入る)国連職員にビザを出さないとしていますが、これは合法的なのですか? アルバネーゼ氏:いいえ、これ(占領地に入ること)は私、私の前任者、そしてその前任者の前任者たちが17年間行ってきたことです。 イスラエルはガザ地区、ヨルダン川西岸地区、東エルサレムで占領国としての権限を乱用していますが、イスラエルがこれらの占領地域に対して主権を有してはいません。したがって、事実上の占領国ならば、国際法と国連の義務を遵守する必要があります。国連のルールを勝手に解釈して報復することは誰に対してもできません。 Q:イスラエルはパレスチナ民間人の安全を守るために十分な努力をしているのでしょうか? アルバネーゼ氏:いいえ、イスラエルは民間人の安全を守るために何もしていません。 3つの例を挙げましょう。 まず第一に、イスラエルは、大規模な破壊を生み出すことを目的とした弾薬を使用しています。ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズでさえ、イスラエルが80日間の攻撃で、核爆弾2個以上に匹敵する量の弾薬を、面積360平方メートルで、200万人を超える人々が住むガザで使用したとする調査報道をしています。第二に、イスラエルは国際人道法で(安全が)保障されている病院を標的にしてきました。 病院の破壊自体が致命的というだけでなく、病院システムの破壊で、戦争で負傷した人々に支援を提供できなくなるということで致命的です。そして第三に、イスラエルは医療従事者、医師、看護師を逮捕、拘留し、虐待し、さらには拷問さえ行っています。国連特別報告者たちは(ガザ攻撃について)ジェノサイド(大量虐殺)の危険性を非難しました。医療システム(の状況)はガザのパレスチナ民衆を破壊しようとする(イスラエルの)意図を明確に物語っているのです。 Q:パレスチナ人民間人が捕虜のように裸で並ばされているのは、過去にイラクのアブグレイブ刑務所で見た映像を思い出させるものです。 アルバネーゼ氏:私たちがガザで見ている恐怖はこれまでに比べるものがないものです。それはいくつかの状況、いくつかの戦争、いくつかの恐怖を思い出させますが、それだけでなく、それはテレビで放映されているのです。ガザの人々が爆撃され、殺され、非難され、中傷される映像がテレビで放映されていることは私にとっては衝撃的です。ガザの人々はある意味で”戦争ポルノ”としてさらされているのです。率直に言って、私は途方に暮れています。たとえ、イスラエルに捕らえられたこれらの人々がハマスの戦闘員であっても、人道的に扱われるべきです。私には言葉がありません。撮影されて世界に公開された映像には、明らかに子供である遺体が映っていますが、どうしてこれが合法なのでしょうか? これは完全に非合法です。これは犯罪です。 Q:イスラエルの首相はガザのパレスチナ住民の過激化を語り、ガザの全人口が過激化し、テロリストになるといっています。 アルバネーゼ氏:私はネタニヤフ首相の発言の要点は過激化の問題ではなく、彼らがガザからパレスチナ人を排除したいということだと考えています。彼らはガザからのパレスチナ人の強制退去を求めています。私はこの軍事作戦の最初の週から、まさに5日目から、これは民族浄化だと言ってきました。 これがイスラエルはガザからパレスチナ人を排除しようと考えているのです。そしてこれは私たちが話している間にも起こっています。 そして、これは止めなければなりません。 それを止める方法はただ一つ、それは停戦です。停戦して、ガザ住民を家に帰還させ、その後再建するほかに道はありませんが、同時にイスラエルの責任も問う。10月7日にハマスがイスラエル民間人にしたことの代償を払うのと同じように、イスラエルはガザに対してやったことの代償を払うことになります。 Q:国際社会はなぜ声を上げないのでしょうか、メディア自体が歴史的にこのような問題について声高に主張してきたのに、なぜガザでは怒りを表明しないのでしょうか。 アルバネーゼ氏:2つの要素があります。まず、ガザで起こったことを世界は許しています。ルワンダで大量虐殺が起こり、世界はそれを放置しました。それは世界がガザでの虐殺の進行を放置しているのと同じやり方です。つまり、国際社会は残虐な犯罪を防ぐことができないことが再び明らかになりつつあります。これが第一の要素です。第二の要素は、米国がイスラエルに対峙しようとしていないことです。なぜなら、米国は(国連人権理事会がる)スイスで、この問題に関する国際会議を開かないよう圧力をかけ続け、国連安保理でパレスチナでの停戦を遅らせ続けています。米国はイスラエルに武器を送り続けています。つまり、米国がイスラエルに向き合おうとしていません。それで、イスラエルによる残虐犯罪が可能になっています。これが米国がやっていることです。 Q:解決策はどこにあるのでしょうか、もし、米国がイスラエルを動かさないのならば、ロシアを見ればいいでしょうか、それとも中国でしょうか。国連安全保障理事会の他の主要なプレーヤーに注目すればいいでしょうか?つまり、どこに希望を求めますか? アルバネーゼ氏:私は、米国、イスラエル、ドイツ、ナウル、そしてマーシャル諸島以外の国際社会が目覚めるという希望があると今でも思っています。しかし、国連安保理の以外の国々も含めて可能な解決策はあるはずです。安保理が引き続き麻痺した場合、ほかの国々がとらなければならない経済的、外交的、政治的措置があります。それぞれの国が、イスラエルとの経済貿易協定を停止し、武器の移転を停止し、武器禁輸と制裁を宣言することができます。ロシアがウクライナに対して違法な戦争を始めたときに欧米が宣言したときと同じように、イスラエルを制裁する以外に方法はありません。 なぜいま、イスラエルが例外なのかということです。 WATCH: Israel denies visas to UN staff as it hits back against criticism aje.io/trvz4m?update=… @AJEnglishより

2023-12-27 19:06:41
カーズ @1017zatto

@kawakami_yasu 和訳ありがとうございます。 こちらもブクマ推奨ですね。

2023-12-27 19:13:57