【映画】『レイプから始まる傷だらけの逃避行、全ての女性に捧げる讃歌』⇒「途中のバーでレイプされそうになったテルマを救うため、ルイーズが男を射殺してしまった事をきっかけに、二人の旅は一変して悪夢のような展開に」

『レイプから始まる傷だらけの逃避行、全ての女性に捧げる讃歌』ドライブ旅行へ出かけた平凡な主婦のテルマとダイナーに勤める中年ウェイトレスのルイーズ。しかし、途中のバーでレイプされそうになったテルマを救うため、ルイーズが男を射殺してしまった事をきっかけに、二人の旅は一変して悪夢のような展開に。若い男を道連れにしたり、逃亡資金を工面する日々を過ごすが、警察の追跡は次第に激しくなってゆく…… 映画配給会社アンプラグド様よりご招待いただき、映画ファン待望の『テルマ＆ルイーズ　4Kレストア版』を試写会にて鑑賞させて頂きました。映画史に燦然と輝く傑作が公開から33年の時を経てスクリーンに帰ってきますよ。やばいね。久々でしたが“ポラロイド写真”に自然と涙が溢れてました。時代がめちゃくちゃ追いついてるのでは？？と感じた。あと素人目に観ても旧画質と比較して明らかに美しく、名作の輝きがより一層増してました。本作は現実逃避のための楽しい週末のドライブ旅行から一転、レイプ魔を射殺したことをきっかけに始まる泥沼の逃走劇を描いた女性二人のロードムービーです。『イージー★ライダー（1969）』が男性と自由に関する物語だとすれば、本作は現実から突き放されながらも力強く生きる女性と“解放”を描いた物語になっています。受難に次ぐ受難。弱者ゆえのトラブルに見舞われますが、それでも前を向き、逞しく生き抜こうとする彼女たちの姿には奮い立たされます。二人の心境の変化は、劇中で変化してゆくファッションにも反映されていますね。本作を語る上で『性差』は大変重要なテーマになっています。今日ほど、このテーマが関心を集め、日々騒がれる時代は無かったのではないでしょうか。劇中で好色家のトラックドライバーが彼女たち対して『俺のをしゃぶれ』やら『ファックさせろ』と心無い言葉を投げるシーンがあります。まさに今日も現実に起きている事象を映す鏡だなと思った。なお、この“失礼な男”は痛快な仕置きを受ける事になります。そして伝説的なラストシーン。複雑な感情を抱かずにはいられませんが、それを流し去ってしまう程の圧倒的な爽快感と感動は色褪せる事が無いのだと再認識させられました。そしてハーヴェイ・カイテル演じる刑事ハルやっぱズルいわ。『考えてやれ！痛めつけられっ放しの女なんだぞ！』泣かされますよこれは🤦‍♀️ 今作の主人公たちは『チャーリーズ・エンジェル』ではありません。弱く、脆く、騙され、トラウマに苛まれている……なのに“クソかっこ良い”彼女たちの生き様をしかと目に焼き付けて頂きたい。そんな想いに駆られる不朽の名作です。テルマ＆ルイーズ4Kレストア版は2024年2月16日より上映ですわよ🫰