ステップス・オン・ザ・グリッチ ＃２

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『また米を送ったから、ちゃんと食べろ。捨ててないよな。テレビでやってたぞ、今時のサラリマンはプロテインチップで栄養を済ませるッて。駄目だぞそういうのは、コーゴ！』「だ、大丈夫だよ……俺はカチグミだから、全部オーガニックだから……」『ならいい！元気でやれよ！』「うん……！」　43

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

通話は終わった。イサムラは震え、深呼吸した。「実家の……祖父です」「……」ルシンダは咳払いした。「ご家族のためにも、協力的な態度を取る事だ。車輌に来い」「……はい……」肩を落としたイサムラに手錠をかけ、玄関先に連行する。クローンヤクザ二名を連れ、部屋を去る。　44

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

（アイエエエ！？）外の通路、通りがかった隣人が、連行されるイサムラと、ものものしいクローンヤクザに、驚きの声をあげた。ルシンダは奥ゆかしく、だが有無を言わさぬオジギで応じ、そのままイサムラを連れて行った。　45

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

……30分が経過した。イサムラの玄関先に設置された防犯カメラは、何事もなかったかのように、静まり返った玄関を映し続けている。……その画角に、赤黒の影が入り込んだ。ニンジャスレイヤーはカメラの存在を即座に察知し、見上げた。ジゴクめいた眼差しが焼き付き、１秒後、映像は失われた。 46

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【続く】