アニメ版『キャンディ・キャンディ』原作改変問題をめぐる美しい決着と、その後の地獄
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そして······あきれたことに、私はひっそりと泣いてしまったのだ。感傷·····それだけではない。昔には見えなかったものが、見えた気がした。シナリオライターも一生懸命、感情移入しようとしているのがわかる。声優さんたちの熱演。 『児童文芸』1992-10より #キャンディキャンディ #水木杏子
2024-01-27 12:45:41"シナリオライターのY氏とケンカできたのも、Y氏が真剣にキャンディのシナリオととりくんでくれていたからなのだ。ナマイキで、稚かったな、とその頃の自分をふり返ってみる。"#キャンディキャンディ #水木杏子 #雪室俊一
2023-09-17 15:09:14@narai84711 @ccakaigoro 長い放映期間の間に脚本家もキャラクターの性格を把握して、初期に比べると大分改善されたようだ、というご意見もエッセイ内にありました 初期のぶつかり合いが後を引いてしまい、実際よりも悪いイメージを持ってしまったのかも
2023-09-17 15:12:39そして再アニメ化企画を打診されて久方ぶりに東映の関係者と会い、認識を改めたという記述が続く。
久々にシナリオのY氏、白髪がチラホラ見えるようになったアニメ会社の人と会って気持ちが変わった。みんな忘れず、キャンディを愛しつづけてくれたのだ、と思った。シナリオライターのY氏の気まじめさも、わかった。「あの時、威勢よかったね」といえる仲になったのが、うれしい #キャンディキャンディ
2024-01-27 12:51:31と、時の流れが関係者のわだかまりを解決する美しい結末を迎えたのだが……
そして95年、「原作に忠実なリメイク計画」という甘言
92年のリメイク劇場版『キャンディ・キャンディ』は『きんぎょ注意報』の後番組として持ち込んだリメイクTVシリーズ企画がテレ朝から却下されて、改めて市場の反応を測るために制作されたパイロット版的な位置づけの作品。
「きん注」→「セラムン」時代の幼女たちからの評価は推して知るべし……という訳で講談社・東映・水木は「リメイクは時期尚早」ということで納得した。
が、ここに全く納得していなかった関係者が一人いたのである。
@WFDuDzugnKTilsw @ccakaigoro 実はキャンディ事件の遠因として、名劇の視聴率低下で苦慮する日本アニメーションとフジが起死回生の一打としてキャンディのリメイク企画に手を出したというのがあります
2023-01-24 21:26:54@WFDuDzugnKTilsw @ccakaigoro いがらし氏と当時の日アニの社長・本橋浩一は同郷の友人で、92年に東映のキャンディリメイク企画がとん挫した後、いがらし氏が「日アニが原作に忠実なリメイクを作ってくれるから」と水木氏をそそのかし講談社&東映との契約を切らせたのが95年でした いがらし氏の暴走が始まったのはその直後からです
2023-01-24 22:17:10@WFDuDzugnKTilsw @ccakaigoro 95年春に講談社の管理を外れた途端にいがらし氏が暴走を始め、96年春に水木氏の知らない間にいがらし氏とフジサンケイ系広告会社が組んで大々的にキャンディビジネス開始、97年に絵画商法モドキの高額複製画販売にまで手を出すに及んで遂に水木氏が法的処置という流れ
2023-01-24 22:41:11@ccakaigoro 1996年に「いがらしゆみこ漫画家30周年記年パーティ」をそれまでの講談社に代わって取り仕切ったのがフジサンケイアドワークでした フジがキャンディキャンディというIPを破壊してから25年経った訳です
2023-03-04 00:11:40@ccakaigoro 水木氏の知らぬうちにキャンディキャンディの権利をいがらし氏から委託されて勝手に多数の企業と契約を結んだ挙句、問い合わせてきた水木氏に恫喝まがいの文書を送り付け、後からジョージィの無断使用を知った井沢氏に対しては「所詮民事ですからね」と暴言を吐いた会社です pic.twitter.com/RPq4ejsPLp
2023-03-04 00:36:50原作者が裁判での解決をはからざるを得なくなる直前に、いがらし側弁護士から送付された内容証明には
- フジサンケイアドワークの複製原画(高額オフセット印刷ポスター)
- 扶桑社からの『キャンディ・キャンディ』復刻版漫画単行本
- ポニーキャニオン(フジサンケイグループ)のCD-ROMイラスト集
の事後承諾を迫る内容が含まれていたあたりで、色々とお察しな訳ですよ。
@ccakaigoro @WFDuDzugnKTilsw いがらし氏に関して言えば、当時の主な活躍の場だったレディコミ誌がブーム終了で次々と休刊していったことと、いくら新作漫画を描いても講談社からは全く単行本が出ずにジリ貧だったのが直接の原因と思われ
2023-01-24 22:52:59@ccakaigoro 92年「キャンディ・キャンディ」アニメリメイク頓挫 講談社レディコミ誌連載いがらし作品が主婦と生活社から単行本化 93年 日本アニメーションがいがらしを名目上の原作者に据えた「ムカムカパラダイス」放映 後に講談社との契約解除に関わる弁護士が所属する漫画家の利権団体「まんがじゃぱん」設立
2023-03-05 00:18:38@ccakaigoro 94年 「パパはオカマさん」の連載誌である講談社のレディコミ誌休刊、単行本一巻で打ち切りの上に講談社の他誌への移籍も不可、同作は光文社に移籍 95年 講談社との契約解除、暴走開始
2023-03-05 00:18:59日本アニメーションによる『キャンディ・キャンディ』リメイク→続編計画
日本アニメーションによるリメイク企画関連の流れ
- 95年2月に講談社との管理契約解除後、3月にリメイクについて話し合うために銀座の日本アニメーション本社で社長の本橋浩一と原作者、作画者で会合を持つが、具体的な内容には話が及ばず。
- 同年6月に二度目の会合をした際、突然、東映が商標権を抑えているせいでスポンサーが集まらないからリメイクではなく続編にしましょう、と言われる。原作者の水木が続編企画を却下すると、以後、水木は蚊帳の外に置かれる。
- 97年5月ごろから次々と作画者いがらし単独による契約違反のキャラクター無断使用ビジネスが発覚。
- 同年9月16日、原作者は版画と称する高額ポスターの出版差し止めを求めて作画者いがらしとフジサンケイアドワークを提訴。
- 99年2月、地裁判決(原作者勝訴)
- 2000年3月、高裁判決(控訴棄却)
- 同年5月、作画者いがらしが上告し裁判中(つまり水木の原作者としての権利を否定している)にもかかわらず、いがらし側から水木宛に日本アニメーションによるリメイク企画に承諾を求める文書が送られてくる。
- 同年6月29日付のいがらし宛回答書において、水木と東映が連名で他社リメイク企画を拒否(この時点でいがらし抜きの東映による「新キャンディ」企画が立ち上がるが実現せず)。
- 同年7月、作画者いがらしが東映アニメに対し商標権無効審判の訴訟を起こす。
- 2001年3月、作画者いがらしが原作者の水木に対し日本アニメーションによるリメイクの同意を求める裁判を起こす。
- 同年8月、商標権に関する審判は東映勝訴。
- 同年、リメイク同意訴訟取り下げ。
- 2001年10月、最高裁判決(原著作者・水木杏子の権利確定)
https://web.archive.org/web/20030409120332fw_/http://www.k-nagi.com/hyou.html
アニメーションのリメイクについて 名木田恵子
日本アニメーションでの「キャンディ・キャンディ」のリメイクのことはこの<事件>の発端でもありました。今回<リメイクの同意を求る裁判>を起こされたことについて、わたしの気持ちをお話したいと思います。
1995年、講談社との二次使用契約を解除したことの大きな理由のひとつが、いがらしさんから<日本アニメがキャンディのリメイクをしたがっている>と聞いたことでした。
講談社との契約を解除することは自動的に東映アニメとの契約も白紙に戻すことになります。
そうしないと、日本アニメでリメイクができない、といがらしさんにいわれました。
(略)
思い返せば、発端である<リメイク>の話のときから、日本アニーションは原作者に対し全く誠意がありませんでした。<無視>していたといっても過言ではありません。
わたしからの働きかけで(いがらしさんに、”勝手に話を進めないで日アメに会わせて”といったことからの会見でした。いがらしさんと本橋氏は同郷の好でかねてから懇意でいらしたようです。)本橋社長にお会いしたのであり、また、スタジオにもわたしから本橋氏の秘書、高崎氏に連絡をして伺ったのです。
(略)
確かに、24年前、製作された東映アニメーション「キャンディ・キャンディ」は技術も古く、連載漫画のあとを追いかける形で製作されたため、内容も<みずまし>され、原作者としても当時、気に入っていなかったことは本当です。
しかし、わたしも年を重ね、さまざまな人達が、さまざまな思いでアニメーションに携わり、「キャンディ」という作品を愛してくださっていたことを知りました。
東映のアニメは確かに古くさくはありますが、いい作品は古びない___とも思います。
感動は絵柄の新しさや古さではなく、製作者の心意気が伝わってくることでしょう。
この事件がおこり、昭和53年におきた<キャンディのにせTシャツ事件>の判決文を拝見しました。そこには<漫画作品という生みの親><東映アニメという育ての親>とありました。
ある意味では、そのご判断は正しいと思います。なにより、わたしが感じいったのは<東映アニメのキャンディ>に携わった方達がその言葉を<誇り>に思っていらしたことでした。
しかしながら、この事件が起こる前まで無邪気にも<いがらしさんの絵柄に近いキャンディのアニメーション>をみたい、と思っていたことは事実です。
東映アニメーションが<リメイク>をして下さることが一番、平和的解決だと思いましたが、このたびの事件でいがらしさんが勝手に許諾販売した<おびただしいグッズ>は東映アニメの商標権を侵害しているものがたくさんあり、その<不正品>がひとつでも残っている限り、東映は過去のアニメの再放送はもちろん、リメイクをしたくても無理なことなのだと解りました。
その上、現在、いがらしさんは東映アニメを相手取って<商標権無効審判>の訴訟をおこされたので、さらに絶望的になってしまいました。
東映アニメにとっても大切にしてきた作品を<お蔵入り>しなくてはならなくなってしまう、という苦悩の状況です。
(略)
https://web.archive.org/web/20030409113720fw_/http://www.k-nagi.com/nremake.html