ステップス・オン・ザ・グリッチ ＃４

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【カラテの高まりを感じる……！】

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【当アカウントは】 ・極めて強力なサイバーパンクニンジャアクション小説「ニンジャスレイヤー」連載の場である。 ・通し番号に従って追っていけば今夜の話が貴方の脳に入る ・連載中の最新話は新シーズンの第１話である ・連載のまとめは下記のサイトで読む事ができる diehardtales.com/n/n40a3d12b1e96 pic.twitter.com/wraebfBVAN

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【現在の連載中の話は】 ・シーズン５の第１話 ・若きカチグミ・サラリマンのイサムラ＝サンは身に覚えのないデータ横領の罪に問われ、尋問を受ける ・黒幕は邪悪なニンジャだった。イサムラは無意識下で操られ片棒を担がされていた ・邪悪なニンジャの前にニンジャスレイヤーが現れた！

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◆「お前は！お前は何だ！？」パイドパイパーは血走った目を燃やし、叫んだ。「俺を見下ろすな！イヤーッ！」笛を構え、力を開放する！渦巻くエネルギーが、谷間を形成する雑居ビル側面を刳り、削りながら、赤黒の影を目掛けた！だが！「Wasshoi！」影はジゴクめいた眼光軌跡とともに、跳んだ！◆

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◆赤黒の影は稲妻めいてジグザグにビル側面をトライアングル・リープしながら降下！放たれた力の渦をかいくぐり、一秒も経たず着地していた……邪悪なるニンジャの眼前に！　そして、アイサツしたのである！「ドーモ。パイドパイパー＝サン。ニンジャスレイヤーです」◆

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【ステップス・オン・ザ・グリッチ】#4

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「ドーモ。ニンジャスレイヤー＝サン。パイドパイパーです」パイドパイパーは困惑をカラテと邪悪な殺意で塗り潰し、アイサツに応じた。アイサツは神聖不可侵のイクサの礼儀であり、オジギ最中の相手に攻撃をくわえる事は厳かに禁じられている。古事記にも書かれている掟であった。 1

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ゆえに彼らは名乗りあい、互いの名をニューロンに刻んだ。殺すべき相手として。そしてオジギ姿勢から同時に頭をあげ、カラテを構えたとき、首なし死体の転がるネオサイタマの雑居ビルの谷間の路地裏は、無慈悲なる殺戮の舞台と化したのである！「イヤーッ！」「イヤーッ！」二者は同時に動いた！　2

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パイドパイパーの得物は妖しき笛そのものであった。鋼よりも硬くしなやかなバイオバンブーを加工した笛は、ニンジャの手に携えられれば、汚職治安警察の警棒の千倍恐ろしく致命的な武器となる。さらに、生じるリーチ差は絶望的ですらあった！「グワーッ！」苦痛の呻きが壁面に反響した！　3

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「ア、ア、アイエエエ」無力な傍観者たるイサムラは、逃走する気力もなく、失禁をこらえながら、この切り結びを視界に焼き付けた。ナムサン。互いに交差し、振り返る。パイドパイパーは胸元を押さえていた。血しぶきが噴き出し、アスファルトへ伝う！「バカナ……！」　4

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ニンジャスレイヤーの指先は鈎めいて曲がり、凄まじい力が込められている。恐るべき速度で振りぬかれた素手の一撃が、パイドパイパーの笛の打撃の速度を上回り、かいくぐり、装束ごと胸をえぐったのである。だが、致命傷ではなかった。パイドパイパーの油断ならぬカラテゆえにだ。 5

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パイドパイパーは胸筋に力を込め、筋繊維を引き締めて瞬間的に止血した。「できるか……貴様……！ニンジャスレイヤーとやら……その名は幾度か耳にした事がある。ネオサイタマの始末屋と……！」その目が爛々と輝いた。「なぜ俺の前に現れた！」「……貴様が、理由を知ろうとしないからだ」 6

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ニンジャスレイヤーのジゴクめいた眼光は、パイドパイパーの凝視を真っ向から迎え撃った。「おれを呼んだのは、貴様がこれまで弄び、壊してきた連中だ」「愚かな！取るに足らぬ弱者には何をしてもよいのだ！お節介な憐憫が理由か？そんなものは……」「だから、おれが貴様を殺す」　 7

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「ホザケーッ！」パイドパイパーは逆上し、叫びとともに笛を突き出した。すると、見よ！笛穴から圧縮された空気が迸り、地面や壁を穿ちながら、ニンジャスレイヤーに襲い掛かったのである！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは側転を打ち、咄嗟にこれを回避！「アイエエエ！？」イサムラは失禁！ 8

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アブナイ！非力なサラリマンに過ぎぬイサムラには、理解不能な超自然的脅威としか見えぬだろう。だが読者諸氏の中にはその力の神髄を読み取った方も居られよう。そして当然、ニンジャスレイヤーの魂に融合したナラク・ニンジャの意志は、この力の正体を看破し、警告を行っていた。 9

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「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」連続側転するニンジャスレイヤーを、切断レーザーじみた力が追う。それはギニョル・ジツの力である。無意識下の者を神秘の力で縛り、意のままに操る強力なジツ。その強制力を単なる破壊の為に転用すれば、いかなる装甲をも切り裂き破壊する恐るべき刃と化す！ 10

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パイドパイパーはカラテ戦闘の隙に力の充填を終え、再び解き放ったのだ。まさにこの柔軟な応用力こそ、ギニョル・ジツが一般的な幻惑のジツに勝る点であり、平安時代においては実際、ギニョル・ジツの笛を用いる格闘催眠暗殺師の集団が、雅なハイク・セレモニーの場で血生臭く立ち回ったものだ！ 11

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「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは側転から跳躍、壁を蹴り、飛ぶ！だがギニョルの刃は執拗に襲い続ける！「踊れ！俺が支配してやった非ニンジャのクズどものように！死のダンスを踊るのだ、ニンジャスレイヤー＝サン！」パイドパイパーが哄笑した。防戦一方！ジリー・プアー（徐々に不利）か！ 12

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そして、ナムサン！地を抉り、クローンヤクザの死体を細切れにしながら走りくる破壊の刃の線上に今、腰を抜かしたイサムラあり！「アイエエエ！」イサムラは目を剝き、泣き叫ぶ……「イヤーッ！」「アバーッ！？」その体が宙に跳ね上げられた！彼は己の足に巻き付く、焼けるように熱い縄を感じた。13

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縄を放ったのはニンジャスレイヤーだ。炎の蛇めいて射出された鈎縄がイサムラを間一髪助けた形だ。投げ上げられた彼は壁から突き出す配管パイプのバルブにスーツの襟元で吊るされ、高所で失禁しながら暴れた。「助けて！」「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはイサムラの遠心力を利用し、軌道変化！ 14

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「なッ……」パイドパイパーが目を見開く。一瞬後、湾曲した軌道で襲い来たニンジャスレイヤーの空中回し蹴りが、その延髄を直撃していた！「イイイイヤアアーッ！」「グワーッ！」アスファルトに叩きつけられ、滑るパイドパイパー！起き上がるより早く、走り来たニンジャスレイヤーが首元を掴む！ 15

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「イイイイイヤアアーッ！」「グワアアアーッ！」ニンジャスレイヤーはパイドパイパーの顔面をアスファルトに擦り付けながら走り、そのまま勢いをつけて壁に叩きつけた！「グワーッ！」身をもがき、なお反撃せんとする彼の顔面に、「イヤーッ！」「グワーッ！」黒く燃える拳が叩き込まれた！　16

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「やめ……」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」立て続けに叩き込まれる拳！ニンジャスレイヤーはパイドパイパーを押さえつけ、さらなる一撃の拳にカラテの黒炎を漲らせる……！「殺すな！ニンジャスレイヤー＝サン！」その時であった。制止の声が反響した。　17

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路地裏にエントリーしたのは、ダークスーツを着た二人の人間だった。一方は首の長さの黒髪を真ん中で分け、黒い髭を蓄えた精悍な男。もう一方は金髪碧眼の女だった。どちらもニンジャを前に少しも怖じず走りこんで来た。即ち……彼らもまた、ニンジャ。「……」ニンジャスレイヤーの拳が止まった。18