バトル・オブ・フォート・ダイナソー 全セクション版

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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ま、待てお前たち!今まで貯めた電子貨幣が惜しくないのか!?偉大なる電子の神の祝福が……ウワーッ!」ラグエルは振り返り、悲鳴をあげた。巨大なバイオネオンテトラが上陸し、彼を頭から丸呑みにしたのだ。 46

2023-09-11 22:38:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヤメロ! 私の中にどれだけの価値の電子貨幣データが入っていると思っている!?」ラグエルはネオンテトラの口からはみ出した足をバタバタと上下に動かして抵抗した。バイオネオンテトラは驚き、彼を咥えたまま、体側面の赤とターコイズ色のネオン器官を激しく発光させた。 47

2023-09-11 22:41:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アバッ!アバッ!アバババババーーーッ!?」LEDインジケータじみた緑色の生体ネオン光が、バイオネオンテトラの背骨に沿って限界まで灯ると同時に、宣教師は激しい生体電気ショックを受けて黒焦げになった。弱肉強食!過酷なる大アマゾンの掟である。 48

2023-09-11 22:46:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「GULP」バイオネオンテトラは満足げに喉を鳴らすと、大きな水しぶきとともに川の中へ帰って行った。森に消えた傭兵たちも、二度とこの一帯には戻ってこなかった。あたりは何事もなかったかのように、深い静寂に包まれた。 49

2023-09-11 22:51:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……」ローゼンベルグの昆虫じみた黒く丸い目が、上空から呆然とその光景を見ていた。彼は逃げた宣教師たちを追って飛んできたが、激しい負傷ゆえ、ここに到達するのが遅れてしまったのだ。 50

2023-09-11 22:54:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

諸悪の根源を生け捕りにすることはできなかった。だが、少なくともこれで論理聖教会の脅威はこの一帯から消え去ったはずだ。ローゼンベルグは気をとりなおすと、一部始終をハイドラ隊長に報告すべく、とって返した。真っ赤な夕焼けが、すっかりアマゾン河流域を染め上げていた。 51

2023-09-11 22:57:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

キャオキャオキャオキャオ……ワチャチャチャチャ……。トロピカルな鳥の声も返ってきた。かわいらしいコアリクイが子供を背中に乗せ、蟻塚を探しながら、木漏れ日の中を闊歩した。乱獲されていたオーガニック密林動物たちも、ダイナソーやハイドラたちの手で檻から解放され、自由を取り戻した。 52

2023-09-11 23:00:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

フォート・ダイナソーの戦いは終わり、密林に平和が戻ったのだ。 53

2023-09-11 23:02:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「フウーッ、あれだけストックを作れば1ヶ月は持つだろう……」ブラックタイガー薬の調合を終えたフォレスト・サワタリは、あくびをしながら階段を降り、下の社員食堂へと向かった。バイオカエルとフロッグボーイは一足先にそこに向かっているはずだ。 54

2023-09-11 23:07:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

良い味噌の香りが漂ってきた。「今日のメニューは……バイオマタマタの吸い物と……ピラルクの味噌煮か。白い米にピラルク……! 想像しただけで食欲が湧いてくるな……!」廊下に貼られた手書きの週間メニューを確認しながら、フォレスト・サワタリは意気揚々と社員食堂へ向かう。 55

2023-09-11 23:10:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

社員食堂と言っても、大層なものではない。だだっ広いフロアにちぐはぐの大机と椅子が並び、イタマエ社員が現地食材を使って数名分の食事を作ってくれているだけだ。 56

2023-09-11 23:13:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ヨロシサン製薬時代、本社営業部に行った時に体験した最高級のオーガニック・ランチバイキングに比べれれば、雲泥の差である。それでもこの小さな社員食堂は、フォレスト・サワタリと彼のカイシャが持つ最も重要かつ誇らしい施設のひとつなのだ。 57

2023-09-11 23:15:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

だが、何かが妙だった。徹夜で疲れ切った彼のニンジャ五感が、フォレストに異状を告げる。「何だ、妙に騒々しい……」今日ここにいる社員やバイオニンジャは、せいぜい数名ほどのはずだ。だが食堂から聞こえてくるのは、宴会じみた喧騒である。フォレストは訝しみながら、社員食堂のドアを開けた。 58

2023-09-11 23:21:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何だ、これは……!」フォレストは目を疑った。そこにいたのはフロッグボーイ、K2、K3、モニカと営業社員……だけではなかった。満身創痍のハイドラ、セントール、ローゼンベルグ、さらにはヘルレックスまでもがその巨体を窮屈そうに天井につかえさせながら、同じ釜の飯を食っていたのだ。 59

2023-09-11 23:25:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナワバリ意識の強いダイナソーニンジャが社員食堂に来るのは、当然ながら初めてのことだ。「これは一体……!」「ああ、社長」モニカがフォレストの方を見た。「俺のコメは、あるのか……」「ありません。みんな浮かれちゃって、食べ過ぎです」「そうか」彼は眉根を寄せながら、力無くそう言った。 60

2023-09-11 23:28:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「いいじゃないですか。仲直りしたみたいですし」フロッグボーイがバイオカエルの上に仰向けに寝転び、飯で膨れた自分の腹を撫でながら、フォレストに言った。そして大きなゲップをした。「GULP」 61

2023-09-11 23:29:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「お前、なんだその腹は……!食べ過ぎたんじゃないのか。ちょっと見せてみろ」フォレストがフロッグボーイの腹に触った。「やめてください、子どもあつかいは」フロッグボーイは恥ずかしがって拒否し、バイオカエルを早足で歩かせて、食堂の隅にある飲料水タンクに向かった。 62

2023-09-11 23:32:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「おい待て!腹痛を起こしたらどうするんだ!触らせてみろ!イヤイヤ期か!」フォレストがフロッグボーイを追いかけようとした。「あのくらい、大丈夫ですよ、大丈夫」モニカが肩をすくめて笑った。 63

2023-09-11 23:34:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「それでよォ、俺たちをだましていたイヴォルヴァーの野郎が、山よりデカい怪物に変わりやがった……!」ハイドラは、ピラルク味噌煮を頬張りながら、ヘルレックスやK2、K3に対して、かつてのサヴァイヴァー・ドージョーの武勇伝を語って聞かせていた。 64

2023-09-11 23:38:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ここでフォレストの到着に気づき、ハイドラは昔話を中断した。「ああ、大将!見てくれよ!話つけてきてやったぜ!」ハイドラは手を振り、誇らしげに言った。「俺の言った通り、勘違いだったんだろう!」「ああ、大将の言った通りだ!」「もう思い込みで相手を判断するなよ!ちゃんと会って話せ!」 65

2023-09-11 23:40:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ああ、解ったぜ!」「GRRRRRR……それから、イヴォルヴァーは、どうなった……」「どうなったんだよ!」「本当に、作り話じゃねえの?」K2、K3とヘルレックスが、話の続きをせがんだ。「悪い、大将、忙しいから、詳しい報告はまた後でな!」 66

2023-09-11 23:42:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ハイドラとヘルレックスはあの地下遺跡のことをすっかり忘れてしまったため、それから長きに渡って、サワタリ・カンパニーが古代ニンジャ文明の遺跡に潜ることはなかった。ハイドラが再び琥珀スリケンのことを思い出し、サワタリたちをかの遺跡へと案内するのは、また別の話である。 67

2023-09-11 23:43:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

そのルーツに関係無く、彼らはカラテとカラテで理解しあった。そしてこのバトル・オブ・フォート・ダイナソーを通して、フォート・ダイナソーとフォート・ハイドラの間には、これまでになく強い絆が結ばれることとなったのである。 68

2023-09-11 23:45:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……まあ、よかろう」フォレストはため息をついて席に座った。「私のを少し残しておいたから、どうぞ」モニカが笑いながら言い、味噌煮定食を差し出した。「すまんな、感謝する」「ほんと、バイオニンジャが多いと大変ね。でも賑やか。ここはヨロシサンの研究所よりずっと楽しいよ」 69

2023-09-11 23:46:45
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