心霊写真がどんなにインチキ臭くても見るのが無理になった話…ガチ心霊写真の話も

皮肉屋文庫 @steven_pumpking

おれ、心霊写真ってだめなんですよ。どんなにインチキくさくてもだめ。合成やカメラの誤作動だって分かってても、ひと目だって見ることができないんです。きっかけになったのはこの写真。最近流行りの映画風に言えば、あなたはこの写真の違和感に気付くことができますか、ってやつですね。(1/19)↓ pic.twitter.com/xq1ve0BYJ2

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きっかけはアホみたいな話でね。田舎の大学でやることもないし、ひとつ心霊Youtuberの真似事でもしよう、ってことになったんです。でもサークルにすら入らず麻雀ばっかやってた連中だから、動画のいろはも解っちゃいない。そこで有名どころの企画をパクって、第一回を心霊写真鑑定にしたんですよ。↓

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さて肝心の写真をどうするか、って話になると、後輩のAってやつが得意げに胸を張るんです。部屋のタンスに一枚ある、って。じゃあ頼むわってことでぞろぞろAについてって、見せられた写真が、さっきの。写真自体は九州の山奥にある、親戚の家で撮影したものらしいんですがね。↓

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わかりますか、窓のとこ。人間の上半身みたいなのが写ってるでしょう？ Aのやつ、これを声高に「ね、幽霊でしょ、ね？」って念押ししてくるんですよ。でもおれたちは「そうかぁ？」って感じで。Aの必死さにちょっと引いてたってのもあるんですけど、やっぱ期待外れじゃないですか、こんなんだと。↓

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Aをジュース買いに行かせて、これどうすべって相談しました。でも結局、解説が怖けりゃいいんでねって話になって。他にアテもないし、心霊写真をでっち上げる技術もないし、とりあえず第一回はあれでいこう、って。で、解説をめっちゃ熱量のあるAに丸投げしたんすよ。面倒だったし。↓

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それがいけなかったんすかねえ……。その日から、Aがぱったりと姿を見せなくなって。大学にも来ない。麻雀にも来ない。共通の知り合いに聞いてみりゃ、バイトも無断欠勤でクビになったと言う。こりゃどうも普通じゃねえってことで、近くに住んでたおれがAのアパートに行ったんですよ。↓

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結論から言えば、Aは部屋にいました。でも出てこようとしないんです。鍵かけたまま、ドアの前にいるおれに電話かけてきて。「おめえどうしたんだよ、開けろや」ってちょっと声荒げてみせても、「先輩たちが悪いんですよ。もっと注目しないから。おれの仕事が増えたじゃないですか」とか言ってる。↓

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「いま解説書いてますからね」耳をすましてみれば、ガチャガチャってすごい勢いでキーボードを叩く音がする。あ、こりゃ病んでるわ、って言葉失ったおれに、あいつ、まくし立てるんです。「なんで上手く釣れないのかなあ。おれの撮り方が悪かったかなあ。もっと時間かけてもらわなきゃなあ」↓

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何の話だよ。かろうじてそう絞り出したおれに、Aはいっそう声色を硬くして続けます。「先輩が悪いんですよ。馬鹿みたいに怖がらないから。お前らなら簡単に釣れるって、アドバイスの通りやったのに。お前ら見ないじゃん。窓をじっと見ないじゃん。だから入る隙間ができないじゃん」↓

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隙間？ と訊き返したところで、電話はぶつりと切れたんです。同時にドアが思い切り開かれて。げっそりやつれたAが姿を見せました。Aのやつ、両手いっぱいに何か抱えてて。それをばぁって廊下にまいたんです。見ればそれ、あの写真の切り抜きでした。色んな倍率に拡大した、あの写真。↓

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「先輩は」 あいつが切り抜きのひとつを拾って言うんですよ。 「これを真剣に見てないでしょ」 ↓ pic.twitter.com/ve65l8WHqn

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「だから」 あいつが別の切り抜きを探り当てて言うんですよ。 「隙間ができなくて」 ↓ pic.twitter.com/tQ02yCPBxE

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「これが」 あいつがそれをぐっとおれの顔に近づけて言うんですよ。 「隙間に入れないって言ってんの」 ↓ pic.twitter.com/tesOKrrPRp

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いたんだ、って思いました。あいつの示した写真。いかにも合成くさい上半身の右上に、はじめから何か「いた」。顔ともしわともつかない、ただの気持ち悪い暗がりの模様なのに、それがなぜかすげえ怖くて……。おれ、何かわめいてるあいつを突き飛ばして、全力で家まで走りました。↓ pic.twitter.com/TSS17dmDT1

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翌日、心霊企画のメンバーを連れてもう一度行ってみたんですけど、部屋はもぬけのからでした。でも、廊下に散らばった写真はそのままで。なんかそれが、あれは夢じゃないって突きつけられてるみたいで。あいつとはそれ以来、会ってません。実家に帰ったとか聞きますけど、それすら本当かどうか……。↓

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……もしも、もしもの話っすよ？ もしそっち側の連中が「いる」として。その手の連中が人の心の、なんつーか無意識っていうんですか、そういう心の隙間みたいなところに入り込んでくるようなやつらだとして。↓

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心霊写真って、持ってこいの道具じゃないですか？ 適当にカメラへ誤作動を起こさせりゃ、変な光や手足の消えた通行人を、おれたちは「本物かどうか」って目でじっと見る。そのすきにやつらは、気を取られたおれたちの後ろへするっと回り込む。もしも心霊写真がそういうもんだとしたら……。↓

皮肉屋文庫 @steven_pumpking

ちょっと調べたら「心霊写真はデジタル時代がやって来て滅びた」なんて説もあるらしいですけど、滅ぶどころか、やつらは使い道に気付いたのかもしれない。……いいや、もしかするともうずっと昔から、心霊写真ってのはそういう仕組みのひとつだったんじゃないですかね。↓

皮肉屋文庫 @steven_pumpking

だからおれ、心霊写真ってだめなんですよ。

皮肉屋文庫 @steven_pumpking

独白形式のつぶやきは、皮肉屋文庫の「創作」エピソードです。かつて掲示板サービスなどで親しまれた問わず語りの調子に合わせ、ニセモノローグといいますか、語りもどきといいますか、その手の洒落をあれこれ試してみたくなりました。暇つぶしがてら、お気軽に流し読みしていただければ嬉しいです。

西條将矢 @powerspotmuryou

職業カメラマンは年に1〜2枚は 心霊写真と言うものは撮っている!? 我々の従業員、写真は絵が動くし、生き物と言う認識でいるくらいである😅 フィルムの時代はネガも持ってお焚き上げに行ったくらいです🖼️🔥 今はデジタルの時代。(1/3) #カメラマン #撮影 #写真 #心霊写真 pic.twitter.com/RT5t7AMUJ1 x.com/steven_pumpkin…

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西條将矢 @powerspotmuryou

Photoshopで消せる😅 同業の友人で自ら撮った心霊写真を集めている人がいたのですが、事務所にお邪魔するなりポルターガイストが常時😅 写真にも残留思念がある為、特に心霊写真は負の連鎖でしかないです。 スマホでたまたま撮れてしまった人は 速攻で削除をお勧めします😎👍(2/3) #心霊写真 pic.twitter.com/ExtEUroWnQ

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西條将矢 @powerspotmuryou

撮る事もあれば、消す事もある。 写真を復元する御依頼もあります。 昔の物で千切れた様な写真でも可能。 そう言う写真はカメラの特性なのか？ 家の木に人の顔だけが写っている… シャッターが60分の1でISOが400ならばタイミングよく人が木にいれば撮れなくもない😎📷 知らない人だったら…(3/3) pic.twitter.com/47859zTVfY

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