稲川淳二の『つぶやき怪談』(2024.02.25)

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稲川淳二 @Junji_Inagawa

この方が開放的で気分がいい。

2024-02-25 20:07:59
稲川淳二 @Junji_Inagawa

ま、そんな訳で、 外の通りを眺めてから、スリッパに履替えて、

2024-02-25 20:08:14
稲川淳二 @Junji_Inagawa

上着を脱いでハンガーに掛けて、 身体の向きを変えると、

2024-02-25 20:08:30
稲川淳二 @Junji_Inagawa

北側の壁にも厚いカーテンの閉まった小さな窓があるのを見付けたんで、

2024-02-25 20:08:38
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そこも開けておこうと、 行って開けようとすると、

2024-02-25 20:08:55
稲川淳二 @Junji_Inagawa

見ると、 閉め切ったカーテンの下の端の部分を数箇所画鋲で止めてある。

2024-02-25 20:09:34
稲川淳二 @Junji_Inagawa

“……何だこれ? 何でこんな事してるんだろう? 開けてはいけない事情でもあるのかな?”

2024-02-25 20:10:09
稲川淳二 @Junji_Inagawa

窓があるのに、 わざわざカーテンを開けられなくしてあるというのもおかしな話で、

2024-02-25 20:10:31
稲川淳二 @Junji_Inagawa

妙に気になるのし、好奇心も手伝って、確かめてやろうと、 画鋲を抜いて、カーテンを開けてみると、

2024-02-25 20:10:54
稲川淳二 @Junji_Inagawa

それは、一辺が40センチくらいの正方形の一枚ガラスの窓で、 直ぐ目の前には、隣のビルの小さな窓があった。

2024-02-25 20:11:28
稲川淳二 @Junji_Inagawa

どうやら、会社のビルのようなんですが、

2024-02-25 20:11:50
稲川淳二 @Junji_Inagawa

“………そうか、向こうから室内を覗かれてはまずいんで、 カーテンを開けないように、画鋲で止めてあったのか………”

2024-02-25 20:12:12
稲川淳二 @Junji_Inagawa

と、納得したものの、とうに退社時刻も過ぎて、 明かりも消えているという事は、

2024-02-25 20:12:32
稲川淳二 @Junji_Inagawa

もう人はいないという事なんでしょう。

2024-02-25 20:12:36
稲川淳二 @Junji_Inagawa

人がいなければ、覗かれる心配なんてありませんから、 カーテンを閉めておく意味がない訳で。

2024-02-25 20:13:04
稲川淳二 @Junji_Inagawa

とは言っても、手のとどきそうな距離で、 よその窓と向い合っているというのも気持のいいもんじゃないし、

2024-02-25 20:13:22
稲川淳二 @Junji_Inagawa

隣とは僅かな隙間しかありませんから、 恐らく、日も差し込まないでしょうし、見た目も悪いんで、

2024-02-25 20:13:46
稲川淳二 @Junji_Inagawa

カーテンを開かないようにしていたらしいんで、 取り敢えずカーテンを元通りにして、

2024-02-25 20:14:04
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そうこうしてから、ベッドに入ったんですが、 これがなかなか眠れないんですね。

2024-02-25 20:14:21
稲川淳二 @Junji_Inagawa

どうにかして寝ようとするんですが、 何だか落ち着かない。

2024-02-25 20:14:35
稲川淳二 @Junji_Inagawa

仕方無いから、 横になって目を瞑っている事にしたんです。

2024-02-25 20:14:51
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そうして、時間が過ぎていつか知らず、 浅い眠りについていた頃。

2024-02-25 20:15:06
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