浪人時代、同じ予備校の好きだった女の子が多浪のヤンキーみたいな奴のセフレになっていた話

パクセロ医 @J_medical_

浪人時代、同じ予備校の好きだった女の子が多浪のヤンキーみたいな奴のセフレになってる事を知ってから強くなる事を決意した。そこから毎日腕立て100回、腹筋100回をノルマに定めた俺は2浪目に突入していた つづく↓

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数年前のことである。現役の大学受験はセンター試験は77%だった。このくらいの点数だと箸にも棒にもかかるわけもなく俺は国立医の合格発表の前から浪人を覚悟した。高校の卒業式もまだだった俺は制服に腕を通しながらとある都内の医学部専門予備校に見学しに行き入塾を決めた。

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その医学部専門予備校は習熟度別に『国立コース』と『SSコース』と呼ばれる上位クラスがあり、入塾テストに受かると学費の優待を受けられいわゆる駿台、河合のような大手予備校よりも安く、自分専用の自習室が与えられるというとても破格の待遇で浪人生活を送ることができた

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試験を受けSSコースに入る事になった俺は早速春季講習を受講した。狭い教室には30〜40人ほどが詰め込まれ国立コースと合同で授業が行われた

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すると、教室の中に一際目を引く女の子がいた。その子はやや節目がちに歩き丸まった背中からは自信がなさそうに感じた。ただまん丸な目はパッチリとしていて、やや浅黒い肌だがパッと見て肌が驚くほど綺麗なのが印象的だった。ぶっちゃけタイプだった。

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別に浪人してるし、予備校で恋愛などする気はなかった。浪人して恋愛してる奴なんて馬鹿だし、ラウンジでガヤガヤとお喋りに終始してる奴などどうせ落ちると心の中で嘲っていた。浪人している時に恋に落ちるやつなど受験に落ちる、と

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春季講習の時期、なんとなくTwitterで予備校の名前をエゴサするととあるアカウントを見つけた。ユーザー名は『武天浪士』。亀仙人の本名に浪人の浪をもじったいわゆる浪人界隈のアカウントである。武天浪士は『〇〇予備校に生息しています。友達いないから話しかけて！』と呟いていた

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他のツイートを見ると国立コースの女の子であるようで毎日お母さんが作るお弁当をTwitterにアップしていた。可愛らしいタコさんウィンナーが写っていた。 ツイートを見れば見るほど春季講習にいた"あの子"が浮かんできた。いやいやまさかそんなはずはない

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とある土日、ラウンジでお昼を食べようと赴くと春季講習で見かけた目を引く女の子が1人で黙々とお弁当を食べていた。 まさか...と思いながらチラリとその子のお弁当を見るとお弁当の端にタコさんウィンナーが鎮座していた 点と点が結ばれた 武天浪士＝その女の子だったのである

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衝撃だった。まさかの事態が的中し心臓が高鳴る。ツイで見つけたアカウントの正体があの子だなんて。食事をしている間、迷った挙句その子に話しかけた。 その子は当たり前に驚いた顔をしていたが話してみると気さくで面白かった。 これは"運命"なのじゃないか 恋愛経験に乏しかった俺は勘違いした

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その日を境に顔見知りになった俺たちはたびたび話すようになった。話せば話すほどその子の良さを感じた。決して底抜けに優しいタイプではなかったが毒舌でユーモアがありどんどんその子が好きになっていた。帰るタイミングが被る時などは嬉しくてたまらなかった

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ただ、俺は受験生。しかも浪人生。勉強に集中しいち早く医学部に受かる必要があるにも関わらず恋愛感情を持ってしまっているアンビバレントに耐えきれなかった。性根が真面目な俺はむしろこの気持ちに区切りをつけたいと思ってしまった

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とある帰るタイミングが被った日俺は告白しようと決めた。今思うとイカれた判断だったと思う。ただその時この気持ちを精算しないと俺は勉強に集中できないように思った。 とある日、予備校から出るエレベータの前でその子と鉢合わせた。己の決意があったため俺は心臓はち切れそうなほど脈打っていた

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『ごめん、マジでいきなりなんだけど好きだなって思ってるんだよね』 駅の改札の前だった。 思ったよりも普通に言えた気がした。当たり前だがその子は唖然としていた。『え？え？いやでも知り合ったばっかだし？』 当たり前だけど確かになと思った

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俺とその子は逆の路線だった。電車がまもなく到着するアナウンスが流れた。引き止めるわけにもいかず微妙な空気感にも耐えられなく『LINEする！』とだけ言い別れた。

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『いきなりでびっくりした笑』 ラインが届いた。思ったよりも嫌な反応はされなかったように思った。 『じゃあ今度映画観に行かない？』 デートに誘った。 恋愛のセオリーなど知らない当時の俺は告白→デートという珍しい機序を経て初デートの約束を決めた あの日の嬉しさを今でも覚えている

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とある日曜日の夕方6時。新宿で待ち合わせる事に決まった。改札前焦る気持ちからか集合時間30分前から待っていた。その子はピッタリ18:00に待ち合わせ場所に来た。

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その子は予備校で見るより段違いに可愛かった。正直服装は覚えていないが瞼にのったアイシャドウがとてもとても可愛かったのを覚えている。高校出たての当時の俺にとってはメイクをしている女子に会う事など珍しく、その子は芋くさい公立の進学校出身の俺には見たことないほど可愛く目に映った

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チョイスした映画はCMをバンバン打ちイケメン俳優が主演するようなアクションものの邦画だった。正直全然面白い映画ではなかった。他に面白そうな映画がなかったのである。 その子を楽しませようと必死にまるで面白い映画を観たかのように感想を絞り出したのを覚えている。余裕がなく必死だった

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夜も暮れてきていて、21時ごろになっていたと思う。晩御飯を一緒に食べた後ベタな新宿のデートスポットまで散歩した。

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ベンチに座った俺は勇気を出して手を握っても良いか尋ねた。その子はなんだか意外にも『いいよー！』と呑気に答えた。 俺は彼女の小さな手を握った。やはり男とは質感が違うように思った。俺は女の子の手を握るのが初めてだった。

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正直今ならわかるが、セックスの100倍脳汁が溢れていたと思う。それだけ"好きな子"と"手を繋ぐ"という経験は俺の中で大きすぎる初体験だった。 中高で付き合った事がなかったわけではないが今思うと1人も好きではなかったんだなと確信させられた(付き合ったと言っても体の関係は全くなかった)

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月並みだが『本当に時が止まって欲しい』と思った。手を握り少しだけ会話をしたが話す話も思いつかずすぐにお互い黙り沈黙が生まれた。 沈黙がその子は居心地悪かったのか『門限もあるし、そろそろ帰ろっか』と言った。俺は新宿駅の改札までその子を見送った

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好きな子とのデートはなんと楽しいんだろう。今までの人生で経験した娯楽の全てがおもちゃだったように感じた。チープなゲームから出る脳汁など比にならない強すぎる非日常だった。あの日の事は忘れられない

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帰りの電車の中LINEがきた 『今日はありがとう』というような内容だった 嬉しかった。正直、手を繋ごうとかキモがられたと思っていたし、すぐに猛省していたからである ただ俺は浪人生。勉強する必要がある。映画も含めて数時間のロスにも罪悪感を感じた俺はイカれているとも取れる提案をしてしまった