スクールガール・アサシン・サイバー・マッドネス ＃６

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆カラテの高まりを感じる◆

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【このアカウントは】 サイバーパンクニンジャアクション小説「ニンジャスレイヤー」の最新話を連載中。フォローして読める。 「ニンジャスレイヤーPLUS」にて、まとめ読み。diehardtales.com/m/m1d0f417d09bf 【ニンジャスレイヤーのストーリー】 ・ニンジャが出て殺す話。 ・後の受け止め方はあなた次第

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【現在のエピソード】 女子高生リンホ・クロキは、ジャンク品サイバネアームを武器に、家族を破壊したヤクザ集団「ハウリンウルフ・ヤクザクラン」への襲撃を開始した。級友モニコは彼女を心配し、手助けしようとする。リンホの闘争心のギアは常に最大。無謀な襲撃はその無謀さゆえに成功を重ねる。

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対応が後手に回るヤクザ。暗殺じみた襲撃を重ね、負傷するほどに、リンホの身体のサイバネティクス（電子機械化）は深まってゆく。級友モニコはヤクザ・オヤブンのトジカタの私邸に拉致され、事態は風雲急を告げる。リンホはモニコの居場所を把握し、突入をかける。

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トジカタとの戦いはリンホの勝利に終わろうとしていた。そこに割って入ったのはヘイ・ジウのニンジャ、ヴェノモスであった。ニンジャのカラテは非ニンジャの覚悟を踏みにじる。井戸へ吊るされるリンホ。そしてモニコの処刑が始まる。全てが終わろうとしたその時、「Wasshoi！」の叫びが響いた。

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現場に突入してきた赤黒の影はヴェノモスと対峙、アイサツを繰り出す。そして「ニンジャスレイヤー」を名乗った。たちまちハウリンウルフ・ヤクザクランのオヤブン私邸の庭は、互いを殺さんとする二人のニンジャの、凄絶なるカラテ小宇宙バトルフィールドと化したのである。

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（アバーッ！）ヤクザ事務所のショウジ戸を突き破り、下っ端ヤクザがヤクザ机に衝突して跳ね返った。机に足を乗せたまま、ギリは笑い、突入してきたリンホを見た。（昨日の今日で、嬉しいぜ。いい条件だったろ）（うるせえ。時間がねえんだよ）（ハハハハ、藪から棒か？）（アタシに手術、カマせ！）1

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（おいおい慌てンなよ）（慌ててンだよテメー）リンホはギリのヤクザネクタイを掴んで引き寄せる。ギリは笑ったままだ。（何をしろッて？）（あのカス闇医者使って、アップデートかけろ）（ハハッハハハ）ギリは声をあげた。（取引するッてワケ……）KRAASH！リンホはギリに頭突きを食らわせた。 2

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001……0101……記憶断片がグリッチ・ノイズを伴い、リンホの視界に紛れる。苦痛と怒りが乱れ飛び、頭上には黄金立方体が輝く。冷たい黄金の光の下、『イヤーッ！』『イヤーッ！』『イヤーッ！』『イヤーッ！』二つの影は凄まじいカラテ応酬を繰り広げている。離人症めいて、彼女は全てを見下ろす。3

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010010仇001001サイバネアームが彼女の中に枝葉を広げ、仇のロゴを垣間見せる。リンホはその意味を知らない。そして彼女は電子コトダマ空間という概念を、オヒガンという世界を知らない。ニンジャという新たな現実を、これまで知らずに居たのと同じに。力が流れ込み、暴れ、爆発する。意志が燃える。4

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仇不正なアクセスにより権限侵犯が為されています。このIPアドレスはただちに管理者によって仇『ウルッセーヨ！』リンホはニューロンのざわめきを叫びで振り払った。怒り！激しい怒りが右腕を軋ませる。関節が捻じれ、再び機能を取り戻す。リンホは手首の縄を引きちぎり、落下した。　5

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冷たい水に足首が浸かる。井戸底に散乱する骨をバイオズワイガニと共に蹴散らし、リンホは近づいた。父の亡骸に。その傍らに突き立つ、父のカタナに。「待ってろよモニコ」リンホはカタナを掴んだ。「ナメンナヨ……！」　6

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【スクールガール・アサシン・サイバー・マッドネス】#6

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「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーとヴェノモスはワン・インチ距離を保ち、激しい短打応酬を継続する。二者のカラテがぶつかり合うたび、その圧力にモニコとトジカタは怯み、竦んだ。逃げることすらできぬのだ。 7

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腕と腕を鍔迫り合いめいて、二者の凝視が接近する。「コシャク」ヴェノモスは呟いた。「力任せの打撃ばかりでは無いか」然り。ニンジャスレイヤーの小刻みな短打は、対手の打撃を捌き、反撃し、制圧するプロトコルを有していた。ヴェノモスに、もとより油断はない。だがまだ奥の手を有している。　8

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その目に異色の殺意が灯ると、異様なアトモスフィアが溢れ出した。ニンジャスレイヤーは兆しを読み取った。ニューロンの奥底、不定形の荒ぶる魂が身をもたげた。(((マスラダ。注意せよ。この者はコドク・ニンジャクランのドク・ジツを有するニンジャ。その鼓動その血流、悉く有害なる力と化す))) 9

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ヴェノモスの両腕を覆う布が変色していた。一瞬の事だ。「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは強引に押し返し、間合いを取る。彼の両腕には不穏な黒錆色の淀みが既に纏わりついている。黒炎が彼の両腕を伝い、毒を焼き払った。ヴェノモスは鼻を鳴らし、低く腰を落とした。「どこまで凌げるかな」　10

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ヴェノモスは肘先を上に曲げ、手首を鎌めいて構えていた。その指先から、黒錆色の液体が滴り落ちる。(((コドク・ニンジャクランのドク・ジツと、此奴のカラテは……))) 彼の面妖なるカラテは……読者の皆さんの中には、恐るべきドクカマキリについてご存知の方も多かろう。その形意である。 11

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ドクカマキリ即ち毒蟷螂は、大陸の奇石地帯にかつて生息していた恐るべき危険生物である。掌よりも大きい黒錆色のカマキリは、分泌する毒を用いて、積極的にパンダや虎を襲い、狩り殺してきた。時の皇帝はこの害虫を咎め、徹底的な殲滅駆除を行った。生物種は絶えたが、カラテは形意として残った。12

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一方、コドク・ニンジャクランは有毒虫を崇める平安時代のニンジャ集団であり、構成員は背中に邪悪なトーテム刺青を施し、狭い穴に子弟を閉じ込め、一人の有望者が残るまで互いに殺し合わせることで、危険なドク・ジツの糧とした。ドクカマキリのカラテとコドクは恐るべきシナジーを発揮する！　13

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(((マスラダ！此奴の毒は速やかにオヌシの筋組織に滑り込み、五臓を破壊せしめる。血肉もろとも速やかに焼き払うほかなし、だがそれすらも万能薬とはならぬぞ。怯懦なカラテで凌ぎきれるものではないと知れ。攻撃こそ最大の防御也！)))「イヤーッ！」ヴェノモスが動く！ハヤイ！　14

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振り下ろされるヴェノモスの変則チョップ手は邪悪な斧めいて、黒錆色の液体を軌道に撒き散らしながら襲いかかる！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは身を屈めながら地面に手を突き、身体を後ろにねじった。そして回し蹴りを放つ！攻防一体のカラテ、メイアルーアジコンパッソだ！　15

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「グワーッ！」ニンジャスレイヤーの蹴りが顎を捉えた。ヴェノモスは怯み、身をそらす。ニンジャスレイヤーはメイアルーアジコンパッソの回転の勢いから飛び回し蹴りを繰り出す！「イヤーッ！」だが、ナムサン！ヴェノモスののけぞりは攻撃への伏線！後ろに手をつき、蹴り上げる！「イヤーッ！」16

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「グワーッ！」不意を打たれたニンジャスレイヤーは背中で咄嗟に致命部位を庇う。背中から肩にかけ、裂傷が生じた。ヴェノモスのドクカマキリ・ケンは四肢すべてが武器！即ち四つの毒蟷螂斧を用いて相手を制圧する極めて強力なカラテなのだ！風車蹴りから着地したヴェノモスは再接近！　17