法律クラスタが見る『#虎に翼』第1週「女賢しくて牛売り損なう?」

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Y.K @Yu_guitarlaw

なお、かかる要綱を起草したのは他ならぬ重遠であった。重遠はその著書の『親族法』(昭和8年)で、本条は一人格者に恥ずべき保護を与えていること、取引の安全を著しく害することから、廃止すべきであると口を極めて批判している。 pic.twitter.com/MtD5e3uCfR

2024-04-06 22:52:37
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Y.K @Yu_guitarlaw

判例としては、大審院連合部判決昭和9年12月22日が、婚姻解消後の取消権を否定し、民法14条の制限的解釈を施している。

2024-04-06 22:55:27
Y.K @Yu_guitarlaw

寅子と穂高の出会いの場面での、寅子の母の例を引き合いに出しての異論は、大審院が苦心の末民法14条の正当化根拠に対し(大審院判決昭和5年6月10日)、正面から反論するもので、ここのセリフもよく考えられたものだと思う。

2024-04-06 22:58:47
Y.K @Yu_guitarlaw

なお、重遠について補足すると、重遠は民法14条だけでなく、民法典全体に対し、数多いる民法学者の中でも、特に批判的な検討を行っていた。その著書の随所に、民法の規定の合理性を疑う記述が出てくる。 pic.twitter.com/C5ACb6acqb

2024-04-06 23:00:27
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Y.K @Yu_guitarlaw

重遠は、日本の法学の嚆矢であり、民法典起草者の一人である穂積陳重の嫡男だが、そのような民法典への批判的視点を持った重遠を踏まえると、「法窓夜話」の民法関係のエピソードや資料には、単なる資料収集や偉大な父の残した話を伝えるのとはまた違ったニュアンスを読み取り得ると思う。

2024-04-06 23:04:36
Y.K @Yu_guitarlaw

見るる 言ってましたけど……う〜ん、説明聞いても正直、全然納得いかないです。明治の人は、なんでそんな民法作っちゃったんですか? 村上先生 それはですね、明治政府が民法を作るときに参考にした、当時のフランス法やドイツ法に、似たようなことが記載されていたのが大きいと言われています

2024-04-07 12:37:36
Y.K @Yu_guitarlaw

村上先生 実はですね、明治民法は、一度、ボアソナードというフランス人法学者監修のもと、フランス帰りの明治大学の教員たちによって、1891(明治24)年に完成するんです。ところが、この内容が、少し進歩的すぎるというので作り直しに。

2024-04-07 12:41:48
Y.K @Yu_guitarlaw

1898(明治31)年に再度完成したのが、今も伝わっている家制度を基盤にした明治民法です。ですから、「女性は結婚すると夫の家の名字になる」と、定められたのは、このときだったんですよ。

2024-04-07 12:41:56
Y.K @Yu_guitarlaw

妻の行為能力の規定は、旧民法の規定の承継だと富井は書いている(富井政章『民法原論総論』169頁) pic.twitter.com/GDQUyLJuiI

2024-04-07 12:45:43
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Y.K @Yu_guitarlaw

なお、揚げ足を取るような指摘だが、当該規定はフランス法系、さらに厳密に言うとイタリア民法の規定が元ネタであると奥田義人と外岡茂十郎が指摘している(引用ページは外岡『親族法概論』(昭和9年、敬文堂)327頁)。 pic.twitter.com/oEsYglU1cA

2024-04-07 12:50:31
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Y.K @Yu_guitarlaw

三淵嘉子を基準に時代を考えていたが、虎に翼の舞台は昭和6年なんだな。それだと憲法提要(八束)を売ってるのはおかしい。憲法述義は売っていただろうけど憲法撮要(美濃部)全盛期だし。

2024-04-07 23:58:35
古家野 彰平 @shoheikoyanolaw

法制史クラスタの解説キター! x.com/Yu_guitarlaw/s…

2024-04-11 09:56:23
Y.K @Yu_guitarlaw

#虎と翼 猪爪寅子(三淵嘉子)と穂高重親(穂積重遠)との出会いの場面で、寅子に法律を志す衝撃を与えた民法14条等は、当時(昭和9-10年頃)でも、もはや民法学・実務からその妥当性について多くの疑義が投げかけられ、立法論としては廃止が主張され、実務としては制限的な解釈が施されていた。

2024-04-06 22:51:22

関連書籍情報

日本評論社 @nippyo

今春の朝ドラは #虎に翼 🐯 そして主人公のモデルは日本初の女性弁護士の #三淵嘉子 さん。 この三淵さんについて、この度NHK解説委員・清永聡が編著で📙『三淵嘉子と家庭裁判所』を出版しました! 虎に翼の取材担当でもある清永が、長年続けてきた確かな取材から彼女の人生をわかりやすく綴ります。 pic.twitter.com/27y8dOkvO3

2024-04-01 07:30:00
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日本評論社 法律編集部 @nippyo_law

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2024-04-01 08:30:00
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日本評論社 法律編集部 @nippyo_law

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2024-04-12 12:29:59
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リンク nippyo.co.jp 三淵嘉子と家庭裁判所|日本評論社 三淵嘉子と家庭裁判所清永聡氏。日本評論社は1918年創業。法律時報、法学セミナー、数学セミナー、経済セミナー、こころの科学、そだちの科学、統合失調症のひろば、など評価の高い雑誌を定期刊行しています。
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リンク nippyo.co.jp 家庭裁判所物語|日本評論社 家庭裁判所物語。清永聡氏。日本評論社は1918年創業。法律時報、法学セミナー、数学セミナー、経済セミナー、こころの科学、そだちの科学、統合失調症のひろば、など評価の高い雑誌を定期刊行しています。
Web日本評論 編集部 @Nippyo_Dj

📕Web日本評論 本日公開記事📕 知りたい。日本初の女性法律家たちの人生……(三輪記子) 佐賀千惠美『三淵嘉子・中田正子・久米愛 日本初の女性法律家たち』 タレント、ユーチューバーとしても活躍する弁護士、三輪記子さんの書評です! 👇記事はこちら web-nippyo.jp/35917/ 詳細はリプ欄へ👇 pic.twitter.com/NELSbawda9

2024-04-01 10:59:30
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日本評論社 法律編集部 @nippyo_law

【Webコンテンツ掲載情報】 「Web日本評論」で、三輪記子弁護士による、佐賀千惠美著『三淵嘉子・中田正子・久米愛 日本初の女性法律家たち』の書評が公開されました! NHK連続テレビ小説「虎に翼」ヒロイン・猪爪寅子が生きた時代の女性の権利についても分かる1冊です📚 詳細は引用元ポストから👇

2024-04-01 10:24:19
日本評論社 法律編集部 @nippyo_law

記事はこちらからお読みいただけます👇 web-nippyo.jp/35917/ また、本書の「はじめに」と内容の一部も、下記から立ち読みできます👇 web-nippyo.jp/34846/

2024-04-01 11:11:39
三輪記子 @bi_miwa

弁護士の三輪記子(ミワフサコ)です!(2017年秋より第一東京弁護士会所属)日々のぼやき,つぶやきを発信します。 仕事のことより,仕事の道中のことが多いかな。 よろしくお願いします!!一太郎派★ youtube.com/channel/UCnPXD…

miwafusako.com

三輪記子 @bi_miwa

『虎に翼』放送開始…! ドラマも楽しく見つつこちらの本もぜひ是非多くの方に読まれてほしいです! 先人達の努力や情熱に涙しました。 そして戦争は「日本の女性法曹」にどんな影響を与えたのか…考え込みました。 先人達は「女に法律の勉強は向かない」 と言われても学ぶことをやめなかった。 x.com/nippyo_dj/stat…

2024-04-01 11:08:26
Kenji Takeuchi @KPf_M

「虎に翼」で『三淵嘉子と家庭裁判所』に行き着いた方(特に学生さん)は、是非『家庭裁判所物語』へと進まれた上で『戦犯を救え』、『気骨の判決』まで辿って行ってもらいたいです。清永聡さんの一連の作品を読めば、物事を調べるとは、また書くとはどういうことなのかを知ることができます。

2024-04-01 16:41:58
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