創作:ユキノウタシリーズ

真春前提・レン+雪歌(3歳くらい)小噺。出会ったのは、過去か、それとも未来か。※ユキノウタシリーズ…真春前提のマサ←レン+真春の娘・雪歌の話。※聖川雪歌(ヒジリカワ セツカ)…真斗と春歌の娘。外見・中身共に父親とそっくり。しかしレン曰く声と眼差しは母親似。年齢は小噺によって様々。
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ワトは歩く城 @watokadu

【ユキノウタ・レン+雪歌】そこに居たのは初恋の相手の、初めて会ったときの幼い姿だった。ただ違うのは、あいつより髪が長く、そして可愛らしいドレスを着ていた事だ。「驚いたな…」思わず漏れた本音はいつものように着飾る余裕すらなく口から飛び出し、それは目の前の少女にまで届いた。→

2011-12-30 02:01:27
ワトは歩く城 @watokadu

→澄んだ大きな瞳は、あの頃のあいつのようにオレをただただまっすぐと見つめてくる。「どなた?」大人びた様子を含むたどたどしい口調はいとも簡単に古い記憶を呼び起こす。そう、あのときもこんな煌びやかなパーティーの場だった。シャンデリアの明かりがあいつの、目の前の少女の、漆黒の髪に→

2011-12-30 02:01:42
ワトは歩く城 @watokadu

→光のリングを作っていた。オレは無意識にしゃがみ込んで小さな彼女と視線を合わせる。「…オレは神宮寺レン。君の父親の実家である聖川財閥とはライバル関係にある神宮寺財閥の人間だよ、リトルレディ」蘇る過去を唇がなぞる。少女はきょとんと首を傾げた。「それがどうかなさったの?」→

2011-12-30 02:01:58
ワトは歩く城 @watokadu

→無垢な双眸に映った自分の顔がひどく歪んでいた事に気がついたのはそれからずっと後の事。ただそのときは、もしあいつがこんな少女だったならオレ達の関係も違っていただろうかと、少女の小さな手を取りながら、そんな非現実的な願望を遠いところで考えていた。

2011-12-30 02:02:27