台北の国立台湾博物館に展示されている「日本帝国人種模型」

「帝国の学者たちによって「発見」された島の動植物や諸民族を「展示」するということが、どのような意味を持っていたか」
32
副主席 @SEI__jou

台北の国立台湾博物館(旧・台湾総督府博物館)に展示されている「日本帝国人種模型」 台湾人や朝鮮人、アイヌや樺太の先住民であるオロッコ、ニブフなどの精巧な博多人形。大日本帝国では人類学者の監修のもとにこうした人形が多くつくられ、学校教育などに用いられてきたのだという。 pic.twitter.com/YcmXh1SJfq

2024-05-18 20:22:14
拡大
拡大
拡大
副主席 @SEI__jou

大日本帝国によってブヌンやアミといった形で「分類」された「蕃人」(台湾原住民族)の博多人形。 博多人形は退色しにくいこと、造形が生き生きとしていることなどから学校の教材としてだけでなく、万国博覧会や博物館の展示においても重宝されたのだという。 pic.twitter.com/KaXaaEVc1Z

2024-05-18 20:29:55
拡大
拡大
拡大
副主席 @SEI__jou

多民族帝国だった戦前日本において、諸民族を「分類」して人形にし、教材にしたり博物館で「展示」したりということは、言うまでもなく生身の人間を博覧会で展示した人類館事件や、先住民族の墓地から遺骨を「資料」として盗掘する、という行為と結びついていた。 pic.twitter.com/pq0oPr2cB8

2024-05-18 20:38:17
拡大
副主席 @SEI__jou

民族だけでなく、動植物や鉱物などあらゆるものが帝国の学者たちによって「発見」「分類」され、総督府博物館で「展示」された。 そのうちのひとり、台湾原住民族の「分類」をはじめた岩手県遠野出身の人類学者・伊能嘉矩についての展示。 pic.twitter.com/eez4FssSLl

2024-05-18 20:42:57
拡大
拡大
副主席 @SEI__jou

「児玉総督後藤民政長官記念館」として1908年に開設され、台湾総督府博物館、台湾省立博物館と複雑な歴史を辿ってきた国立台湾博物館。 入るやいなや、あまりに荘厳なホールに圧倒される。ここがどのような場として建てられたか、近代日本にとってミュージアムとは何かをあまりに雄弁に物語る。 pic.twitter.com/JAArNTyBuI

2024-05-18 20:48:49
拡大
副主席 @SEI__jou

かつて大ホールに鎮座していた児玉源太郎総督・後藤新平民政長官の銅像が、別の部屋に展示されている。 彼らが睥睨する博物館で、帝国の学者たちによって「発見」された島の動植物や諸民族を「展示」するということが、どのような意味を持っていたか。 pic.twitter.com/FeHohBfX1L

2024-05-18 20:53:56
拡大
拡大
副主席 @SEI__jou

国立台湾博物館、旧外地にあるせいで「近代日本にとって博物館とは何か」をあまりにあからさまに感じられるところがあり、凄かった。日本人として行っておいて損はないと思います。 x.com/sei__jou/statu… pic.twitter.com/RBnRghEToV

2024-05-18 20:59:54
副主席 @SEI__jou

近代日本は幕末明治に衰えたお寺の境内や昔のお城の中なんかに荘厳な西洋建築を建てまくり、それを役所や博物館にしてきた訳ですね。 その意味で寛永寺旧境内に建てられた博物館の延長線上に、景福宮の中に建てられた朝鮮総督府/総督府博物館や、旧台北城内の台湾総督府/博物館があったともいえる。 x.com/turuga7000/sta…

2024-05-18 09:25:38
拡大
阿明 @KURAMOTOTOMOAKI

博多人形の足元には森丙牛の文字が見える。森丙牛は「台湾蕃通」と呼ばれた人類学者森丑之助で、台湾の山地を踏破して膨大な学術資料を残したことでも知られる。瀟湘神の散文集『殖民地之旅』に収録された小説「奇談」はこの博多人形について語られている。邦訳は『植民地文化研究』第21号に収録。 x.com/sei__jou/statu…

2024-05-18 21:03:29
台湾ZINE【公式】 @funtaiwanzine

@SEI__jou 天井のステンドグラスには児玉家と後藤家の家紋デザインが入っているそうです。

2024-05-18 21:41:27
副主席 @SEI__jou

@funtaiwanzine 団扇と藤、ですよね(係員の方に教えてもらいました) pic.twitter.com/wJ5i5HKNmJ

2024-05-18 21:58:15
拡大