東晋平さんの「脱原発か否かについて」

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

【脱１】「脱原発か否か」についてブログに書こうと思ったけど、取材が続いていて時間もないので、ちょっと連投しておきます。

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

【脱２】「脱原発か否か」の議論が、〇〇シーベルトという放射線量が有害か無害かの論争や、原子力に替わる自然エネルギーが有効か妄想かを言い争うレベルに落とし込まれていることは、まったく不毛なことだと思う。

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【脱３】いろいろな理由を挙げて「原発は今後も必要である」と主張するならば、電力の巨大消費地である大都市に原発を造ればよい。東京のお台場とか大阪の南港に遠慮なく原発を造ればよいと思う。しかし、それは絶対にあり得ない。原発には人命にかかわる巨大なリスクがあるからだ。

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【脱４】菅首相の指示を受け、近藤駿介・原子力委員長が作成して昨年３月２５日に政府に提出されていた報告書は、福島第一でさらに水素爆発が続いて注水作業ができなくなるなど最悪のシナリオになった場合、半径１７０キロ圏内が強制移住、２５０キロ圏でも避難が必要になることが記されていた。

東 晋平 ／『蓮の暗号』発売中 @shinpei23

【脱５】とてつもない規模で長期にわたって生命にかかわる重大な被害が発生し得るという点で、下水処理場とかゴミ焼却場の建設反対とかいう話とは本質的に違う。だから、お台場の対岸の大井に東電の火力発電所はあるが、そこに原発が建てられることはあり得ない。

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【脱６】経済的・政治的に優位な立場にある都市の人々が、自分たちの生命を脅かすものとして受け容れ難いと考えているものを、経済的・政治的に弱い立場の人々に受け容れさせるということそのものが、私は許されないことだと思う。科学的にではなくモラルとしてアウトなのだ。

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【脱７】あわせて、原発は核抑止力（核兵器製造能力を維持する）として各国で認識されていることも忘れるべきではない。莫大なコストを投じてでも原発を欲しがる理由はそこにある。核廃絶という視点からも原発の是非はきちんと論じられなければならないと思う。

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【脱８】少なくとも私にとっては「脱原発か否か」ではなく、今や脱原発は疑う余地のないものである。「脱原発か否か」で感情的な論争をすることには何の生産性もない。「原発のない世界をどう作っていくか」で英知を結集しなければならない。脱原発は人間のモラルの問題なのである。（止）