現代詩/ラップ/サイファー その可能性
それは新聞の日曜欄に短歌や俳句を投稿することを楽しみにしている人々と似ています。アマチュアでありながらも、歌を詠むことを楽しむ人々。そうした人々をどれだけ増やせるかがこうした文化を維持し、再生産していきつつ、新しい表現が生まれてくる震源地を確保するために大切なことだと思います。
2010-05-27 22:10:03しかし、そうした層を増やすことが、新しい表現の震源地を確保することにいかにしてつながるのか。それを考えるには、フリースタイルというかサイファー、路上詩の面白さに迫る必要があります。僕が考えるに、それは「感染」ならびに「活性化」の2つだと思います。
2010-05-27 22:14:14各人の単語の倉庫から雑駁に選び出された単語の羅列が、文を作り、韻律をならすとき、あるいは、各人のリズムがそこにうまれるとき、そうした言葉とリズムはの場にいる誰かに感染し、単語倉庫を活性化する。言葉とリズムが感染し、人を詩人にする。
2010-05-27 22:16:41もちろん、これだけでは「誰もが詩人になれる」という以上のことではない。佐藤さんのイベントの面白さは、ラッパー/詩人/俳人/パフォーマーといった様々なリズムで言葉を営む人々が集合している部分にあると思います。異なるリズムの間で単語と単語が交歓される場としてのサイファー。
2010-05-27 22:19:02ここには面白い現象があります。言葉がリズムを紡いで発せられ、それに感染して「詩人になる」人々があらわれ、再度、言葉がリズムを伴って生み出される。この現象の主役は、言葉とリズムであり、人々はイタコのように、霊媒のように、言葉とリズムに乗っ取られ、詩人になる瞬間をまっている。
2010-05-27 22:23:35だが、実はそんなに夢想的な場でもなくて、現実的には、違う単語の倉庫をもち、違う文化背景をもった人々が、それぞれ手探りで戦いあうような空間なのでしょう。前回行ってないので、妄想ですが。言葉とリズムへの愛着があるかぎり、その場では詩人を目指すものどうしが愛好家の群をなす。
2010-05-27 22:27:51以前、フリスタで6宇宙にいわれたこと。「アツさと自分の言葉への自信をわすれるな」。やってきた言葉とリズムに、感染して吐き出した言葉が、また誰かに感染し、その人の言葉を活性化していくこと。サイファーはただ詩人を作り出すだけではなく、自分の言葉への自信を取り戻す運動だと僕は思います。
2010-05-27 22:32:53その意味で、「詩人」とは、狭義にはこれまでの表現形式を押さえている人々であり、かつ詩を創っている人々のことですが、広義には、言葉というものにのせられた熱に呼応して、自身を駆動して表現を行う人々のことなのだと僕は思います。もちろん、文脈に応じて、外延は異なりますが。押忍。
2010-05-27 22:39:50究極的には言葉だけを存在証明にしている人々かな、詩人て。なんか一般的すぎて、何ものべてない気がするけど。こう呟くと生き様こそが詩人の条件とか誤解を招きそうだけど。
2010-05-27 22:48:48たとえば、SCARSがすごいのは、別に生き様じゃなくて、現行のヒップホップを直輸入して、新しい文体を一挙に複数作り出したことにある。それこそ、明治初期の人々みたいな翻訳を媒介にした新鮮さ。その新鮮さが人々を駆動させた。
2010-05-27 22:51:47そうした新鮮さは、日常会話とは違うリズムで言葉を操る人々に対する驚きでもあって、そう考えると、やはりサイファーの面白さというのは、様々なリズムにあわせて自分をチューニングして、言葉をはき出すことで日常会話を異化する点にあるのかもしれないな。日常会話のリズムを異化する人=詩人。
2010-05-27 23:02:42うーん、ぐだぐだだしまとまらない。とりま、フリスタは楽しいし、サイファーはなおのこと楽しいので、機会があれば、ぜひにぜひに。では、乙した。
2010-05-27 23:04:40