#twnovel まとめ(2012/1/29-2/3)

@zeniqui が書き散らした #twnovel のまとめです。
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銭喰 @zeniqui

#twnovel 川上から流れてきた大きな桃をおじいさんが鉈で割ると、桃の中には赤ん坊が入っていた。おじいさんは中に男の子が居ることに気づくと取り上げて、我が子として育てることにした。男の子は入っていたモノにちなんで『赤太郎』と名付けられた。

2012-01-29 01:21:22
銭喰 @zeniqui

電車の迷惑な悪漢を老婆がスマートに撃退する #twnovel を書いたが、オチがありきたりで誰もRTやふぁぼることはなかった。しばらくして全く同じ話をタグなしで投稿すると、多くのRTを貰うことができた。

2012-01-29 09:57:41
銭喰 @zeniqui

#twnovel 板塀の前で顔を覆い息を荒立てる男がいたので、声を掛けた。「どうしたのですか?」男が無言で板塀の節穴を指すので覗き込むと、針が出てきて目を突き刺した。「ぐあっ」痛みにのたうち回るうち、いつの間にか男はいなくなり息を荒立て顔を覆う自分がいた。「どうしたのですか?」

2012-01-30 07:21:05
銭喰 @zeniqui

#twnovel ある冬の日、近所のおじさんが総白髪になっていた。「これはね、冬毛だよ」おじさんが切迫した家計を助けるため白髪染めを止めたことを僕は知っていたが、話を合わせた。「じゃあ春には戻るんですか?」「暖かくなるとねぇ、毛は抜けるんだ」「じ、じゃあまた涼しくなれば…」「…」

2012-01-30 08:07:38
銭喰 @zeniqui

#twnovel 先に寝てしまった君の小指に、赤い糸を巻き付ける。反対側には私の小指。目が覚めた君はどういう反応をするだろうか。…翌朝。目が覚めると赤い糸はほどかれぐしゃぐしゃに捨てられて、君の小指は他の指とともに私の手を包み込んでいた。

2012-01-31 07:13:05
銭喰 @zeniqui

#twnovel 「この辺の看板はどうも見映えがわるいねえ」にやけた男に言われ辺りを見回すと、確かに狭い道路に左右一対看板が立ち並び息苦しい。「あっしに任せな」男がそういった翌日、対の看板は減り見映えがよくなった。「どうだい?」男がニァ、と笑う。対の看板減るニァ。椎間板ヘルニア。

2012-01-31 07:21:57
銭喰 @zeniqui

#twnovel 後輩が手料理をご馳走してくれるというのでホイホイついていくと、まるでお店で注文したような料理が出てきた。「料理巧いんだね」「これスーパーのお総菜ですよ?」「え」「はい、あーん」戸惑う私の口に、後輩は手ずから料理を運んだ。手料理ってそういう意味じゃないんだけどなあ

2012-02-01 07:20:30
銭喰 @zeniqui

#twnovel 破産し、発狂し、死んだという。事の前後はあれど私の聞いたN氏の顛末はおおよそそうだった。T氏K氏もそうだ。私が、狐目の少女が出ていく姿を目撃した家はそうなった。その狐目の少女が、今は私の隣にいる。「君は貧乏神か稲荷か、はたまた座敷童か」少女は、コックリと頷いた。

2012-02-01 07:34:49
銭喰 @zeniqui

#twnovel 頭の中には自分と同じ考えを飾っておく戸棚と、自分と異なった考えを押し込めておくクローゼットと、取るに足らない考えを捨てるゴミ箱がある。クローゼットの整理が行き届いていて、ゴミ箱の中身はちゃんと分別されてマメに掃除されている方が、頭の中も外も良いに決まっている。

2012-02-02 00:12:40
銭喰 @zeniqui

#twnovel あのコがツインテールになったとき、僕はあのコがとても遠くに行ってしまったと感じた。ふりふり動く毛先は、けして僕を呼んでるわけじゃない。そう気づいてしまったから。今夜君は、あの家に忍ぶのだろうか。…よそう。僕は頭を振った。ネコマタと猫は、もう違う生き方しかできない

2012-02-02 07:16:44
銭喰 @zeniqui

#twnovel バラ撒かれた豆が畳を逃げ惑う小鬼を容赦なく襲った。あるものは顔の半分が熔け、あるものは蓮根の如く穴だらけとなり倒れ伏す。嵐が過ぎ去ると、鬼だった者達の下から一匹の子鬼が這い出した。子鬼は虚ろな目で虚空を睨む。…この怨念を退けるため、人は来年も豆を撒かねばならない

2012-02-02 18:25:19
銭喰 @zeniqui

#twnovel 「二月三日はニーサンの日だからお主に譲ろう」「何を言いますか、ジーサンの日ですよ」私達が不毛な譲り合いをしていると、卓袱台が強か叩かれた。「もうよいッ! 貴様ら二人とも着替えいッッッ!」五歳の妹が寅縞のパンツと赤い油性ペンを突きつけるにいたり、私達は遂に観念した

2012-02-03 07:13:39