高校時代にZ会のコラムで学んだ「雪国」読解

1月初めにTweetしたものですが、今でも時々ファボって頂いているようですので、サルベージを兼ねて纏めておきます。尚、迷惑がかかるかもと思い、自分以外のTweetは含めてません m(_ _)m
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Nagata Harunori/永田晴紀 @nagataharunori

高校生の頃の国語の勉強といえば、Z会のコラムで、川端康成の「雪国」から数頁を抜出し、「主人公が駒子とエッチしたのはどの行の前か?」という設問に萌えた(正解は「駒子は畳に落ちた髪を拾った」の前)

2012-01-09 20:51:05

(注)ここ、正しくは、
  それから温かく潤んだ目を開くと、
  「ほんとうに明日帰りなさいね。」と、静かに言って、
  髪の毛を拾った。
の前、です。

Nagata Harunori/永田晴紀 @nagataharunori

他にも設問は有って、「物狂わしさに体のことも忘れてしまった。」の体のこと、とは何か?というのも有りました(正解は生理) @shirakiya

2012-01-09 20:53:52

(注)
  「あんた、そんなこと言うのがいけないのよ。
  起きなさい。起きなさいってば。」と口走りつつ
  自分が倒れて、物狂わしさに体のことも忘れてしまった。

  それから温かく潤んだ目を開くと、
  「ほんとうに明日帰りなさいね。」と、静かに言って、
  髪の毛を拾った。

この行間に、1~2時間が経過してるわけですね。まあ、つまり、髪の毛を拾うだけじゃ済まなかったのでは、という状況が行間から読めるわけです。高校生には無理だけど。

Nagata Harunori/永田晴紀 @nagataharunori

高校生に読み解けるわけもなく、解説文に感心するのみでした。ここで引用されてる辺りですね。http://t.co/VdcCgx9M 「ううん、難儀なの。」「なあんだ、そんなこと。ちっともかまやしない。」辺りが伏線 @takkya

2012-01-09 21:27:02

(注)他にも伏線は有って、
  と、島村は笑い出して、「どうもしやしないよ。」
  「いや。」
  「それに馬鹿だね、あんな乱暴に歩いて。」
辺りも生理を意味する伏線。言われてみればそうとしか読めない(っていうか、明らかにそれを意味して書いてる)のだけど、高校生にこれを読み解けとか無理ですから。

Nagata Harunori/永田晴紀 @nagataharunori

昨夜の「雪国」のツィートで、フォロワーが数名減りました。残った1215名はこういう艶っぽい話を許容頂ける方々と勝手に解釈して、もう少し続けます。Z会の会誌にこの記事が掲載されたのは、1984年前後のことと思います。連載記事の中の1トピックとして「雪国」が取り上げられた記憶です。

2012-01-10 12:30:05
Nagata Harunori/永田晴紀 @nagataharunori

最初のTweetはうろ覚えで書きましたが、確認すると、「それから温かく潤んだ目を開くと、 「ほんとうに明日帰りなさいね」と、静かに言って、髪の毛を拾った。 」 の前、が正解でした。「この文とその前の文の間は時間が飛んでると、正しく読み取れましたか?」というような解説でした。

2012-01-10 12:34:18
Nagata Harunori/永田晴紀 @nagataharunori

この記事によると、「雪国」の冒頭が「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」となったのは、書き出しで綺麗な印象を植え付けることで小説の卑猥さを和らげ、検閲を逃れるための小説技術だったのだそうです。初版では違う出だしでした。その結果、伏字満載になったそうです。

2012-01-10 12:37:02
Nagata Harunori/永田晴紀 @nagataharunori

例えば、「島村は退屈まぎれに左手の人差指をいろいろに動かして眺めては、結局この指だけが、これから会いに行く女をなまなましく覚えている」の「人差指」が伏字。伏字の方が淫靡な気がするけど。これに頭を抱えた川端康成は、小説技法を駆使して伏字の撲滅に乗り出します。

2012-01-10 12:38:43
Nagata Harunori/永田晴紀 @nagataharunori

冒頭を美しい書き出しに改めたのもその一つ。これが功を奏してか、改訂版では「人差指」から伏字が外されたそうです。全編を通してこの調子で、厳しい検閲を掻い潜っていかに艶っぽい物語を紡ぐか、に小説技法の心血を注いで出来上がったのが、あの小説なのだそうです。

2012-01-10 12:40:46
Nagata Harunori/永田晴紀 @nagataharunori

もし、当時の検閲があれほど堅苦しいものでなければ、雪国はあそこまで美しい小説にはなってなかっただろう、というのが、その記事の趣旨だったように記憶しています。失楽園のような作品になってたんでしょうか。もう30年近く前に読んだ記事のうろ覚えですので、記憶違い等はご容赦ください。

2012-01-10 12:43:40
Nagata Harunori/永田晴紀 @nagataharunori

その記事を読んで以来、「難儀」という言葉がどうしても艶っぽい言葉に聞こえてしまい、それこそ難儀したものです。

2012-01-10 12:44:37
Nagata Harunori/永田晴紀 @nagataharunori

またフォロワーが一人減りました(笑)

2012-01-10 12:46:53