人類の最前線

笹本祐一先生のtweetが面白かったのでまとめました。 関係ないけどモーレツ宇宙海賊面白いです。
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笹本祐一 @sasamotoU1

あれは、記録確認したら2005年の11月だからもう7年前!?そう、はやぶさがイトカワに到着、着陸ミッションを行うってんで相模原の宇宙研に通ってた頃の話。相手はたかだか差し渡し500メートルの石っころ、小惑星ったってそんなに期待はしてなかった。

2012-02-06 13:10:42
笹本祐一 @sasamotoU1

はやぶさミッションについては、主に技術的な興味が先にあったのだが、しかし実際に宇宙研の現場を取材してみるとこの先入観は簡単にぶっ飛ばされる。たかだか500メートルの小惑星だが、文字通りの人類未到の地、それが遠くから見えてきて、日々接近するにつれて細部が解ってくる。

2012-02-06 13:12:06
笹本祐一 @sasamotoU1

当初予想されていないラッコに模されたその姿、色、構造、成り立ちやらなにやら、宇宙研にはその方面の専門家もいるんで説明してもらいながら驚嘆した。たしかその様子をはやぶさブログやL/Dで読んでいた林譲治の台詞「小惑星というものがこんなにも表情豊かだったとは」

2012-02-06 13:13:46
笹本祐一 @sasamotoU1

その時の様子は、宇宙へのパスポート3http://t.co/vdySCBHOにも詳細に記述してあるが、その中にもある松浦の台詞。「うらやましいなあ、JPLの奴ら、60年代からこんなことやってたんだぜ」

2012-02-06 13:16:29
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笹本祐一 @sasamotoU1

たかだか小惑星でこんなにおもしろいんだから、相手が火星や金星、木星だったりしたらそりゃあずんと面白いだろうなあと思ったのを、やっと再放送のコズミック・フロント、木星編見て思い出した。冒頭に出てくるパイオニアが撮影した木星の画像。

2012-02-06 13:17:35
笹本祐一 @sasamotoU1

「磁気圏の観測がメインで、画像は撮れたら儲けものくらいな感じでした」という台詞と共に映し出されるパイオニアが送ってきた画像の数々。見た見た、新聞の一面で見た。パイオニア10号の木星接近は1973年暮れ。40年近くも前の木星の画像を見て、JPLに嫉妬したね。

2012-02-06 13:21:28
笹本祐一 @sasamotoU1

誰もまだ見たことがない地を初めて見ることが出来るってのは、それだけでも偉大な知的興奮である。そのための訓練を積んだ専門家が一緒なら、画像を見て驚くだけじゃなくて様々な知見も得られる。ちっぽけな小惑星相手でもあれだけ面白かったんだ、木星相手ならさぞかし、と思う。

2012-02-06 13:23:24
笹本祐一 @sasamotoU1

木星の写真一枚から山のような知見と、そしてその数十倍の謎が同時に提出され、おそらくオペレーションセンターから付属の研究室から、そして記者だけじゃなくてSF作家もいたというプレスセンターでも議論が起きてたに違いない。たぶん、それが未踏の地に乗り出していく人類の最前線だったんだろう。

2012-02-06 13:25:15
笹本祐一 @sasamotoU1

2005年11月の相模原の宇宙研は、あの時未踏の大地を目指す地球人類の最前線だった。あかつきが予定通りに金星に到達すれば、また新しい見たことがない風景を見せてくれるんだと思う。はやぶさで、日本はそうした最前線に乗り出していく力があることが証明された。

2012-02-06 13:27:34
笹本祐一 @sasamotoU1

現在、日本が惑星間空間で運用している探査機は「あかつき」と「イカロス」の二つだけ。ところが、アメリカが現在運用している地球圏外の探査機は20機以上、去年のJPLではDSNで管制している探査機は40機以上という話だった。

2012-02-06 13:30:18
笹本祐一 @sasamotoU1

んな現実見せられると「日本の宇宙探査技術は世界一いいい」なんて、そうありたいとは思っても言えません。やっぱり数は正義ですよ、兄貴。日本でもアメリカ並みになんてこといったってまず人数が足りないから無理なの解ってるけれど、それでももっと色んな探査機いっぱい飛ばして欲しいと思う。

2012-02-06 13:32:29
笹本祐一 @sasamotoU1

計画はいっぱいあるんだけどねえ、まず予算不足でねえ。だいたい、惑星間に探査機飛ばしても自前で24時間運用出来るネットワークすら持っていないのがはやぶさ帰還後の日本なんだから。着陸ミッションの時も、「とにかく自分の都合で使える中継局が欲しい」「チリにあるとすごく楽」って聞いたし。

2012-02-06 13:34:50
笹本祐一 @sasamotoU1

はやぶさ着陸のときの現地取材ったら楽しかったよ。一瞬で終わるロケット打ち上げと違って、何日も続く上に毎回違う知見があり、イベントがあり、報告があり、説明がある。ああいうのが毎年あるようなJPLってのは、そら日本より激しい予算獲得競争やなにやらあるって聞いても良いと思うわ。

2012-02-06 13:37:16
笹本祐一 @sasamotoU1

順調にいけば、イトカワ着陸十周年くらいにはまたああいう取材が出来るんだろうか。ああ、でも三年に一回くらいないと、人も技術も持続出来ないよなあ。まあ外野が愚痴るまでもなく中の人たちはこっちに増してやりたがってるんだろうけど。

2012-02-06 13:39:21
笹本祐一 @sasamotoU1

はやぶさ2は、前回みたいな波瀾万丈なミッションじゃなくなるといいですな。波瀾万丈なミッションて、スタッフに負担かかるから傍で見てて気の毒なんだ。予定通りに飛んでいる時でさえ、はやぶさの飛行は運用スタッフ自らが「自分の羽根を抜いて機を織るような」というような管制だった。

2012-02-06 13:41:07
笹本祐一 @sasamotoU1

人増やして、あと地球の反対側にもうひとつ中継局作るだけでも、かなり順調な運用が出来るようになるはずなんだけどなあ。まあ、楽になったらなったで「じゃああれも」「これも」って自分から苦労のネタを増やしていくのが我が誇るべき宇宙開発関係者なんだけど。

2012-02-06 13:42:38