茂木健一郎さん連続ツイート 【「ナッシング・パーソナル」】

茂木健一郎(@kenichiromogi)さん連続ツイート
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茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 本日は、さっきコンビニに歩きながら考えていたことについて!

2012-02-06 07:27:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

なぱ(1)こんなことを言うとかっこつけているようだが、私の怒りは多くが義憤であり、私憤はあまりない。「世の中がこうあるべき」なのに「そうなっていない」というのが爆発の大元であって、自分自身がバカにされたり、ないがしろにされたりという場合は、むしろ悲しくなってしまう。

2012-02-06 07:28:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

なぱ(2)でも、世の中には私憤で生きている人もいて、おじさん関係にそういう人が多い。そういう人がいると、私は酒場だったらにじにじと横に行って距離を置き、ぱっとドアを開けて後ろを振り返らずに逃げていく。あるいは、そよ風のようにニコニコしていて悟られない。

2012-02-06 07:30:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

なぱ(3)自分自身が嬉しかったり得することは、それはあった方がいいけれども、それよりも世の中の矛盾や不条理の方が気になる。これはどうも子どもの頃からの性格のようなものであって、その意味では、「世渡り」という意味においては、随分損をしているように思う。

2012-02-06 07:31:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

なぱ(4)あくまで義憤であって私憤ではない、という点に加えて、もう一つ大切にしていることがある。それは、私の怒りの対象は制度やシステムであって、決して生身の人間ではないということ。これもかっこつけているようだが、実際そうであって、譲れない一線だと思っている。

2012-02-06 07:33:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

なぱ(5)たとえば、私は記者クラブを批判するけれども、それは制度やシステムとしての記者クラブであって、そこで実際に働いている記者さんたちにはむしろ温かい気持ちを持つと思う。それぞれ生活があり、人生がある。生きること自体は肯定するのであって、それが人間どうしだから。

2012-02-06 07:34:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

なぱ(6)東京大学の入試のあり方が問題だ、国際化していないと批判はしても、一人ひとりの先生方を否定しているのではない。東大には大切な友人がたくさんいるし、母校でもある。批判は、あくまで、システム、制度に向かっているのだ。

2012-02-06 07:35:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

なぱ(7)英語で、Nothing Personalという言い方がある。よく、議論が紛糾して、みんながきりきりし始めたときに、誰かがNothing Personalと言う。ナッシング・パーソナル。この精神を貫くことが大切だと思う。そうでないと、単なる私憤合戦、肉弾戦になってしまう。

2012-02-06 07:36:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

なぱ(8)改革に必要なのは、Nothing Personalの精神ではないか。坂本龍馬だって、別に江戸幕府の人たちが憎くて走り回っていたわけではない。あくまでも、新しい日本へ向けての「オペレーティング・システム」の書き換えを図っていたのだ。個人の問題にしてはいけない。

2012-02-06 07:38:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

なぱ(9)今の日本を見ていて気になるのは、異を唱えるにしても、システムを変えようとするにしても、Nothing Personalどころか、むしろ個人攻撃や、敵対心が見えることだろう。それじゃあ、いい結果にはならない。何よりも、私事や私憤に囚われている人は、端から見て美しくない。

2012-02-06 07:39:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「ナッシング・パーソナル」の連続ツイートでした。

2012-02-06 07:39:57