20120209 #BS1 「原発労働現場 異常なし？」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「原発労働現場 異状なし？」（ベルギー・フランス、2009年）2006年、スウェーデン。フォルスマルク原発でメルトダウン一歩手前の事態に。チェルノブイリ事故以降、原子力開発競争は低下。しかし10年経つとエネルギー自給が叫ばれ、ヨーロッパは再び原発建設へ。

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 世界の原子炉の数はおよそ440基。その半数がヨーロッパに。中でも58基あるフランスは、原子力産業の牽引役。大勢の若者が建設に参加。一方で激しい抗議も。勝利したのは原発推進派。経済的に取り残されていた地域が黄金郷に変わっていった。原発は「天からの贈り物」に。

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 原発労働者たち「あの頃はすべてが順調だった。充実していた」「あのフェンスは、この中の悲惨な様子を人に見せないためだったんだ」放射線と同じように、原発労働者たちは見えない存在。運転時はおよそ900人くらいが働く。修理や燃料交換の際は1000人以上が必要。

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 原子炉運転が停止したときにメンテナンスを行う。今は下請けの労働者が多い。会社の人間がやってきた仕事を、安く働く下請けが行う。数カ月で専門的な技量は身につかない。経営陣は、労働組合が求めても下請け労働者の情報を公開しようとしない。

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「ここではあのような事故は起こりえない。だからといって、重大な事故がおこる確率はないわけじゃない。10万年に1回だが、それが来たらどうするか」「電力大手のスエズ社が株主になってからは、効率主義になってしまった。ある程度のリスクも織り込んでいくように」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 フォルスマルク原発の内部の様子を書いた内部報告書。経営陣による現場への圧力が。事故が起きても原子炉の停止を許さなかった。「民営になってから、仕事の質より量に重きをおくようになった」「エネルギーは今では金儲けのために作られている」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「メンテナンスに数日から数週間しかかけなくなった。検査期間も大幅に短縮されている。下請け業者のなかでも、下に行けば行くほど危険な作業をするが、その人達ほど現場の作業に危険を感じている」作業員の10人に4人は「原発放浪者」原発を転々とし、月収約1500ユーロ。

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 原発事故処理作業員＝ジャンパー。最も危険な作業を行う下請け。原子炉内に入って部品を交換する。できる限り素早く。2分以内に。中は真っ暗。落ちたら炉心に真っ逆さま。大量の放射線被曝の危険を避けるため、管理担当者は万全を尽くす。線量計、フィルムバッジを身につける。

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 大量の放射線に被曝すると、まる2日眠り込んでしまうという。上限は年間20mSv。50年間毎年20mSv被曝で、生涯1000mSvに。その人がガンになるリスクは4〜5％増えるという。「基準は社会が受け入れられる死亡者数。犠牲より利益が上回れば許されるということ」

@esthetisme

@shbttsy74 仏語版オリジナルではこの後、「WHOの最近の調査によると、癌になるリスクが4～5%ではなく、10~12％であった。」「そうであれば作業員の被ばく限度を現行の20mSv/年ではなく6とか10に見直す必要がある」と言っているのですが、カットされていましたか？

ほんのこ @shbttsy74

@esthetisme すみません、その話もあったのですが、自分のタイピングが追いつかず書き漏らしてしまいました。このツイートをまとめに追加させてください。

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「我々作業員にとって最大の危険は内部汚染。外部汚染なら手や体を洗えば取り除けるが、体内だと取り除くのが大変」「安全な操業が脅かされていると訴えたら解雇された。私たちのうちの何人かは将来ガンになるだろう。訴えようとしても、将来訴えるべき会社がなくなっているかも」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「コバルトはいずれ消えるだろうと思った。それから15年、突然異変が起きた。免疫抑制剤のせいで突然倒れこんでしまうほどに弱っていた。筋肉から力が抜けてボロ布のように倒れてしまう。体のあちこちにできたアザが消えない。訴えても、会社は『10年の時効がある』と」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 下請けの労働者は正式な作業員とみなされていないため、その被曝データも残されていない。2008年7月、トリカスタン原発での汚染事故が次々と発覚、事故も続出。住民は放射能放出を恐れた。環境保護NGOに各国の取材が殺到。「レベル1の事故は1年で100件ほど」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「事故ではなく不具合が生じただけと判断し、ほとんどの事故がレベル1とみなされた」「検査技術を使って金属やコンクリートの内部を調査していた。会社側から『たとえ欠陥があっても異常なしと書け』と命じられた。ものすごい圧力をかけられた」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「亀裂が入っていたとしても、替えの部品がないと言われる。上司に報告すると、検査をやり直せと。ほかの誰かがやり直したら、異常なしと書くだろう」「言われたとおりの手順で行ったかが重要視される。マニュアルと実際の仕事に違いがあることは、社会学者ならわかること」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「問題が起きたら、作業の文書にサインをした作業員が責任を取らされる。責任がトップまでいかない」「民営化された時は、とてつもない衝撃だった。仕事で嫌がらせをうけてうつ病になった。自殺を図ったこともある。これで奴らとおさらばできると思ったが、死ねなかった」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「同僚のうち13人が自殺した。親友の時は辛かった。つい先日、車ごと崖から飛び降りた。でも原発で起きたことは、何一つ表に出ない。私のような者が話さないと、みんな知ることがない」「恐怖を利用した統制が敷かれている。自分が罰せられることが最大の危険になりミスを隠す」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 クリュアス原発で働く下請け労働者たちに取材。「買収後は悪化の一途。運転停止が重なり、運転員の数が足りなくなった。数カ月後に再び同じ事故。スペシャリストがいなくなった。2回も事故がおきたのに誰も耳をかそうとしない。内部告発したら解雇された」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「妻はいまもこの業界で働いている。今の暮らしを守りたい」「今まで私達がしていた仕事は、別の会社が引き継ぐ。その会社は新聞で人材を募集していた。ショックだった。私達がいるのに、なぜ外から人を集めるのか。デモをしていると数人が近づいてきて、電力公社で何の不満がと」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「私たちは原子力の子供。原子力に命をかけたが、いまは人質だ。新規雇用者には問題を処理できない」「新人が多くて、仕事を教えることが多くて嫌になる」「累積被曝線量が上限の80％に達している。いま45歳。被曝のせいで今の仕事を辞めざるを得ないが、誰も気にしない」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 契約が打ち切られることになり、デモをしていた人達は、原発のロジスティックス担当だった。汚染された衣服の選択、シャワー室の清掃などを行っていた。「フランス電力公社は一番金のかからない会社を目指した」フランスでは、5つの大企業がメンテナンスを寡占している。

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「いま危険なのは、仕事を知っている人間が徐々に退職し、まったく仕事を知らない人が入ってきていること」「私はここで20年働いてきた。第一の目的は現場の安全を確保することだ。電力公社は下請けと契約を結んだ時、自分たちに社会的責任があると言っている、それを果たせ」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「20年も働いた人を追い出し、労働意欲を奪うなんて。本当に残念」「役人の中にも、この事態を悲しんでいる人がいるのは知っている。しかしそれを言えばキャリアを失うことになる」「原発放浪者になってしまった。仕方ありません」

ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「若い頃は原子力に強く反対していた。今は原発労働者を支援している。私が反対したところで、すぐに原発がなくなるわけじゃない。ならば、全ての人の安全を確保しなければならない」「地元住民が原発を封鎖した。一般市民による施設封鎖など聞いたことがなかった」