追憶未来

黄昏の時代。電気の無い時代。 僕らはTVを知らない。ネットを知らない。明かりを知らない。 電話を知らない。ゲーム機を知らない。エレベーターを知らない。 色々な、かつてあった『便利』な事を、何も知らない。 続きを読む
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ハラヨシ @harayosy

#twnovel 鉛筆を削っていたら、おじいちゃんがやって来た。「まったく、最近の若いもんときたら、鉛筆なんて手が汚れる不潔なもんを使いおって。昔はよかったもんじゃ」出た。いつものだ。「パソコンというのがあってだな…」黄昏の時代。電気の無い時代。僕らは、手書きで文字を書く。

2011-01-23 23:40:49
ハラヨシ @harayosy

#twnovel 黄昏の時代。電気が消えた世界。「おーい、そろそろ帰って来い、飯だぞー」一番上の兄貴の声がした。浜辺で遊んでいた僕らは、その声に一斉に駆け出した。家路につく。「わざわざ外になんぞ呼びにいかんでも携帯があればな…」お爺ちゃんの話。でも、僕らは今が不便だとは思わない。

2011-02-14 23:50:28
ハラヨシ @harayosy

#twnovel 黄昏の時代。電気の無い時代。僕らは調べたいことがあると、村の中央にある朽ちかけた図書館に行く。古びた辞書は手書きで修繕した箇所がいくつもある。「ぐぐれば一発じゃというのに」おじいちゃんが愚痴る。辞書の引き方を知らない世代らしい。昔は幸せだったらしい…けど本当?

2011-04-22 23:27:44
ハラヨシ @harayosy

#twnvday 黄昏の時代。電気の無い時代。僕らは、毎年7月22日になると皆が集まって各々が作った140文字限定の物語を披露する。「昔はツイッターというのがあってのう」この時ばかりはお爺ちゃんの昔話に皆が耳を傾ける。星空の下、僕らは小さな作家になる。 #twnovel

2011-07-22 00:20:50
ハラヨシ @harayosy

#twnovel 黄昏の時代。電気の無い時代。【冬】。それは僕らにとって一番厳しい季節だ。「昔はエアコンというのがあってのぉ。どんなに寒い日も平気じゃった…」いつものおじいちゃんの昔話。パチパチと薪のはぜる音を聞きながら、僕はうつらうつらと眠りに入る。暖炉の火が暖かい。

2012-02-09 22:42:11