山本七平botまとめ/理不尽なアメリカにどう接するべきか、の考察
- yamamoto7hei
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①確かにシロニー教授の指摘する様に米国の態度は実に論理的に一貫しないのである。ではそれに応ずるのはなぜか。過去において似た様な問題はしばしば出て来ているが、その間、戦前・戦後を通じて一貫しているのが次の言葉であろう。政府の弱腰、アメリカベったり、対米媚態外交等々。<危機の日本人
2012-02-10 07:21:11②だがそういいながら多くの場合、日本は屈伏する。すると屈伏の連続が屈辱感となり、それがある程度たまって来るとどこかで爆発する。
2012-02-10 07:51:15③これは簡単にいえば、そのとき自分がなぜそれをしなければならないかを明確に意識せずに、「無理難題に屈伏させられた」「外圧に敗れた」と受けとっても「自分がそれによって発展して来た環境を、その発展のゆえに破壊することがあってはならない」と考えないからである。
2012-02-10 08:21:29④ではそう考えずに、屈伏・屈伏の屈辱感から、あくまでも屈伏せず、外圧をはねのけたらどうなるか。自らがそれに即応することによって維持・発展してきた環境を自ら破壊して、自らも崩壊する結果になってしまうことになる。
2012-02-10 08:51:19⑤シロニー教授の言う通りアメリカの主張は理不尽である。こういう場合ユダヤ人なら徹底して相手に論争を挑むであろう。そして一つでも譲歩すれば、別の面で相手に何かを譲歩さす。だが日本人はそれをしない。またはっきり言って出来ない。
2012-02-10 09:21:26⑥シロニー教授のように、相手の理不尽を相手の論理でつかむという術にたけていないからである。彼らはこれを反射的に行いうるが、それは伝統の違いであって、日本人にこのまねはできない。
2012-02-10 09:51:27⑦しかし日本人は、言葉にはならなくてもカンは鋭いから、何となく、納得できないという気持は抱いている。だが、それがしだいに蓄積して来るといつかは爆発する。日本人がよく口にする「今度という今度はがまんならない」が出てくるのである。
2012-02-10 10:21:23⑧これが出てくるのは非常に危険だから、以上のように整理して、日本が何が故に理不尽な要求に従わねばならぬかを、はっきり納得しておく必要があるであろう。
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