@team_nakagawa (東大病院放射線治療チーム)のお話 「現行の「暫定規制値」を、その1/5となる厳しい新基準値に変えても、年間0.008ミリシーベルトしか内部被ばく量は減りません」

3.11の地震による福島第1原発の事故後、放射線に関する情報を提供してきた東大病院放射線治療チームのツイートまとめその2。
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東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

 「リスク評価」は科学的データに基づいたリスクの定量化とその理解ですが「リスク管理」は、科学的判断ではなく、放射線防護の“ポリシー”を導きます。たとえば、「100ミリシーベルト以下では、被ばくと発がんとの因果関係の証拠が得られない」は、科学的論拠を持つリスク評価です。

2012-01-18 11:24:00
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

「100ミリシーベルト以下では被ばくと発がんとの因果関係は科学的には不明」というリスク評価を受けて、「“念のため”が可能な平時では、自然・医療被ばく以外の放射線被ばくを1ミリシーベルトまでにしよう」というポリシーが、リスク管理です。しかし、このリスクの評価と管理の混同が問題です。

2012-01-18 11:27:18
ryugo hayano @hayano

(グラフ再掲)朝日新聞の食卓丸ごとセシウム調査( http://t.co/e32FrTk9 )に関連し,日本人は過去に一日何Bqのセシウムを食べていたかのグラフ→ http://t.co/qG0ETK1W

2012-01-19 05:13:35
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

京大と朝日新聞が、福島と全国の家庭で、「陰膳」方式で、食べ物に含まれる放射性セシウムの量とそれによる内部被ばく量を調査した結果が出ています。食卓に並べたものと同じ食事を1食分余計に作ってもらい、3食分をまるごとミキサーにかけた上で乾燥させ、精密に測定したものです。

2012-01-21 11:10:52
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

「陰膳まるごとセシウム検査」の測定結果ですが、福島県では3食で4.01ベクレル、関東地方で0.35ベクレル、西日本でほとんど検出さていません。予想通りとは言え、非常に低い数字で安心しました。なお、福島県の4ベクレルですが、核実験が盛んだったころは、全国的にもこのレベルでした。

2012-01-21 11:11:53
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

「放射線医が語る 被ばくと発がんの真実」(ベスト新書) http://t.co/qDCZw81Z の書評を紹介します。冷静な見方が拡がり、福島への偏見が収まることを期待します。http://t.co/Zunen8WR http://t.co/Vnv59vs8

2012-01-22 11:19:22
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東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

昨日、飯舘村で講演をしてきました。村長、村議員、農業委員、行政区長、教員、保健婦、看護師、村職員などリスコミのコアとなって頂く55人の方に参加頂きました。少人数の、もっと詳しい勉強会も重ねていきたいと思います。壁新聞、回覧板による情報提供・情報共有を進めたいとの提案も行いました。

2012-01-25 17:55:46
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

喫煙はがんの最大の原因ですが、タバコの煙に放射性物質が含まれていることは知られていません。ラドンが崩壊してできる“ポロニウム”などの大気中の放射性物質が葉タバコに付着するため、喫煙すると“被ばく”するのです。この放射性ポロニウムは、元KGBのリトビネンコ氏の暗殺にも使われました。

2012-01-27 10:42:50
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

1日に1、2箱吸うと年間0.2〜0.4ミリシーベルトの放射線被ばくを受けます、もちろん、タバコの煙に含まれる発がん物質の方がずっと危険で、タバコの発がん性を被ばくにたとえると、2000ミリシーベルトを超えてしまいます。受動喫煙でも100ミリシーベルト近くの被ばくに相当します。

2012-01-27 11:05:08
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

食事を1食分余計に作って放射能を測定する「陰膳まるごとセシウム検査」の結果でも、福島県民の食品による内部被ばく量は、年間0.023mSv(中間値)と報じられています。http://t.co/gazZ7Nkl 天然の放射性物質であるカリウム40による内部被ばくの10分の1程度です。

2012-01-30 10:08:26
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

私たちは、食物から年間で約0.4ミリシーベルトの自然の「内部被ばく」を受けています。主な原因は、野菜や果物などに含まれる天然の放射性カリウムです。カリウムは、生命の維持に不可欠な元素で、全身の細胞の内部に主に存在しますが、その約0.01%が放射線を放出する「カリウム40」です。

2012-02-01 11:06:12
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

例えば、バナナはカリウムを多く含む果物ですが、カリウムの約0.01%が放射線を出すカリウム40ですから、バナナを食べるほど内部被ばくが増えます。1本あたりで約0.1マイクロシーベルト程度の被ばくになります。毎日3本食べる続けると、年間だと0.1ミリシーベルトを超える計算です。

2012-02-01 11:09:20
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

全く同感です。RT @buvery: 私はこれに賛成。それに、どんどん数字を下げると測るのも難しくなる。『放射線リスクゼロを求める一部消費者への迎合では、経済や社会に混乱と不安を広げるだけだ。』- 食品の放射能 厚労省は規制値案を再考せよ http://t.co/3M4qK6qN

2012-02-04 09:22:03
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

体内に入ったカリウムは尿とともに体外へ排泄されますが、野菜や果物を通して新たに供給されるため、体重60キロの男性の場合、体内に120グラム程のカリウムが常時存在しています。放射性カリウムは、そのうち1.4グラム程度で、放射能にすると、約4000ベクレルに上ります。

2012-02-04 15:29:02
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

放射性カリウムによって、年間0・2ミリシーベルト程度の内部被ばくが起こります。100年生きると、20ミリシーベルトにも達します。野菜を食べるほど、放射性カリウムによる内部被ばくが増えるわけですが、野菜はがんを予防します。内部被ばくを“過剰”に心配する必要がないことが分かります。

2012-02-04 15:29:59
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

昨夜、飯舘村の菅野村長と東京でお目にかかりました。福島内のある市では、事故直後、老人ホームを含めて、あわてて、大規模な避難を指示しましたが、村長の親しい高齢の入所者は避難先の施設で亡くなったそうです。この経験が、飯舘村の避難に対する考え方に大きく影響したことを伺いました。

2012-02-05 11:35:57
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

1月24日の飯舘村役場での講演で、例によって「内部被ばくと外部被ばくで、どちらが怖いか?」と尋ねたところ、全員が内部被ばくの方に手を上げました。しかし、同じだけの線量を被ばくしたら、内部被ばくも外部被ばくも健康への影響は同じです。そして、福島ではむしろ、外部被ばくの方が問題です。

2012-02-05 11:54:05
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

福島でも内部被ばくは少ない。むしろ、外部被ばくの方が問題です。RT @KamiMasahiro: 毎日新聞一面に、南相馬市立総合病院の内部被曝検査が報道されました。 福島第1原発事故 1ミリシーベルト以上、4745人中1人 http://t.co/3GX5SuzE

2012-02-05 14:31:43
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

食品を通したセシウムによる内部被ばくは、「水俣病」を連想させるところがあるようです。水俣病は、チッソ水俣工場からの有機水銀が食物連鎖によって濃縮されたことが原因です。高濃度に汚染された魚を食べた住民の脳組織に「脂溶性」の有機水銀が沈着し、神経障害を多発させました。

2012-02-06 09:15:33
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

一方、放射性セシウムでは、有機水銀のような「生物濃縮」はほぼ起きません。セシウムは、カリウムに近い「アルカリ金属」です。体内に取り込まれると、カリウムと同じように全身の細胞へほぼ均等に分布し、尿に排泄されていきます。これは、福島県内で安楽死となった家畜の分析でも確認されています。

2012-02-06 09:19:41
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

セシウムはカリウムと同様、尿として排泄されていきます。乳児だと9日、大人でも約3カ月で体内の量は半分になります。セシウム137の半減期は約30年なので、体外に排泄されたセシウムは地球のどこかに存在することになりますが、有機水銀と異なり、身体に蓄積していくことはありません。

2012-02-06 17:11:45
ryugo hayano @hayano

【南相馬市 保育園給食丸ごと検査 HP掲載】http://t.co/3huE5Baw 1/30-2/4も不検出.Cs-134,137の検出下限は各々<0.58Bq/kg, <0.61Bq/kg.1/16以来3週間分の給食での内部被ばくの実効線量は0.0002mSv未満.

2012-02-09 10:44:36
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

拙著「放射線医が語る 被ばくと発がんの真実」のamazonレビューが興味深い。星5:7,星4:2,星3:1,星2:1,星1:8と、評価が 真っ二つに分かれます。「白か黒」かの議論の反映でしょうが、世の中たいがいが「グレー」だと思います。 http://t.co/KHQyL3V1

2012-02-09 11:59:29
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

「放射線医が語る 被ばくと発がんの真実」のamazonレビューで、ベスト1000レビュアーのSecondopinionさんから、論文リストがあればとご指摘を受けました。http://t.co/2mBnFJE3 チーム中川のホームページ(など)に掲載すべく準備を始めたいと思います。

2012-02-10 11:29:41
東大病院放射線治療チーム @team_nakagawa

食品の放射性セシウムの基準がこの4月から大幅に厳しくなります。原発事故直後に定められた「暫定規制値」では、食品に含まれる放射性セシウムによる内部被ばくを年間5ミリシーベルト以内にすることを目標としています。しかし、新しい基準では、これを1ミリシーベルトと5分の1に引き下げます。

2012-02-12 12:58:10