NHKスペシャル『ここまで来た!うつ病治療』について、vikingjpnさんのツイートをまとめてみた。
うつ病治療とその研究が難しいのは、畢竟うつ病が「脳全体のシステム的不具合」で、単一の物質的要因に帰着させられないことが最大の理由だと思われる。「心の風邪」という喩えは言い得て妙。いわゆる風邪は根治療法がなく、対症療法でしか治らない。それに近い。
2012-02-13 09:40:54それでもシナプス伝達異常のような物質的要因に基づく病態の解明も進んでおり、実際に新薬も続々開発されている。ただ、うつ病が脳全体のシステム的不具合である以上単一の治療手法では完全にはうつ病要因を潰し切れないわけで、薬が効かないという状況も当然出てくるわけだ。
2012-02-13 09:45:23そう考えるとうつ病治療には一種の「カクテル療法」が必要なんじゃないだろうか。しかも薬剤だけではなく電気・磁場刺激や認知行動療法も合わせたカクテル。そのバランスを数理科学的手法で最適化する、というのが地道ながらも最も効果的なやり方と思われる。
2012-02-13 09:48:42ただ、神経科学の研究者としてはドンピシャでうつ病の要因となる物質的(分子的)基盤を突き止めて、そこに介入することで一発でうつ病を治癒できるような発見が将来なされることを強く期待したい。
2012-02-13 09:52:33そういった精神疾患の研究者たちが今直面しているのは、急速な研究資金の喪失。出来れば彼らのために是非手厚い寄付をお願いしたい。しかしながら現在の日本の税制ではそういう寄付はかなり難しく、「寄付税制の改革」が必要な情勢。むしろその改革へのご協力を賜りたいです。
2012-02-13 10:09:102012年2月14日追記訂正
こんにちは。教えて頂きたいのですが、実刺激とシャム刺激(空刺激)とを患者にも評価者にもブラインドにしただけでは二重盲検として不充分なのでしょうか。例えば→ http://t.co/uBY572p8 RT @vikingjpn TMS:二重盲検をクリアしたものはまだ一つもないはず
2012-02-14 16:01:18@osake_kushami 貴重な情報有難うございます。これはrandomized / double-blind / sham-controlledの3つの要件全部満たしてますね。今調べてみたら4件ありました。訂正ツイート出そうと思います。
2012-02-14 18:11:42@vikingjpn 私自身はTMSの研究者ではなく多少聞きかじっている程度なのですが、ゼロ年代半ばになって、90年代に出来た基準よりも強い強度で刺激を試みるようになり効果はかなりハッキリでるようになってきているようです。勿論、万能には程遠いですが。
2012-02-14 18:38:15先日のNスペ・うつ病治療特集の件について。難治性うつ病に対するrTMSの二重盲検、実は4件ありました。 http://t.co/euIVeZWK 但し個々の論文を見るとTMSの施術方間の対立がある上に、統計的には有意でも効果が大きくないケースも。従来治療法との並存はまだ必要かも。
2012-02-14 18:26:13@osake_kushami 既にツイートしましたが、ご教示頂いた分も含めて4件見つかりました。 http://t.co/euIVeZWK ただ、元論文を読んでみると思いの他効果が小さいケースが目に付きます。ドラスティックな効果とうたうには、まだまだ研究が必要そうですね。
2012-02-14 18:27:28ということで、Nスペうつ病治療特集に関して「まだrTMSのうつ病への効果で二重盲検を行ったものは一つもない」と呟いたのは訂正し、「二重盲検は4件確認されているが効果が小さいなど今後の研究が必要な状況」と改めさせていただきます。 http://t.co/euIVeZWK
2012-02-14 18:32:13ちなみに「難治性うつ病」に限らなければ27件が引っ掛かります。 http://t.co/57Llexmq rTMS治療は2週間継続では効果がないケースもあり、治療終了後も効果が持続するかどうかはまだはっきりしない模様。いずれにせよ今後の研究の進展を待つ必要がありそうです。
2012-02-14 18:36:28@osake_kushami なるほど、安全基準を緩和してみたら効果がハッキリ見えるようになってきたということなのですね。僕も若い頃は「TMSやり過ぎて物忘れがひどくなった」みたいな物言いを耳にしましたもので、当時はおっかなびっくりだったのかもしれませんね。。。
2012-02-14 18:39:37@osake_kushami 後は、元論文をたどっていくつか読んでみましたが効果が思いの他大きくないみたいですね。何となく「rTMSの打ち方」に依存するようにも見受けられます。それでも難治性うつ病にも効果が出そうな様子なので、焦らず研究の進展に期待したいところです。
2012-02-14 18:41:10