池田香代子さんによるミヒャエル・エンデ『エンデの遺言』に関する呟きまとめ
エンデの死後「エンデの遺言」を見て驚嘆した。こんなことを考えていたのかと。私はある新聞に長めのエンデ追悼を書いたのだけど、やや斜に構えた一文だった。晩年エンデが生まれ変わりを信じていたからで、私はそういう人には冷淡になる。エンデの貨幣についての思索を知ってたら、ああは書かなかった
2012-02-16 02:36:30エンデに斜に構える理由にはそのオリエンタリズムがある。私は「ジムボタン」が最高の作品だと思うけれど、あそこに描かれた東洋はいただけない。エンデの父親コンプレックスとオリエンタリズムは関係があるとにらんでいる。エンデの父エトガーはシュルレアリスムの画家で反ナチスのレジスタンスだった
2012-02-16 02:39:49エンデは父を尊敬し、またかなわないと思っていた。戦後、演劇を志し、ブレヒトを慕って東に逆亡命。しかしブレヒトもまた「偉大な父」のタイプだった。悶々としながら書いたのが「ジムボタン」、ここから児童文学へと活路が開けた。けれど実父とブレヒトという父親の2人の父への敗北感は抱え込まれた
2012-02-16 02:42:40エンデは最初の結婚に失敗している。白人女はすべて「父の女」なのだ。歯が立たない。そして東洋の女を発見し、これなら組し易いと思ったのではないか。奥さんも愛人も秘書もすべて日本人だった。この、東洋の女なら、という見下した感じに抵抗感を覚えるのです
2012-02-16 02:46:44留学中、フランクフルトの書籍市でエンデに会った事がある。「僕のイタリアの城に来ませんか?」と言うから「夫も子ども達も喜ぶと思います」と言ったら、へんな顔をして行ってしまった。それを韓国のエンデ紹介者(女性、大変な美人)に告げ口したら、「あなたにも言ったの!?」とあきれてました
2012-02-16 02:49:13東洋の女とあれば手を出したくなるのは、父親コンプレックスを抱えたヨーロッパ男性の特徴ではないかと考えています。エンデも例外ではなかったと。だけどその作品は最大限に評価するし、そして思想も尊敬してます。ただ、私は1回も翻訳をしたことがない。人間関係に巻き込まれるのはごめんだからです
2012-02-16 02:53:14岩波のエンデ全集に解説は書いた事があります.『はてしない物語』。この作品はなぜ面白くないか、というテーマです。答は、エンデが面白くなく書いているから。物語に入ってしまって出てこないのはつまらない事だという事を、エンデは面白い物語にした。ただ者ではありません
2012-02-16 02:55:45物語は入って行って、また現実に戻ってこなければなりません。それが物語というものです。それを、エンデは終わらない物語という退屈な形式で、逆の側から表現した。『はてしない物語』は自己言及的な物語、メタ物語です。図書館でエンデ全集を見つけたら、あとがき、立ち読みしてみてください
2012-02-16 03:01:10きょう「エンデの遺言」がYouTubeに上がっているとのtweetを見たのを思い出し、寝る前にエンデについて演説してしまいました。おやすみなさい
2012-02-16 03:02:47どうもそういうのあるみたいですね。韓国、タイ、フィリピン…の女性にこだわる男性とかRT @parbo12: エンデに限らないですね。沖縄も同じ感じが。日本も?RT@ikeda_kayoko …東洋の女…なら組し易い…この、東洋の女なら、という見下した感じに抵抗感を覚える…"
2012-02-16 03:08:07ありがとうございます.が、そういう事じゃないと思いますRT @duruta: 池田さん、素敵だからじゃないかなぁ? @ikeda_kayoko RT : 東洋の女とあれば手を出したくなるのは、父親コンプレックスを抱えたヨーロッパ男性の特徴ではないか…エンデも例外ではなかった…
2012-02-16 03:09:57「オリエント」を誘惑する女性とイメージするオリエンタリズム、コロニアリズム、「蝶々さんシンドローム」…いずれも優越したいという欲望の投影ですねRT @parbo12: エンデに限らないですね。沖縄も同じ感じが。日本も?RT@ikeda_kayoko …東洋の女ならという見下し…"
2012-02-16 03:15:40