ギリシャ神話的観点からみた旧作エヴァ－碇シンジ＝テセウス？－

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】９’） http://bit.ly/cXKM8f というのも、前述したような文脈でヘラクレスは「神」として認知されていた。ペルセウスは半神どまり。自己を投射する英雄像ではない

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】１０）別に古代ギリシャ人が現代のアニメ作品を観るわけでもないのでｗここまで述べたギリシャ神話観は無駄に長い枕話だったのですが。；私が変なギリシャファンなので、私の視点から見る『英雄』『自己実現』の祖形や雛型がどういう感覚かを説明したかったと

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】１１） http://bit.ly/by9typ まとめに異見出したのはこのせいですが、ユング式の心理的祖形として碇シンジと比較するには、ペルセウスは物語上の印象が違い過ぎる

アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

@shimiz_mckendiz 先に申し上げて起きますが、私がやったのは「破」のあの部分「だけ」とノイマン解釈という断りを入れてますのでご了承くださいね。ご自身で仰っているように異見であり、あとは基づいているものの立場上の違いによるものですから反論というのは適さないと思います。

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】１２）シンジを巡る物語の神話的構造を元に、英雄性の疑問・否定を導出するなら、もう少し説話文脈のキャラクター性が彼に類似したケースを並べる方が有効では？が私のTogetterまとめに対する違和感でした祖父を知らないぺルセウスへの父権の所在とか

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

@Abraxas_Aeon そうですね。元々のTogetter論旨と違う話に引っ張ってる自覚はあります。私も「破」の方は未見ですし、『ペルセウス』への参考程度にお考え下さい。RT http://bit.ly/bpO6I8

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】１３） http://bit.ly/dnkEHl で、文脈との比較印象にテセウスを出してみたわけですが。テセウスの神話も（よりマイナーですが）ペルセウスと類似の要素と構造です

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】１４）テセウスは父王と別離して育ち、後に故国に戻ります。父王と再会し、同時に生贄を要求されている国の窮状から、自ら志願して生贄の人員に身を連ねて、怪物ミノタウロスと対決する決意をする。しかし父親は彼の死を恐れて反対したし、後に過失死する。

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】１５）この部分は古代・現代の感覚どちらでも、父親の死には息子を信じきれなかったことへの因果応報が暗に示唆されている。；現代的解釈なら、承前部分の息子を遠ざけた部分も含めて、一種のディスコミュニケーションと言えるかも。良心的な父性との対立とか

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】１６）テセウスの対決するミノタウロスは、来歴はメデューサやアンドロメダを襲った怪物ぐらいにはポセイドン由来です（そもギリシャ神話では大半の怪物は何かしらポセイドン由来ですが）。海洋の富や神々の恩恵を受けていたクレタ島自体が、太母と言えるかも

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】１７）父アイゲウス＆故国アテナイ（父性）とクレタ党側（母性権力）の緊張。さらにクレタ島側でのアリアドネー（お姫様／獲得物）・ミノス王（権力）・ミノタウロス（怪物）の三分構造。テセウスはアリアドネーの助けを受けてミノタウロスを倒し、共に逃げる

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】１８）ただクエストを果たしてテセウスが故国へと帰る途中で、彼はナクソス島にアリアドネーを捨ててきてしまう。彼女は元来より古い信仰のある女神だった可能性が高く、その点でペルセウスのメデューサと親和性があるかも。；そして帰国すると父王も死んでる

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】１９）テセウスの冒険の報酬は、物質的にみればほとんど手ぶらです。ドラクエ並にアイテム盛り沢山なペルセウスと対比を成してたのか、同じ神話系で別のキャラ立ちを維持してるｗ。；実際は、自己の生存・クレタ島の影響を脱した故国と王位（父権と母権の認証

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】２０）個人的には、私は旧エヴァ（TV→劇場版）の物語を、『父権・母権から共に脱却した上での自己実存』に至る、現代的な感覚の成長テーゼと見ています。なので継承的な獲得が父母どちらも放棄されながら、その過程で残る自己が定義されるテセウス的な物語

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】２１）シンジの苦労に満ちたストーリーは一神教的論理に喩えれば『受難』であり、本来得るべきものを持たない（報われるべき）不幸です。；が、ギリシャ的観念なら単に大変な生まれになっちゃただけ。父母や周囲の大人コドモやら、面倒な神々に振り回されてる

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】２２）そういうのはギリシャ人にとって『大変だけど仕方ないねｗ』悩んでも仕方ない結果論であるし、ヘラクレスやオデュセウスの例のようにめげずに自分の手で結果を切り開く存在が『英雄』の資質としても評価される。獲得した富も身に持つ力も等しく徳なので

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】２３）私は常々『状況を考えれば、碇シンジは相当ヒロイックで強い「ロボットアニメの主人公」だよ（イデオンのコスモぐらい）。何せリアルにあれだったら、誰でも半クール保たずに発狂する。シンジは悪くない。状況が極限まで悪いだけ』と評しますが、誰もｗ

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】２４）そういうわけで私はエヴァとギリシャ神話の英雄像を重ねるとき、シンジをテセウスと見立てた訳ですが…これは現代人やその心理が時代のコンセンサスに沿った『英雄』性を認める感覚かは怪しい。物語因子のウェイト（『生贄』の経済価値とか）も違うし…

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】２５）新映画版はテーマを組み替えた新構成版ですし（少なくとも「序」を見た感想としては）、「破」におけるヒロインの位置付けが旧作と違っていて当然ですが、Togetterまとめの論旨でアスカ・レイの新たな位置付けは確かにペルセウス神話的ではない

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】２６）しかし提示されている「上なる／下なる女性」という符号の解説を考えると、一般に認知されている形態ではテセウス神話の構図は『上なる女性（アリアドネー）の獲得と放棄』『下なる女性（クレタ島権力・ミノス王）との均衡』による英雄性の立脚となる。

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】２７）しかも獲得・放棄・和解のプロセスが海神ポセイドンへのとりなし（男根の放棄）、と解釈されると大変なことに…！；旧エヴァで私が比喩に丁度良い、と思ってた英雄説話が「破」に当てるとエライことになるなら、シンジの英雄性も変質しているのでしょう

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】２８）とまあ、ここまで誰得？俺得語りつぶやきをしてきたところで、私もようやく「破」を見てみようかなｧ意欲が出てきました。今度機会があったら観るでしょう。今度の作品ではどのような『英雄』像様式、ないし行動のヒロイズム（反～）が提示されているか

シミヅ（鎌田） @shimiz_mckendiz

【ギリシャ神話的観点から見た旧作エヴァ】みなさんお疲れさまです。見てない疲れてない？それで結構。私は明日の準備して寝ますだ。NHKの「チェイス」脇で見てるのももう充足したので。；なお、私の一番好きなエヴァ台詞はミサトの「今ここで何もしなかったら、私、許さないからね」です。

アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

@shimiz_mckendiz　お疲れ様でした。ええと・・・、引用しつつのテセウスに照らしているところですが、私は次に、ノイマンのテセウス解釈がどういうものであるかということを提示する必要があるようですね（汗。まあ折を見て時間があるときにやりますが。

アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

旧作エヴァ＝成長テーゼという話。シミヅさんの気分を害してしまったら申し訳ないのだけれども、新旧問わず、あれが成長テーゼだとは私にはとても思えないというのが本音です。太母から生まれては飲み込まれ、また生まれてという回帰をただ何ども繰り返しているだけで、何も成長してはいないと。