#この書き出しいかがですか まとめその4(3/4,5)
僕と君は、いつだって正反対なんだね。 お互いを見つめ合うことはない。僕と君は、真っ向から触れ合うこともなければ、言葉を交わすこともない。微かに聞こえる心音が「僕と君は両極」だと訴えかける。ああ、だから、向き合う必要もない。裏表の僕等は声もなく呼び合う。 #書き出し
2012-03-05 18:53:16「殺して」と切望する声を聞くと僕は一気に冷めてしまった。掠れた声の切望。「一緒に死のうか」生きてほしいと願っても、君の心が動かないのなら、いっそ。君の首に手をかける。君はただ僕を見て。はらり、君の頬に涙が落ちる。君の乾いた瞳が見開いた。「出来ないよ」君を殺すなんて。 ♯書き出し
2012-03-05 20:43:21「殺して」と切望する声を聞くと僕は一気に冷めてしまった。僕は、君に何も伝えられてなかったのか?殺すわけないだろう、僕の手で君を。馬鹿なのか、君は。殺すぐらいなら一緒に行くよ。それが地獄の果てだとしても。君と共に歩むと言ったろ。いい加減にしろよ。僕は君の手を離さないよ。 #書き出し
2012-03-05 21:50:08端の少し欠けた拡声器を持って、僕は宣戦布告する。あらん限りの声を張り上げ、決意を表明する。絶対負けない、勝つのは俺だ。さあ、今こそ反撃の狼煙を上げろ。このイカレタ世界に反旗を翻すんだ。これはただの反抗じゃない、繰り返す、これは戦争の合図だ。 #書き出し
2012-03-05 21:04:48何も残ってなどいなかった。それはとても悲しいことだけど、さっぱりとしてもいた。がらん。殺風景なその場所を優しい風が通り抜けていく。寂しく空虚でありながら、暖かく安堵を抱いた。大切なものと共に、不釣合いなものも消えた。ぽろり。涙をひとつ溢して、頬を拭う。さぁ、行こうか。 ♯書き出し
2012-03-05 21:11:13何も残ってなどいなかった。昨日の失態で、私は全てを失ったのだ。眼前の鏡に虚ろな目をした女が映っている。その女が自分自身だということに気づくのに、少々時間がかかった。ーーと言うよりも、気づきたくなかっただけなのかもしれない。目の前の女はそれ程やつれた顔をしていたのだ。 #書き出し
2012-03-05 21:41:15何も残ってなどいなかった波の果てに朽ち果てた難破船 覗くとそこはセピアの世界何処へ向かっていたのだろうか望みは叶ったのだろうか 耳を澄ます片隅の茶色の小瓶が瞬いたきっと 安らかに眠るのだろう #書き出し
2012-03-05 22:34:22何も残ってなどいなかった。彼らは生まれたままの姿で眠る。奏は右、かなでは左。生まれた時から定められた位置で、双子という運命に抗いながら生きてきた。幼いころには大きかったQサイズのベッドも高校生になると丁度いい。それでも彼らの姿は変わらない。抱きあうだけのインモラル。 #書き出し
2012-03-05 23:21:52待っててくれなかった君を恨む。僕がたどり着いたとき、君はもうそこにはいなかった。約束は守られなかったのだと悲しくなると同時に、でも君が幸せそうにしている様子を眼下で見たとき、どうしようもなく嬉しくなったのも事実だ。僕はまた天国で君を待つ。 #この書き出しいかがですか
2012-03-05 22:40:14