NHKスペシャル「調査報告:原発マネー ~3兆円は地域をどう変えたのか~」書き起こし・ほぼ完全版

3月8日夜のNHKスペシャルを文字起こししています。
32
前へ 1 2 ・・ 5 次へ
とし @toshihiro36

草野町長: いやぁ、ほんとに困ったもんだ。今まで作ったものゼロに等しくなっちゃったんだな。

2012-03-09 15:11:51
とし @toshihiro36

<ナレーション> 原発がなければ復興のための財源も住民の雇用も確保が難しい。町の現実です。

2012-03-09 15:13:49
とし @toshihiro36

<ナレーション> 自治体の財政を支えてきた原発マネー。その実態を知るため、NHKは原発や関連施設がある44の自治体にアンケート調査を行いました。国や電力会社からどのような金をいくら受け取ってきたのか聞きました。

2012-03-09 15:17:48
とし @toshihiro36

<ナレーション> 原発マネーは大きく分けて3つ。電力会社が納める核燃料税などの税金。そして寄付金。国が自治体に配る電源三法交付金です。これらはすべて利用者が支払う電気料金から徴収されています。調査の結果、これまで全国の自治体が受け取った原発マネーの総額は、

2012-03-09 15:24:34
とし @toshihiro36

<ナレーション> わかっただけでも3兆1127億円。歳入に占める割合は、平均35%。その金はどのように使われたのか。全国の市町村で最も多い3000億円を受け取った新潟県・柏崎市を取材しました。東京電力柏崎刈羽原子力発電所。出力は世界最大、首都圏の電力の20%を生み出してきました。

2012-03-09 15:30:27
とし @toshihiro36

<ナレーション> 柏崎市役所をを訪ねると、意外な事態が起きていました。全国最多の原発マネーを受け取ってきたにもかかわらず、借金が573億円。年間予算を上回るまでに膨らんでいたのです。(年間予算521億円) 広報誌で財政の危機を訴え、住民サービス削減への理解をを求めていました。

2012-03-09 15:35:08
とし @toshihiro36

財政担当者: 非常に厳しい状況なので、新しく(財政)計画を練り直して…そういった経済状況をどうやって乗り切ろうかということで、市民のみなさまにも現状をお知らせして対策をとっていこうと・・・

2012-03-09 15:39:31
とし @toshihiro36

<ナレーション> 財政悪化の要因の1つは原発マネーで次々と作られた公共施設、その維持費です。同じ規模の自治体の5倍近い、年間13億円に上っているというのです。昭和61年にオープンした市立博物館。総工費16億円、売り物は柏崎に生息していたとされるナウマンゾウの模型です。

2012-03-09 15:44:36
とし @toshihiro36

担当者: 約700万円くらいかけて作成した製品になっています。

2012-03-09 15:46:14
とし @toshihiro36

<ナレーション> 入館料収入は年間89万円。一方、維持管理費は百倍のおよそ8900万円。(8884万円) 今年度から冬の間休館せざるを得なくなっていました。こうした施設の財源となったのが、電源三法交付金。原発を受け入れる見返りとして国から自治体に地域振興を名目に配られる金です。

2012-03-09 15:50:53
とし @toshihiro36

<ナレーション> 取材を進めると、この交付金制度は柏崎市の原発誘致をきっかけにできたことがわかりました。昭和40年代、原発を誘致した時の経緯を知る人物を訪ねました。当時の市長の息子で父親の名前を引き継いだ小林治助さんです。

2012-03-09 15:55:53
とし @toshihiro36

<ナレーション> 小林治助市長(在職期間 昭和38年~54年)、当時の柏崎市の状況に危機感を持っていました。新しい産業が育たず、人口が減り続けていた町。小林市長が誘致したのが原発でした。

2012-03-09 16:02:04
とし @toshihiro36

長男・小林治助さん: (原発を)にとつの起爆剤にして地域の活性化にいかしていきたいと・・・。 日本全体が高度経済成長みたいな大きく伸びた時期にも、正直なところ乗り遅れたみたいな現況があったんです。なんとかしなきゃいけない。これは目白の田中さんの事務所ですね。

2012-03-09 16:06:54
とし @toshihiro36

<ナレーション> 小林市長が相談をもちかけたのが地元出身の田中角栄・元総理大臣。国は電力の安定供給のため原発を推進していました。そしてできたのが電源三法交付金です。原発を受け入れ、大都市に電力を供給するかわりに地域振興の名目で自治体に金がもたらされるしくみが作られたのです。

2012-03-09 16:13:21
とし @toshihiro36

(坂井一照記者・報告) 電源三法交付金はどのように使われたのか。小林市長の2代あとに市長を務めた人物が取材に応じました。飯塚正さんです(在職 昭和62年~平成4年)。交付金を市民サービスの向上につなげたいと考えたといいます。

2012-03-09 16:20:32
とし @toshihiro36

坂井・報告: 飯塚さんの6年間の任期中に市が受けた交付金は198億円。その多くが公共施設、いわゆるハコモノの建設につぎ込まれました。

2012-03-09 16:23:23
とし @toshihiro36

飯塚さん: 予算がね、これをやりたいという予算がすぐ組まれる。組まれるというより、それだけの金をすぐ右から左に自由にできた。

2012-03-09 16:26:55
とし @toshihiro36

坂井・報告: なぜハコモノばかりが作られたのか。それは国が交付金の使い道を公共施設の整備に限っていたからです。

2012-03-09 16:28:51
とし @toshihiro36

飯塚さん: 交付金は(使途が)みんな書いてある。何、何、何、何と。そのもの以外に使ってはならんということになっている。それを見て、その中でこれは当てはまるかなということで…。国の最高機関の人たちがこれとこれをやることはいいだろうと、自治体にそれ(交付金)を流すわけ。

2012-03-09 16:33:11
とし @toshihiro36

坂井・報告: 国はなぜ交付金の使い道を公共施設の整備にかぎった限ったのか。 資源エネルギー庁で交付金の運用に携わった作田頴治(えいじ)さんです。市民が誰でも使える施設を作ることで、地域振興を実感してもらうのがねらいだったといいます。

2012-03-09 16:40:09
とし @toshihiro36

作田さん: ハコモノって目立ちますからね。いかにもメリットが目で見えるでしょ。そういう意味で訴える力が結構あったんでしょうね。当初はどうしても公共施設に重点がいったと思います。

2012-03-09 16:43:01
とし @toshihiro36

坂井・報告: 次々と作られた公共施設。その維持費が市の財政を苦しめていきます。飯塚さんの後、市長を務めた西川(さいかわ)正純さん(平成4年~16年)です。

2012-03-09 16:47:29
とし @toshihiro36

西川さん: 補修費も含めた維持管理費というのは、そのハコモノが存在する限りはランニング的に継続していくわけです。

2012-03-09 16:49:47
とし @toshihiro36

坂井・報告: さらに追い打ちをかけたのが交付金の減少です。交付金は原発の立地を進めることを目的としていたため、原発の建設が続いているうちは増えていきました。しかし全てが完成すると、下がりはじめます。

2012-03-09 16:53:52
前へ 1 2 ・・ 5 次へ