- toshihiro36
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橋本・報告: 平成3年の青森県知事選挙。事業に賛成する現職が苦戦を強いられたこの選挙をきっかけに、全市町村に寄付金が配られる仕組みができたといいます。電力会社の社員も選挙運動に動員されていました。このとき書き残していたメモです。
2012-03-09 20:10:35橋本・報告: 知事選は反対する候補が当選すれば、核燃料サイクル事業は4年間は凍結。組織的に進めねば、戦争には勝てない。 選挙は現職が逃げ切りました。知事の側近でもあった成田さんは、次の選挙をにらんで苦戦の原因を分析しました。
2012-03-09 20:14:17橋本・報告: 当時、原発マネーを受け取っていた市町村は4分の1。受け取っていない地域で核燃料サイクル事業への反対運動が広がっていたことがわかりました。成田さんは電力会社を束ねる電事連の赤間さんに、こう提案します。「寄付金を全ての市町村に配らなければ、反対運動は抑えられない」
2012-03-09 20:19:53成田さん: これは間違いなく、選挙が完全に危なかったんですね。そうです、その通りです。だから一番重要なのは、市長村長にも“自分たちにもきちっとメリットがある”と目に見えるようにやらざるを得なかった。県民の離反の方がはるかに怖いんでね。全県的にこういうものを交付できるようにしたと。
2012-03-09 20:24:53赤間さん: どうしても(県の)トップにご理解いただかないと、(事業は)円滑に進まない。それはもう公平に選挙をやればいいのですが、どうしても推進していただくという方にぜひ引き続いてやってもらいたいなと…そういう思いはありましたよね。
2012-03-09 20:33:39橋本・報告: そして知事選挙の3年後の平成6年、電力業界からの寄付金が県の財団を通じて原子力施設のない市町村にもいきわたる今の仕組みが作られたのです。寄付金は地域の暮らしを支えるさまざまな事業に使われました。この金を通して市町村と電力業界との関係が深まっていったのです。
2012-03-09 20:38:12<ナレーション> 核燃料サイクル施設の建設が進み、使用済み核燃料の受け入れが始まったのは平成10年。その後トラブルが相次ぎ、平成21年には高濃度の放射性物質を含む液体が3度にわたって漏れ出しました。県民に不安が広がるなか、青森県は全ての市長村長を集めて会議を開きました。
2012-03-09 20:43:27司会者:それでは皆様方から、ご意見などを賜りたいと思います。何かございましたら、お願いいたします。(会場沈黙) 何かご質問とか…再度お願い申し上げたいと思うのですが。質問でも何でも結構なんですけれども。
2012-03-09 20:54:26<ナレーション> 市長村長から意見や質問は出ませんでした。 福島第一原発で事故が起きたいま、市長村長たちは原子力事業についてどのように考えているのか。2人の現職町長が取材に応じました。青森県・南部町の工藤祐直町長です。
2012-03-09 20:59:57工藤町長: 助成金をいただいているから発言ができない。極端に立場的に弱いということでは決してない。ただどこかではそういう部分があったのかなと、いま振り返りながら考えてみればですね・・・
2012-03-09 21:06:06吉田町長: 安全とか原子力政策に関するさまざまな疑問提起はしていくべきなんでしょ。でもそれをしてこなかったというのも実際なわけですからね。今の状況の中では、まだ話が出しづらいというのも実情だと思います。実際もらっているわけですから、迷惑施設としての交付金を。
2012-03-09 21:14:01<ナレーション> 住民の避難が続いている福島県・楢葉町。このまま原発が動かなければ、町の復興は難しいと考えている草野孝町長です。東京電力の新しい副社長が、先月草野町長のもとへ挨拶に訪れました。
2012-03-09 21:21:03草野町長: 今後の問題についてちょっと副社長にお話ししたいのだが…第二原子力発電所ね…いま我々、第二原子力発電所あるわけなんだけれど、実際廃炉にするのか。廃炉にした場合だよ、我々の電源交付金の問題。それから雇用の問題。こういうものを、どう担保してくれるのかな?
2012-03-09 21:27:29東電・副社長: 先のことにつきましては、これからいろいろと…国民的な議論あるいは地元の皆さんのご意見…もちろん国のご指導・・・・
2012-03-09 21:30:17<ナレーション> 今後、第二原発をどうするのか。具体的な答えは得られませんでした。 先月、草野町長はある考えを示しました。国が受け入れ先を探している中間貯蔵施設。放射性物質を含む土や瓦礫を保管するこの施設を、町で受け入れる可能性を示唆したのです。
2012-03-09 21:34:51<ナレーション> 施設を受け入れることで、国からの支援が得られ、雇用も生まれる。住民が町に戻ってくるきっかけになるのではないかと、草野町長は考えています。
2012-03-09 21:37:09