【03/12】テーマ:背中【#同題ssTB】
「この出っ張ってるとこ」「肩甲骨、ですか?」「そう、それ。これって人間が天使だった頃の翼の名残だって説があったなって」「ふ……、貴方って意外とロマンチストなんですね」剥き出しのまっさらな背中に指先を滑らせ撫で擦る。飛び立つための翼が、ここになくてよかった。<背中> #同題ssTB
2012-03-13 23:49:56追いかけて追いかけて…あと少しで手が届く所で目が覚める。悔しさと哀しさと寂しさが胸で渦巻く朝。「くそっ」握り締めた拳をマットレスに叩きつけた。早過ぎる別れを受け入れられず、彼女を追う夢に今日も苦しまされる。「友恵…っ」今はもう遠すぎるその小さな<背中> #同題ssTB
2012-03-13 21:14:08ヒーローに復帰するにあたり、市民の平和のために心の底から誠意を持って活動すること、市民の生活に思いを馳せ、彼らに思いやりをもって接すること、市民の規範となるような人間で居続けること、常に自分をもっと高める努力をすることを、あなたの傷だらけの背中に誓います。<背中> #同題ssTB
2012-03-13 21:07:05無言で鍋を振る俺の後ろでバニーが困っている。怒った俺への対処法がわからないのだ。そろそろ泣くとキレる以外の方法を覚えろと思って黙っていると、背中にそっと指先が触れた。実力行使かと思えば、背中に描かれる大きなハート。鍋を放り投げ、俺は後ろの相棒に飛びついた。<背中> #同題ssTB
2012-03-13 20:59:44バニーが時々スーツの背中からいろいろ出してくる。背中に秘密のポケットがあるらしいのだが、どこか尋ねても教えてくれない。斎藤さんに文句を言うと俺もつけてもらえる事になった。『何を入れるんだい?』…え?えーと、事件が解決した後とかに疲れたバニーに飴ちゃんとか!<背中> #同題ssTB
2012-03-13 20:52:17「お父さんの体って傷だらけだね」「古傷ばっかだけどな。ま、男の勲章ってやつだ」「ふーん、勲章かあ……あ、この背中の傷は最近のだよね?」「ああ、そりゃ多分昨晩の……いや、うん、大人の事情ってやつだな」寂しがりやの可愛い兎に付けられた爪痕だとは言えねえよなあ。<背中> #同題ssTB
2012-03-13 20:26:00「うなぎ食いたい」と虎徹が言って、買い出しは日系スーパーになった。「お、これ西のやつだ」どういう意味かと首を傾げたら解説された。「日本の西の方では腹から開いてタレ付けて焼いて、東は背中を開いて蒸し焼きにしてから蒲焼きにするんだってよ」結局何がどう違うんだ?<背中> #同題ssTB
2012-03-13 20:17:02押し当てた舌に、掻き抱いた背が跳ねる。薄い肌の下で蠢く筋に時折歯を立てては、唇を噛んで嬌声を耐える様に口角を上げた。酷く動物的な接触、男同士の行為に溺れるという矛盾。「っか、やろ…こっち、集中…しやがれ!」ああ恐らく彼の脳裏にも、同じ愚問が浮かんでいる。<背中> #同題sstb
2012-03-13 14:45:57顔なんか見たくない。あなたのそこは僕のを飲み込んで強く締まって蠢いている。なんで僕はこんなに怒ってるんだ。顎が痛くなるほど背中に噛みついて。汗と血の味を味わって。ああそれであなたがヨさそうだから、悔しくて腹が立って。舌で舐め回してあなたが啼くから。〈背中:腹カナン〉#同題ssTB
2012-03-13 10:35:47あの人の所為で部屋の椅子をあまり使わなくなった。料理もするようになったし「バニーちゃん」変なあだ名もついた。「こんなトコに座りこんでなにやってんの」背中から伝わるこの暖かさはもう当分忘れられそうにない。「全部全部、貴方の所為ですからね!」「?!」<背中> #同題ssTB
2012-03-13 08:14:05私がもう少し小さかった頃。ひさしぶりに帰ってきたお父さんとお風呂に入ったら、背中に大きな傷痕があって怖くなって、お風呂に一緒に入らなくなったきっかけ。あれが街を皆を守ってできたものだと知っている今は、頼もしく誇りに思う。お風呂は一緒に入らないけどね!<背中> #同題ssTB
2012-03-13 07:55:26ずっと追いかけてきた背中が、急に小さく見えたのはいつからだろうか。身体が思うように動かなくなったのだと、母は笑う。何があろうと僕を守ってくれた母。大きくて頼もしい背中。今日、歩けなくなった母を自分の背なに乗せた。その軽さに思わず涙が零れた〈背中〉 #同題ss
2012-03-13 07:01:00えずく僕の背中をさすってくれてるのは、KOHか。情けない。ひどい事故、二部の僕らはただ指示をこなすのに必死だった。ようようカメラのないところを探して蹲った。バケツから顔をあげるとKOHは現場をじっと見ている。それでも背筋をのばして、ああ朝焼けが眩しい。〈背中〉 #同題ssTB
2012-03-13 06:40:35そりゃおっかないわよ、敏腕プロデューサーというより視聴率の鬼だもの。でも最近、あの真っ直ぐに伸びた背筋がシャツの上からでも分かるくらい震えてる――「ぐんぐんキテる」とき、私もぞくぞくするようになったのよね。 〈背中〉 #同題ssTB
2012-03-13 06:19:13「ルート」そう呼んで翻る肩は、何時の間にこんなに成長したのでしょう。 不意に失った少年を思い起こす。彼を救えなかった後悔。青年が立派になった喜び。それらの全てを内包し、首に手を掛ける。「鉄十字が曲がってますよ」「あ、ああ、すまん」それを直し、私は彼を見送った<背中> #同題ss
2012-03-13 04:57:07贅肉なんて一切ない癖に、背中を押した時の感触は少しだけ柔らかい。自分で見えない所から年を取ると言うが、この年齢不詳のヒーローも例外ではないらしい。指先で押すとすぐに骨に当たってしまうので、手の平全体でそっと押す。貴方の中に沈み込むような錯覚を密かに楽しむ。<背中> #同題ssTB
2012-03-13 04:53:26【月親子】私の父は正義のヒーローだった。私にとってそれは誇らしい事であり、犯罪を見過ごしてはいけないという教えは絶対だった。私は、いつかあの大きな背中を超えたかったのだ。<背中> #同題ssTB
2012-03-13 04:39:42昔、見上げてみた父の背中。重いまぶたの先の温もりに幸せを感じたあの頃。「虎徹さん、僕がおぶりましょうか?」「いや、いいよ。楓もこんなに大きくなったんだな…」娘の重みを感じ、笑う隣人を見る。互いの温もりを感じたあの日、父もこんな笑顔を母に見せたのだろう<背中> #同題ssTB
2012-03-13 04:38:44『おんぶ?』 『子どもを背負ってあやしたりすんだよ』 『変わった文化ですね』 『そうかぁ?』 ふとした時に気づく文化や習慣の違い。自分にとっての当たり前を知らない。そんな相手と一緒にいることが当たり前になった今。 『してやろうか』 『腰痛めますよおじさん』<背中> #同題ssTB
2012-03-13 04:22:39【薔薇兎】ブルーローズとして収録してると、時々バーナビーとスタジオですれ違う。 ある日、ふっと振り向いた時に見た背中が、心なしかいつものあいつよりも小さくなっているような、そんな気がした。<背中> #同題ssTB
2012-03-13 04:08:05「解せん」「何が?」「ネイサンよ!何であんなに女子オーラ出るの」「知りたい?」意地悪そうな目。「…いい」「素直じゃないわね。心配しなくても貴女達はこれからよ。恋する乙女は、ね」ウィンクが飛ぶ。彼女は教えてくれてたのだ。恋の楽しさを、私達の前に立って。<背中> #同題ssTB
2012-03-13 03:53:44あつい。あついよう、たすけておとうさん。熱にうなされながらそう言ったら、途端に身体が浮いて、広い背中に背負われた。おとうさんだ。嬉しくて背中にしがみつく。おとうさんのにおい。翌朝、熱が引いて目覚めたらおとうさんはいなかった。あれは夢?いいえ、きっと。<背中> #同題ssTB
2012-03-13 03:53:19いつもは大きく見える背中が今はとても小さく見えた。犠牲者がでる度に彼はいつも自分を否定されたように、悲しい背中を僕にむける。あの人はヒーローとしてしか生きれない。ヒーローの自分しか肯定できない。なんて悲しい人だろう。そんな僕のため息の理由を彼は知らない。<背中>#同題ssTB
2012-03-13 03:49:27