地元では不評だった、真実と違うウガンダ反政府勢力の蛮行告発映画

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モーリー・ロバートソン @gjmorley

また、地元では不評だったようです: ウガンダ反政府勢力の蛮行告発映画、「真実と違う」と地元民は猛反発 国際ニュース : AFPBB News http://t.co/D0a6TEfE

2012-03-20 04:09:12
モーリー・ロバートソン @gjmorley

で、最新はこんな感じに: 「KONY 2012」の設立者が全裸自慰行為で逮捕、ムービーも公開中 - GIGAZINE http://t.co/qor0KOez

2012-03-20 04:10:26
モーリー・ロバートソン @gjmorley

あまり深入りの解説ができないのですが、簡単に気がついたポイントを述べると:1)ホワイトバンドっぽい側面があり、単純化された世界観と簡単なアクション(寄付含む)で解決できる、といったメッセージがSNSに乗り、多くの若い人が一斉になびいた 2)ところがその多くが先進国の白人だった

2012-03-20 04:12:30
モーリー・ロバートソン @gjmorley

3)現地を知るジャーナリストや専門家によれば、動画で主張している解決策のひとつである「米政府の軍事介入」はすでに試みられたことがあったが、逆効果。現地のウガンダ政府・コンゴ軍などは信頼できるパートナーとして振る舞わない、などの深い問題。

2012-03-20 04:14:33
モーリー・ロバートソン @gjmorley

4)若さゆえの行動力と勢いで「戦う父とそれを慕う息子」の親子関係もショーアップされ、部外者の共感を呼びやすい作りになっていた。プロパガンダを見抜くリテラシーが「感動した」人達の間では根付いていなかった。

2012-03-20 04:16:21
モーリー・ロバートソン @gjmorley

5)バイラル動画が沸騰するにつれてマスメディアもピックアップ。同時に情勢分析の短絡、資金の不透明な運営、支持する政治団体のあやしさなどが炎上を生み、それはやがて主催者への個人攻撃へと変貌していった。その賛否両論の炎上まっただ中で主催者が「クラック」した様子。

2012-03-20 04:18:00
モーリー・ロバートソン @gjmorley

6)かねてからウガンダ情勢や少年兵の参上、住民の虐殺を取材し、訴えてきた人達の間では「この失敗を経て、今後はウガンダ情勢に関する反応が、以前よりも鈍感になる恐れがある」との懸念が広がっている。…といったところです。

2012-03-20 04:19:51
モーリー・ロバートソン @gjmorley

☆もう少し情報が出てきそうなので今は静観していますが、雑感です。「オキュパイ」の運動がかけ声倒れにも似た形で徐々に勢いを失い、世界的な格差と「戦う」人達の足並みがそろわず、不透明さが漂う中、「何か世の中の役に立つことをしたい」という願いと希望が若者に広く共有されている。

2012-03-20 04:21:55
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→だがどのソリューションも一長一短・賛否両論・それぞれのケースに応じた勝者と敗者を生むので歯切れが悪く、より細かな議論で消耗することも多い。そんな中「アフリカのならず者が無辜の子供達を少年兵に仕立てて住民を虐殺している。みんなで止めよう!」というシンプルなメッセージが大流行。

2012-03-20 04:23:16
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→さらに「通常の」規模である数十万ビューではなく1億に達してしまった段階で動画発信の主催者は世界中から注目されることになり、批判・中傷も容赦なくなった。ひたすらまっすぐに訴え続ける中、いきなりブレイクダウン。『善意』が情報不足・判断不足なまま暴走し、脱線したのかもしれません。

2012-03-20 04:25:33
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→「ほっとけない世界のまずしさ」をスローガンにしたホワイトバンド・プロジェクトのWikipedia解説エントリーです。http://t.co/Mm2SQRH9 当時のホワイトバンドが広がった速度はバイラル動画より遅いものでしたが、セレブリティーが賛同し推進力を提供した様は類似。

2012-03-20 04:28:41
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→「KONY 2012」は映像表現のキャッチーな技法やメッセージの単純化がバイラルに貢献したと論評されています。言わば広告代理店の「ものがたり」を作る手法です。ジャーナリズムが提供する情報は不完全だったり未確認だったり、遅かったり。それに対してすっきりと結論が導かれる作品は魅力的

2012-03-20 04:32:03
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→広告の提供するものがたりは多くの場合、商品にお金を出すことで何かいいことがすぐに起きるというテンプレートから紡がれます。ここにドキュメンタリーの風味をまじえてより「真実らしく」するという手法も近年育っています(同時に低予算で仕事をあげる方法でもありますが)。

2012-03-20 04:34:30
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→動画の受け手が複雑ですっきりしない「現実」よりも映像や編集のマジックでかっこよく構築された「現実風味のものがたり」に共感を覚えるのは、すっきりとした結論に逃避したいという願望を持っているからかもしれない、と思いました。送り手と受け手で結託して現実を封印するという手法です。

2012-03-20 04:36:09
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→「人道的な問題に対してまったく動かない世界の権力者たち」に憤り、「われわれが直接動いて世界を変える」とする物語のKIRA☆KIRAぶりは、それ自体が麻薬なのかもしれません。そこに若さ・面倒くさい検証すっ飛ばし・行動力・攻撃性・正義…などがカクテルになっていって…

2012-03-20 04:38:09
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→ばびゅーん、ですね。そしてふとしたつまづきで個々の善意が裏切られ、悪者探しの中で昨日までのヒーローが極悪人として断罪され、幻滅が運動を覆い、自壊。その果てには以前にも増してあきらめと無関心がしみ込む。というサイクルが展開しているような気がします。ただ、それだけでもない。

2012-03-20 04:40:17
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→そもそも広告がつけ入る隙を心に抱えている点を、多くの人が自問する機会になるかもしれません。「権力を握ったエリート」が何もしないか、できない状況に苛立ち、「素人の群衆」の人数と善意にソリューションを任せたくなる、という流れがSNSの普及で今後も広まるという気がします。

2012-03-20 04:43:58
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→「アラブの春で実現したんだから、この国でもできる」といった、希望的な論調です。ただ、そういう発言をする本人もプロの活動家だったり、そのように思いたい、と表明しているだけだったり。アラブの春が革命を達成する保証は、まだないわけですから。

2012-03-20 04:45:32
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→言い方を変えれば「アラブの春でできたんだから、この国でもできる。これからは民衆が直接政治を動かして、世直しをする時代!」というキャッチフレーズ(新たなホワイトバンド)に心を突き動かされる人は、おそらく「アラブの春」なる記号の裏にある詳細な情勢を知らないし、調べる意志もない。

2012-03-20 04:46:54
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→そういった意味で、リテラシーには魔物のようなところがあると感じています。知れば知るほど、なぜ国際社会が問題を解決できないのかをも知ってしまうから。チベット問題、ウイグル問題、シェール・ガス掘削の問題しかり。「中国が豊かになれば自然に民主主義に」ならない理由も。

2012-03-20 04:48:44
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→そこで当面の結論として保守的な匂いのする物言いになってしまうのですが、とことん絶望するまでそれぞれの情勢や背景を調べ、善玉と悪玉に分けて考える「ものがたり」の誘惑に負けず、自分にできるささやかなことがどう他人と徐々に連携するのかを見極めていく「じっくり」の過程が必要だと思います

2012-03-20 04:50:15
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→「今すぐに動かないと○○で○○が起きてしまうんだ。じっくりどころじゃない!」という論調は、実は議論ではなく動員をかけための煽り。そういう場面には決まってプロが入り込んでいることを疑った方がいい。解決はできないことをわかっているのに、話に乗って行動するカモを探す職人たちですね。

2012-03-20 04:52:25
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→ウガンダの問題をこれほどひどくなるまで放っておいた国際社会の背景にはさまざまな要因がありますが、先進国の市民の無関心も大いなる反省点。ただ、今後、無関心に戻るサイクルを繰り返さないためには、考え方や考えが行動や情報リレーに結びつく「生活習慣」そのものが見直される時が来ているかも

2012-03-20 04:55:04
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→ウガンダもそうですが、現状の最もひどい問題には直接介入をしてでもストップをかけ、同時に自力で継続できる再建のプランが求められるというケースが多いです。もしも世界中の人達が日々刻々と注意を向け、じっくりと話し合いや情報共有を進めて行けたら、案外すっきりと解決できるかも。

2012-03-20 04:59:44
モーリー・ロバートソン @gjmorley

→短絡した逃避的な言動に「希望」を見出そうとしているのは、実はすでに絶望しているからかもしれない。本当に希望がある人は現実の複雑さにひるまない。きっといつかは変化をもたらせる、という自分を信じているから。ということで一通り考えてみました。

2012-03-20 05:01:16