鯉の話

@endhappy

初めての経験をした面接のお話です。 #kontobu

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その会社を仮にYとしましょう。私は教育や機械類に興味があり、また稼ぎたいという理由によりYに応募したところ、すんなり面接通知が届きました。これはチャンスと思い、少し気合を入れてYへ向かいます。 #kontobu

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Yは自社ビルを持っている若い会社ながらのベンチャー企業です。ワンマンな会社ではないと思っていました。しかし、私はYに到着するなり驚きを隠せませんでした。 #kontobu

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受付がないのです。インターフォンはありますが、どう受付という場所が存在しません。私は戸惑いながらもインターフォンを押し、本日面接に着た旨を伝えます。すると、丁寧な言葉で「そこで待て」と言われました。 #kontobu

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聞き間違いだと軽く頭を振りながら、数分ほど待つと重そうに身体を揺らしながら歩いてくる二足歩行型が来たのです。「え！？」軽く、声をあげてしまいましたが、「今日はありがとうございます！」と元気よく返事をしました。「どうぞ」と明らかに眠そうな声で中に促しています。 #kontobu

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何かの罠だろうか？と勘ぐりながら、中に入ると数人の女性が立って「いらっしゃいませ」と深々とお辞儀をしてるじゃありませんか。いったい、このギャップなんだろうか？と再び思案してしまいました。 #kontobu

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中は全体的に蛍光灯の光のみが照らされている室内で、机と間切で分かれている構成の３F立てのビルです。全ての窓にはブラインドが卸されておリ、外からの光がないビルでした。私は、その奥、蛍光灯すらついていない室へ通されました。 #kontobu

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間切された長方形、３ｘ５ほどの部屋で机が一つ、椅子が四つ、ホワイトボードがありました。机の上にはアンケート用紙が置かれています。アンケートは氏名、住所、ここまでの経緯、年収などの欄がありました。さくさくと書いていきましたが、途中で筆が止まった。 #kontobu

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項目に「あなたが幸運だったことは？」とあったのです。そこで私は悩みました。悩んだ結果「こうして生きていることが奇跡です」と回答したのです #kontobu

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この回答に満足した私はペンを置き、面接官が来るまで待っていました。 #kontobu

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メール内容を思い出します。「H石K」が面接をします、とあったと思ったのです。なので、それを尋ねました。すると「私がH石Kです」と言うではありません。まさか、メールで女性を偽るなんて思いませんでした。 #kontobu

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丁寧に名刺を受け取りましたが、最初に名乗った名前と違う名刺を渡されました。”ここはやばい”と肌で感じました。面接官が口を開き、会社説明を始めました。その説明は他企業との比較や業績、社員のモチベーションとはたまた面接官の願望に及びました。 #kontobu

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話しているH石の隣にいるIさんをみると、しきりに頷いているだけです。目をつぶり、腕組みをしているのです。私はその”無意味な”説明を聞き流しながら、料金体系とか怪しすぎる、心が痛むと感じ始めました #kontobu

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話し始めて、２時間が経過しました。私はまだ、自己紹介もPRも何一つしゃべってません。相手の顔が目が飛び出そうなぐらい出ており、充血し、額から汗がにじみ出ています。可哀想な人だ、と関心しながら黙って話を聞いていました。#kontobu

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突然、「ここまでで質問は？」と聞いてきたのです。私は咄嗟に「私のことは聞かないのですか？」と尋ねました。すると、「必要ない」との返答が返ってくるじゃありませんか。更に「これからのお話は長いですか？」とお聞きしたところ、「後、小一時間程度だよね」と帰ってきた #kontobu

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「失礼ですが、この面接に意味はあるのですか？」と尋ねると、「いや、ない」ときっぱりと断言してのです。「それなら、もう終りしませんか？」と提案すると、「何か予定があるんですか？」と上から目線で。 #kontobu

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言い返す気力を失ったので「それでは、ごきげんよう。幸アランことを」と言い放ち、その会社を後にしました。お話終り #kontobu